リゼ“様”?
姉がお城に滞在している間は、カーラさんという侍女さんが世話してくれることになった。
以前、王様に会うための支度を手伝ってくれた人だった。
「よろしくお願いします」
私と姉が頭を下げると、カーラさんは「こちらこそ、よろしくお願いします」と言って微笑んでくれた。
さすが王都の侍女さんだと思った。
しかし、リゼ様と呼ばれるのには困った。
「“様”はいりません」
「いいえ、リゼ様。竜術士は魔術士に次ぐ地位の方々。その弟子となられるリゼ様にも、礼儀を欠かすことはできません」
そうカーラさんに言われてしまうと何も言えなくなる。
「じゃあ、私は?」
姉がカーラさんに問いかける。
「ローザ様はリゼ様のお姉様ですから」
だからやっぱり“様”が付くのだと言う。
姉はそれで満足そうにしているし、私も慣れるしかないかと諦めた。
城内はカーラさんが案内してくれて、色々な所を見学することができた。
そしてそれ以外の場所は、ライドさんが連れて行ってくれた。
ライドさんに、仕事は大丈夫なのか訊いたら、これも仕事だから、と言われた。
弟子入りしに来たのにお客様扱いで本当にいいのかと思ったが、ライドさんが「正式に弟子になったら、リゼちゃんが仕える側になるんだから」と言ったので納得した。
私がグレイス様や偉い人に仕える時には、カーラさんのことを参考にしようと思った。




