1…お守り
コウレイジャー、シリーズ第二段は草津!
草津は良いところでした!(行きました)
ハードボイルド(嘘)と大人の事情、人間模様…今回もよろしくお願いします♡
ーーーーー
NEW〜草津編オープニングソング〜
ハァァちょいなちょいな〜
草津よいとぉこぉ
一度はぁおいでぇ…
ドンドンドドン ドンドンドドン
赤い光だ(あか!)
青い閃光(あお!)
黄色(きいろ!)
どピンク(はで!)
各地温泉怪物出るって
名産特産硫黄と湯気のハザマから
ドンドンドドン ドンドンドドン
みんなの力を合わせれば(レインボー!)
なんとかなるのがコウレイジャー(じゃー!)
変身!(ヤー!)
必殺!(ホー!)
いまだどうにかやっつけろ
コウレイジャー、嗚呼コウレイジャー
還暦過ぎても戦える!
全員オーバーシックスティ
お迎えまだまだ!
還暦戦隊コウレイジャー!
(どなたか曲付けて歌って下さい)
ーーーーー
「あれー、また増えたんじゃない?それそれ、そのお守り」
半蔵さんはカウンターの奥の棚に押しピンでぶら下がっているたくさんのお守りの右端を指差して言った。記念すべき二十個目だ。
いつもの呑気な昼下がり、ここは梨乃さんの喫茶店「カフェおさんぽがてら」。
梨乃さん(六二歳)は…「地球機密」である、宇宙怪物と戦う還暦以上のヒーロー戦隊「コウレイジャー」のメンバーの一人。
なんなら今のところ紅一点、「コウレイジャー、どピンク」の中の人だ。
ちなみに半蔵さんは「コウレイジャー、赤」。
…【ここで登場人物のご紹介】…
シリーズも三作目ともなると、登場人物などすっかり記憶から抜けているミドルエイジーズがいると思うので、主な人物の説明を置いておきます。適当に流し見してください。
長くなると途中でまたコレを挟むので、「あれ、誰だっけ?」など物忘れが激し目の方でも大変安心してお読みいただけます。
*コウレイジャーと仲間たち*
◯梨乃 (なしの)…六十二歳、カフェ「さんぽがてら」の店長、紅一点、割と毒舌、必殺技
◯半蔵 (はんぞう)…六十歳、最年少、お茶目な性格、庭師、必殺技(怪力)
◯秀治 (しゅうじ)…六十三歳、元教師、クール系、必殺技
◯三郎 (さぶろう)…六十一歳、おっとりデブ、よく寝るよく食う、黄色系、必殺技(スモークandスメル)
◯謎のイケおじ …高いスーツを着ている
◯売れない漫画家さん …推定年齢三十四歳だと思われたが実年齢は二十五歳
売れない漫画がソロソロ打ち切りになろうとしているヤバい立場
桜桃男らしい
こまちちゃんが好き
◯こまち …近所の花屋さん「レイニーレインボー」の一人娘「大角こまち」ちゃん、二十歳
短大出たけどプー太郎ナウ、実家花屋の手伝いを気ままににやっている
低身長ちょいぽちゃで顔が可愛い系(メイクが上手い)、くるくるふわふわした髪、くりくりの瞳、低い鼻、
いわゆる“ちょうどいい”感じで、愛嬌と若さもプラスして今のところモテまくり無双している(ほぼコピペ)
*****
さて
「あー、この子はねぇ、ほら、角のうどん屋の紫の髪の!サトーさんからもらったのよ、どっか旅行先のやつ」
と梨乃さんは右端のお守りを突きながら言った。突かれたお守りはヒヨヒヨ揺れる。
お守りなどのモノに対して、「この子」と呼ぶことで若干若者ぶる…はあるある。
梨乃さんがお守りをたくさん飾っていることにより、お守りはさらにたくさん集まってくるのだった。
「最近のお守りはどれもこれもオシャレよねぇ。最新のはプラッチック(多分アクリルのこと)で透けてんのよ。昔はもっと、ザ・お守り、みたいな感じじゃなかった?」
伝わるかどうか微妙なニュアンスだが、半蔵さんにはなんとなく伝わったみたいで彼はウンウンと頷いた。
「おう、オシャレだなオシャレ」
伝わっていないかもしれない。
梨乃さんは、どこか出掛ける度に神社を探してお守りを買う。
「健康」が効能のやつを一つ。
「還暦過ぎると必死ぃ〜」
などと年若い花屋の看板娘、こまちちゃんは笑う。
「そういえば、今年何年だっけ?」
梨乃さんはふとスマホのカレンダーを見た。
コレも還暦あるある、西暦を普通に忘れるし、ましてや令和の年なんて覚える気もない。そんなの作った方が悪いスタンスだ。
また、スマホで確認しないと、貼ってあるカレンダーなんて今年のものかも怪しかったりする。
「うわー、三十周年記念だったかー!」
「なにが?」
店と会話に入ってきたのは秀治さん。コウレイジャー、青である。
梨乃さんは「ナイショ」みたいな顔をして、何が三十周年なのか言わなかった。
「来週…来週は3日ほどこの店、休むわ」
「えー、どうしてですかぁ」
店の端のトイレの横、いつもの席で気配を殺していた売れない漫画家さんがカウンターに寄ってくる。
「コーヒーおかわりは?」
意外と優しい梨乃さん、売れない漫画家さんにはおかわり無料でサービスしてあげている。
ただしたまに忙しい時などは、皿洗いや店番を無料で頼んだりするが。
「あ、いただきます。ここに休まれると仕事がはかどらないんだよなぁ。ここのこの場所じゃないとぉ…」
「漫画の仕事なんて今ないじゃん」
痛いところをつく半蔵さん。
売れない漫画家さんはキッと睨んで、
「これだから素人は!作品が表に出ていない時でも、漫画家は常にネタを考えているんですよ!壮大なストーリーをね!」
とプリプリ怒った。
「あ、で、どうしてお店休むんですか?」
熱々のコーヒーを受け取りながら売れない漫画家さんが再び聞いた。
「草津に行こうと思って」
「草津?」
梨乃さんは遠い目をした。話が長くなりそうだ。
「草津はね、旦那と新婚旅行で行ったとこなのよ。
今年は結婚三十周年記念だから、また行こうと思って」
存在感が薄かった秀治さん(コウレイジャー青)は、ちょっと渋い顔をした。
半蔵さんはなんも考えずに言う。
「アレっ?梨乃ちゃんの旦那、とっくに死んでなかったったけ?」
流石に売れない漫画家さんもウワァという顔で半蔵を見る。
「ああ、とっくに死んでるわよ。五年前に」
梨乃さんは秀治にコーヒーを出しながら、
「死んだ年数えるのもつまんないでしょ。だから結婚した年からしか数えないの」
サッパリ答える姿に年の功を感じる。
梨乃さんの夫の話はおいおい出てくるとして、結局みんながちょうど暇(割といつでも暇)という理由で、一同草津に一緒に行くことになった。
しかも、謎のイケオジが言うには、草津にも宇宙怪物スキーマーの反応があるらしく、ちょうど調査に向かうところだったとのこと。
その割には今回はイケオジ専用の“温泉バッグ”(便利)なるものをちゃっかり購入していたりして、仕事かどうか怪しい物なのだが…。
なんにしろ、ほとんど謎の組織の経費で行けることになったのでみんなウキウキである。
今回こまちちゃんと売れない漫画家さんは、「コウレイジャーリザーヴ」という訳のわからない役職をゲットした。経費の関係らしい。
ちなみに黄色の三郎さんは事後承諾で強制参加である。
かくして、謎のイケオジ、コウレイジャーの四人、コウレイジャーリザーヴの二人、合わせて七人が草津へ旅だったのであった…!!




