兄より強き者は無し
アヴィス.アリア.ド=エイブラムズ(5歳)
銀髪、赤眼のお嬢様。
髪の長さは腰まで。
毎朝オスカーが巻いてます。
オスカー(10歳)
黒髪、緑眼のアヴィスの執事。
髪は所々跳ねていて首元で一本に結んでいる。
結んでいるリボンはアヴィスに貰ったものでオスカーの宝物。
ハロルド.アーサー.ド=エイブラムズ(16歳)
銀髪、赤眼のアヴィスの兄にしてエイブラムズ家の長男。
将来、帝国騎士団副団長になる男。
髪は耳に少しかかるくらいのストレート。
また…目が覚める。
もう覚める事の無いと思っていた目。
でも私の目に写ったのは見慣れたベッドの天井だった。
(…目が…覚めたの?)
周りを見渡すと見慣れたようだけど少し違う光景に戸惑っていた。
そして聞こえるノック音。
コンコン
「アヴィスお嬢様〜!おはようございます!」
…この声は…
「オスカー…?」
「…?どうされたのですかお嬢様?はい、オスカーですよ?」
見た目10歳くらいで大分小さくなったオスカーがそこに居た。
ただ、それだけでも、あの光景を鮮明に覚えている私にとっては嬉しい事だった。
(また…また会えたのね!)
「オスカーーーー!!!」
「!?うわっと…おじょ、お嬢様!?」
わんわん泣き叫ぶ私を戸惑いながらでもしっかりと抱きしめてくれる優しいオスカー。
その優しさに少しだけ甘えて涙が枯れるまで泣く事にした。
「…で、落ち着かれました?」
「うぅ…ごめんなさいオスカー…。久しぶり…じゃ無くて、怖い夢を見ちゃって…」
「いえいえ。とても愛らしゅうございましたよ。」
にやにやとしながらからかうオスカーに「もぅ!」と怒って身支度をしてもらう。
そう言えば…いつもよりも目線が低いような…
鏡の前に行ってみるとオスカーが小さかった訳が分かった。
(ちっ縮んでる…)
オスカーだけで無く実は私も縮んでいた…
いや抱きついた時から分かってはいましたけどね…
「お、オスカー?」
「はい?」
「貴方今何歳かしら?」
「私ですか?10歳にございますよお嬢様」
オスカーと私は4歳差だから…
私って6歳…?
「今日は一体どうされたのですかお嬢様?」
私が前に転生したのは15歳…
アヴィスがロレンツオの許嫁になったのが6歳の誕生日だから…
まだ防げるかもしれない!
「オスカー!!!今日は何月何日かしら!?」
「はい、今日は4月20日にございます。」
「私は何歳!?」
「お嬢様は5歳です」
「私の誕生日は!?」
「今日にございます」
「…え?」
一瞬の間。
「お嬢様の誕生日は今日にございます。」
oh…
確か…私とロレンツオの出会いはこうだ…。
私は誕生日に父からのプレゼントに胸を弾ませているとなんと奥の部屋から王太子が!
そこで一目惚れするアヴィス!!
ってストーリーになるんだけど…
そうだ!!
「お嬢様ーーーー!」
そう…出会ってしまうのなら…引きこもればいいじゃない!!
今日一日さえやり過ごせば私はハロルドと出会わなかった事になる。
お父様には迷惑をかけるのは心苦しいけど…
「__様!?……いえ、ですが……!!!」
(…?外が?)
ダン!!
「おはようアヴィ。そんな布団に包まってどうしたんだい?まさかとは思うが…お部屋から出たくない…なんてはしたないレディみたいな事は言わないよね?」
大きな音を立てて開いたドアの先に居たのは…
「ご…ご機嫌麗しゅうハロルドおにぃ様…」
あの時私の首を刎ねたハロルドお兄様だった。
次回!!登場人物をチラッとご紹介!!
アッティア.マリス.ド=エイブラムズ(4歳)
銀髪、赤眼のアヴィスの弟。
姉が生涯の憧れ。
綺麗なものが好き。
ロレンツオ.ヴィル.オ=エヴァンス(8歳)
金髪、青眼のアヴィスの婚約者?
アヴィスには毛ほども興味が無い…??




