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第108話「別人①」

 ライム&ミサキ VS 解放軍キリシマ

 

 キリシマの自首は見込めず、やはり争いは避けられぬものとなっていた。


 キリシマはライムに向かって神力を放つ。謎の楕円形の物を投げ込んだ。

 ライムはその楕円形の物を神力・ガンで撃ち抜くも──その楕円形の物は大きな音を立てて破裂する。



「なんだ、今のは……俺のガンが当たったと同時に、“爆発”した!?」



「よく気づいたな。ライム!!

 私の神力は“ボム”──爆弾の能力を持つ!!」






 カコイマミライ

~時を刻まない島~


第108話

 “別人”






 キリシマの扱う、神力・ボム


 キリシマが投げた楕円形の物とは、例えるなら手榴弾だろう。

 これでキリシマの神力が分かった。

 神力さえ分かれば、警戒心は薄れる。



「爆弾か……また投げてくるかもしれない。気を付けろよミサキ!!」



「えぇ、私に投げてきたら、“リフレクト”で跳ね返してやるわ!!」

 


 これから厳しい戦いが始まるというのに、キリシマは呑気に斜に構えている。


 キリシマには、ライムとミサキの二人の年齢が似たように感じ、なんだか二人がお似合いのカップルのように見えていた。



「ライム……もしかしてこの子は、ライムの彼女か?」



 満更でもないのか、ライムは赤面した。


 これもライムを油断させる、作戦のひとつなのだろうか……?



「ば、バカ野郎……こんな時になんて言う話をしやがる……ふざけてる場合かよ!!」



 ライムは苦笑いのまま、ガンの力を溜める。そして、キリシマとの距離を詰めた。


 対するキリシマは、先程のように手榴弾を投げる気配はない。そのため、ライムは躊躇せず突っ込んでいく。


 しかし、突然ミサキはライムを呼び止めた。



「ライム! だめよ! それ以上進まないで!! 何か“下”にある!!」



「──えっ?」



 ライムはミサキの助言により、足を止めようとするも、一歩及ばず。下にある“何か”に軽く足先が触れた。


 すると、ドーン!! と音を立て、地面が爆発を引き起こす。



「ライム!!」



 爆発と共に土煙が舞い上がった。

 ナヴィとミサキはライムを心配していたが、土煙の中からすぐさまライムは姿を現す。

 


「だ、大丈夫だ。足の先が触れただけ……ミサキのおかげだ。大したダメージを受けずに済んだ!」



 なんとかミサキの助言に救われたライム。

 その慌てた様を見たキリシマが、またしてもライムを茶化す。



「彼女に気を取られているからそうなるんだぞ、ライム!!」



「う、うるさいよ!! 余計なこと言うな!!


(なんだか調子狂うな……)」



 キリシマ博士にないような、違った側面を解放軍キリシマは見せてくる。ライムは戸惑っていた。


 博士は出会った時には、すでに牢獄に入れられ、かなり衰弱した状態であった。

 また、自分の罪を反省していたからか、とてもじゃないがこんな冗談を言うような素振りは一度も見せなかったのだ。


 どうやらキリシマは、こんな一面も持つ人物でもあったらしい。



 さて、キリシマの冗談はさておき──


 キリシマの下からの攻撃をライムは見逃し、危うく大惨事になるところだったが……

 その予想外の場所からの攻撃のからくりを、ナヴィが暴いてみせた。



「ライム! 気を付けて!! 爆弾といっても、色々な種類があるみたいだ! よく周りを見渡して!!」



 ナヴィのアドバイスに対し、キリシマは得意気に語る。



「先程の私の攻撃は、“設置型爆弾(モーション)”──地雷のように、踏んだと同時に起爆する! 何も爆弾は一種類じゃないのだよ!!」



 地雷の如く、地面に散らばる、キリシマの神力による──設置型爆弾(モーション)


 どこに仕掛けてるか分からないとなると、迂闊に動くことはできない。


 ライムは目を凝らして、地面をよく見てみた。

 すると、僅かな小さなサイズではあるが、光が点滅してるのが分かる。



(あった! あれが爆弾か!!)



 今は冷静な状況のため、判断できるが、これが戦闘の最中となると、下を見ている余裕などない。判別は難しいだろう。

 しかし、それはキリシマとて同じはずだ。


 記憶力がいいため、キリシマなら仕掛けた場所もすべて覚えていそうだが、動きの中で、キリシマ本人も見分けられるかどうか……自身が被弾する可能性も恐らく高い。



(逆に俺がこれを利用するぐらいの気持ちでいかないと……よし、足下には十分気を付けて……こちらからも攻撃を仕掛けてやる!!)




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