王様に報告?
城に戻ってから、私とグレイス様は今回のことを直接王様に報告することになった。
王様の前では、ほとんどグレイス様が話してくれたので、私は訊かれたことに答えるだけでよかった。
それでも緊張して動きがぎこちなくなってしまった。
今回のように竜の力で転移したという記録はどこにもないそうで、デュマとキュアーが特別なのか、それとも全ての竜にその力があるのか、今後竜術士が調べていくことになった。
私は、キュアーの力で転移が自由にできるようになったら、またいつかラナやルゥイに会いに行きたいな、と思った。
でも帰れなくなるのが怖いから、やっぱり試すことはできそうにないなと思い直した。
そうして、キュアーと共にグレイス様について修行する日々が戻ってきたのだった。
――その後、姉のローザとアウトゥール殿下が駆け落ちした後に結婚することになるとは誰も予想していなかった。
そして、私とグレイス様が結婚することも……。
これにて完結です。
キュアーとデュマは時空竜という種類の竜で、縄張り意識が強いために卵のうちから仲間のいない所に転移してしまう習性があります。
それでリゼの足元に卵が現われたのでした。
キュアーがデュマに対抗してばかりいたのも、自分の縄張りに入ってきた同種に対するものだったのです。
デュマがどこに行ったのかというと、自由を求めて新天地へと転移してしまったのでした。
ここまで読んで下さりありがとうございました。