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第129話「無限の可能性①」

 ナヴィはライム達に語る。

 この異世界での出来事や、時のルールにより消えてしまった者の記憶……

 それらは“潜在記憶”として、その者の記憶の奥底に残り続けると。



「間違いなくあるんだよ! この異世界での記憶は、完全には消えずに残るんだ!

 時のルールによって消えたはずの人の存在や、その記憶が甦ったりもする!


 そんな“潜在記憶”があるんだよ!! それを利用すれば、装置の完成を防ぐことができるはずなんだ!!」






 カコイマミライ

~時を刻まない島~


第129話

 “無限の可能性”






 “潜在記憶”


 これをうまく活用することができれば、博士が装置を作らない(・・・・)という、未来を生み出せるかもしれない。


 ナヴィは博士をじっと見つめ、思いをぶつけた。



「ここまで話したが、これもすべては──キリシマ博士!! あなたに懸かっている!

 この異世界での悲劇を、思い出すことができれば……


 博士は危機を覚え、装置を作ることをせず……“フューチャープロジェクト”を立ち上げることなく、事なきを得るはずなんだ!!」



『装置が生まれない未来が、これで生まれるかもしれない!!』


 ライムはそう思ったが、それでも避けることのできない、大きな事実がひとつある。

 その点について、ライムは触れた。



「仮に博士が装置を作らない未来に進むことができたら……俺やミサキ、その他多くの異界人……いや、それだけじゃない。

 中にはすでに消滅してしまっている者もたくさんいる! それらすべての異界人は、どうなってしまうんだ!?」



 ライムは露骨に不安な顔をするも、ナヴィは自信満々に笑顔で答えてみせた。



「安心して! ライム! 恐らく、それらも全部解決できるはずなんだ!!

 元々僕らは時の軸(タイムアクシス)、“今”と未来を生きる、二人の人物が時のルールにより、この異世界に来たと考えていた……


 しかし、実際のところは違った。どちらも(・・・・)未来の二人で、時の軸(タイムアクシス)に近い未来の人物と、もう一人はその3日後の未来の人物だ。

 即ち、どちらか片方が消滅しようが、時の軸(タイムアクシス)には、その者は生きてて存在することになる!

 だから“今”を再び動かしたとしても、影響は出ないはずなんだよ!!」



 まさにすべてを解決できる!!

 そんな夢のような話に、ミサキの心は踊った。



「完璧じゃない!! 博士が装置を作らないという時の軸(タイムアクシス)、“今”を選択することに成功すれば……現実に起こったこと以外の、その他すべての未来のパターンは消えることになる。

 だから装置によって、異世界に飛ばされるという未来のすべては、全部ありえない話にできるのね!!」



 博士の今後の行動次第で、未来は大きく変わる……すべてはキリシマ博士に委ねられている。

 博士にかかる責任は重大だ。


 三人は博士に熱い視線を向けた。

 その視線を感じた博士は、一度目を反らす……


 自信がないのだろうか?


 そのように感じた、未だ興奮状態のミサキは、博士にエールを送った。



「博士!! あとはあなたがナヴィちゃんの言う通り出来るかどうか。でも大丈夫よ!! 絶対博士なら大丈夫!! 私、信じてるから!!」



 ライムも博士に優しい言葉をかける。



「そうだよ! 絶対に博士なら──やってのける!! 俺も博士を信じてるからな!!」



 みんなの期待を胸に、博士はきっとやってくれるだろう。

 三人はそう信じたが、何も博士は自信がなく下を向いていたわけではない。


 博士には、ナヴィの推測に引っ掛かる点があったのだ。

 少し冷めた態度で、博士はナヴィに言及した。



「ナヴィの推測……まさに見事だ! あとは私にすべてが懸かってると言いたいとこだが……

 最後まで聞いても、一向に出てくることはなかったな。このナヴィの推測に……




 証拠はあるのか?」




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