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第七話 「綺麗事」


3人はハリエ町の近くの森まで来ていた。

魔物に見つからないように草が生い茂るところで葉の隙間からハリエ町の様子を見た。


「うわぁ思ったより荒廃してますね、人が一人もいないや。」


「時々近くの兵が奪還しようとしてるがもれなく失敗したらしいしな、もう他の国も諦めムードだったわけだ。」


「それってやばいんじゃないの?兵が何人もいて無理なのに私たち3人でどうにかできるかしら?」

レイミは不安そうにしてたがルイズとケインはもう奪還する気満々だった。


「最悪死ぬな。でもそんな事これから先いつ起きてもおかしくねえ。それでも守るんだろ?人間を。だったら戦って魔族たちと休戦結ぶしかねえだろ」


「あら、あなた共生派なのね。少し意外、てっきり殲滅派だと思ってたわ。」

魔王が現れてから世界は魔物殲滅派と共生派で意見が分かれていた。国によって方針は違うが大体は殲滅派でさかんに活動していた。


「ルイズは優しいんですね〜」

ケインは意見が合い嬉しいのか笑いながら

ルイズの顔を覗いた


「そんなんじゃねえ、俺は俺と同じ種族の味方なだけだ。俺が生きるためなら共生でも殲滅でもどっちだって構わない。それと、俺は人間が意外と好きだからな。」


「そのセリフあんたが言ったら少し怖いわよ。」

その言葉を聞きルイズはひっでぇなと言って顔をしかめた。


「僕は共生かな。魔族にだって良い魔物はきっといますよ!今は何か理由があって人間と戦っているけどきっといつか分かりあえる日が来ると思います!」

レイミはそんな綺麗事通じるのかと少し笑った

「そんな日来るかしら」


「自分でもわかんないです。綺麗事だってわかってるけど、どうにかしたくて…」

ケインはうつむき諦めかけた顔をしたがその瞳の奥にはまだ共生への願いが込められているようにだった。


「お前の夢にお前が不安でどうするよ。自分のやりたいことを叶えるには自分のやりてぇようになりやるのが一番ってもんだぜ。自信持てや。まあそれはそれとしてまずはここを奪還するぞ」


3人がハリエ町の境界までひっそりと近づき、荒れた大地を力強く踏みしめて

魔物が統率しているハリエ町へと素早い動きで乗り込んだ。


見張り番をケインはすぐさま斬り、町を囲んでいた柵をルイズが蹴り開けると

魔物たちの集落があった。


「て、敵襲だ!人間が来たぞー!」

この集落の長であろう老けた魔物がそう叫び、魔物たちが3人目がけて襲いかかってきた


「いきなり来たな!腕が鳴るぜ!!」

ルイズは村を守る魔物たちと同じ勢いで魔物たちに突進していった。


レイミは遠距離攻撃をしてくる魔物や動物系の魔物に対し的確に炎魔法をヒットさせた


ケインはルイズの後ろに立ち、突進するルイズの援護をしていた。その時、


逃げ遅れた子どもの魔物がケインの目に映った。


ルイズは迷いなく全ての魔物を斬り倒し、遂に長の魔物へ攻撃を与えた。自分でもよくここまでいけたなと思い死ぬかもしれなかった状況にどっと疲労感を感じた。そしてケインの見つめた方向にいた子どもの魔物に向かって近づいた。


「待って、ルイズ!もうここまでやったから良いだろう、何もこの子まで斬らなくても」

と、ケインはルイズの前に立ちはだかり慌ててルイズのことを止めようとした。


「どけよ。こいつらが先に人間の領地を奪ったんだ。最初に言ったろ、俺らが突っ込んだ場合は殲滅させるとな。分かったらそこをどけ。」

そう言ってまた近づこうとするルイズの前にケインは大樹のように立ちつくした。


「そんなこと言ったってこの子は大人たちに巻き込まれただけだろう。そんな子を倒したところで何か変わるのか、違うだろう腰を抜かし逃げることもできない魔物を倒すことが…醜いことが僕にはできない!」


「そんな人間を魔物たちは嘲笑うかのように殺してきたんだぞ!そしてそうやって魔物を逃がすことで人間の話が伝わって、また人間を恨む魔物が増えるんだぞ!綺麗事言ってないで…」


ドスン、


必死に話をしていたルイズの背中に

唐突に1本の矢が刺さり、ルイズは

その場に倒れ落ちた。


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