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緊張?
翌日。
王様と会うための支度は、城の侍女さんたちが手伝ってくれた。
綺麗な服に着替えて、髪も複雑に編み込まれて、鏡に映る私は、見たことのない少女に変身していた。
その姿が気恥ずかしくて、私は鏡をあまり見ないようにした。
「お気に召しませんでしたか?」
侍女さんが心配そうに言うので、私は慌てて否定した。
「いいえ! 綺麗にして貰って、とっても嬉しいです!」
そう言うと、侍女さんたちはホッとした表情を浮かべた。
「では、陛下に会われるので、緊張しているのですか?」
「そうです」
緊張してるのは本当なので、そう答えた。
「陛下はお優しい方ですから、心配しなくても大丈夫ですよ」
侍女さんがそう言ってくれたので、私も少しホッとした。
グレイス様とライドさんが迎えに来てくれたので、私は王様に会うために部屋を出た。
キュアーは眠っていたので、起こさないようにして、バスケットに入れて連れてきた。
道往く人が私たちを見る。その視線に緊張が増した。
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
ライドさんが声をかけてくれるけど、私の緊張はほぐれなかった。




