責任重大?
竜の鳴き声は、雌は「キュルル」と高い声で鳴き、雄は「クルル」と低い声で鳴くのだと教えてもらった。
「まぁ、雌か雄かってのも曖昧なんだけどな」
ライドがそう言って笑う。
ハッキリ分からないが、身体が大きくて声の低いほうが雄だろう、ということになっているのだそうだ。
「竜が卵を産むのも子育てするのも、タッセオ山の結界の中だからな」
竜の生態についての詳しいことは、何も分かったいないのだと言う。
「だから、君の付ける記録は、とても貴重なものになる」
グレイスがそう言ってプレッシャーをかけてくる。
(なんか、責任重大……)
気軽に引き受けるんじゃなかったと思っても、今更取り消すことはできない。
それに、私が記録を付けないと、キュアーを王都に連れて行くという話になるに決まっている。だから、キュアーのためだと思って頑張るしかない。
記録を送る方法は、ココという転送獣を使うのだそうだ。
ココの雄は、どんなに遠くても、つがいの雌の所へ転移して帰ってくるのだという。その性質を利用したのが転送獣で、通信相手のところに送って、情報を持って帰らせるそうだ。
途中で戻ってきてしまうのでは、と訊いたら、転移疎外の術式を編み込んだリボンをつけて送るから、大丈夫だと言う。
その時初めて知ったのだが、グレイスはライドと同じ竜騎士ではなく、竜術士という職業なのだそうだ。




