王都で見習いに?
「……君は今、何歳だ?」
グレイスの問いに、私は「12歳です」と答えた。
「12か……世話係の見習いとしても、少し早いか?」
グレイスの呟きに、セイジさんが反応した。
「早いですよ! せめて15まで待って下さい」
15歳になれば成人だ。それまでは、ここでキュアーを育てられるように説得するつもりなのだろう。
「そうですよ。まさか今すぐ連れて行くなんて言いませんよね?」
母も反対した。……私はどっちがいいのか迷っていた。
(家族とは離れたくないけど、王都には行ってみたい)
それに、たくさんの竜にも会ってみたい。
(そういえば、この人たちが乗ってきた竜が森にいるんだっけ……)
あとで会わせてもらえるかな。できれば、触ってみたいのだけど……。
そんなことを考えていたら、ライドが話しかけてきた。
「リゼちゃん、って言ったっけ? 君はどうしたいの?」
「え! はい!?」
急に話を振られて、驚いた。
「すぐに王都に行きたい? それとも、15歳になってから見習いを始めるほうがいい?」
……15まで待ってほしいけど、その間キュアーをどこで育てることになるかが問題だ。
「キューちゃんを連れて行くのも待ってくれるのなら……15歳になってから、見習いになりたい、です」
そんなに都合良くいくだろうかと思いながらも、希望を言ってみる。
すると思った通り、グレイスが反対した。
「できれば、子竜は王都に連れて帰りたいのだが……」
「それは早過ぎると言ったでしょう」
セイジさんは、なんとしても15歳まで待ってもらう気だ。
(頑張って、セイジさん!)
私も心の中で応援した。