竜術士?
竜術士は、竜使いとも呼ばれ、竜と意思疎通ができる能力を持った人だけがなれるのだと、ライドが説明してくれた。
「だから、グレイスは私よりずっと偉いんだよ」
……なるほど。だから雰囲気が偉そうなのか。
そんなことを話していると、キュアーが餌をねだってきた。
「キュウ〜」
羽をパタパタさせて、お腹が空いたと訴えている。
「キューちゃん、お腹空いた? ちょっと待ってね」
「キュ」
私は二人に断ってから、キュアーと一緒に餌を用意しに行こうとした。
するとグレイスが「餌を与える様子を見たい」と言うので、母が代わりに取りに行ってくれることになった。
「……君は、もしかしたら竜術士の才能があるかもしれないな」
グレイスが、呟くように言った。
「ああ! そうだね。キュアーと通じ合ってる感じだったね」
ライドまで、そんなことを言う。
期待し過ぎないようにと思いながらも、もしかして私も“竜術士”というものになれるかもしれないと嬉しくなった。
「ラファンに会わせてみるか」
「そうだね」
何やら二人して話が決まったようだ。
ラファンというのは、彼等が乗ってきた竜の名前だった。
こっちから言い出さなくても竜に会えることになって、私は機嫌が良くなった。
(どんな竜なんだろ)
キュアーと一緒に会いに行くのが、すごく楽しみだった。