セラージュ湖?
次の日。グレイス様とライドさんと一緒に、セラージュ湖に行くことになった。
湖まではラファンに乗って向かった。
「キュゥ〜」
空を飛んでる最中は、またキュアーが、バスケットの中で不満の声を洩らしていた。
「キューちゃん、すぐに着くからね」
キュアーに声をかけて宥めながら、私は竜のいる湖に思いを馳せていた。
(すごく綺麗な所だって聞いたことがあるし、竜たちに会うのも楽しみ)
私はワクワクしながら空の景色を眺めていた。
セラージュ湖が見えた。たくさんの竜がいる。
色とりどりの竜たちが湖に集まっている風景は、とても幻想的だった。
私はラファンから降りると、バスケットを開けてキュアーに話しかけた。
「キューちゃん、仲間がたくさんいるよ!」
「キュ」
キュアーがバスケットから出て飛び回る。
そして竜たちのいる湖のほうへ向かって行った。
竜たちはキュアーに気が付くと、それぞれが鳴き声を上げて迎えていた。まるで、おかえりと言っているようだった。
(キューちゃん嬉しそう……)
竜たちと戯れるキュアーの姿を見ながら、やっぱり仲間と一緒にいさせてあげたいと思った。
(王都で生活しよう)
ようやく、家族と離れて暮らす決心がついた。




