夕食タイム!
プレデビュタントが終わり、みんな肩の荷が下りたところで、お待ちかねの夕食タイム!
公爵邸のシェフが腕によりをかけた料理がテーブルに並び、まだまだ育ち盛りの四人は、元気よく食べ進める。その旺盛な食欲を見て、両親は「よいことだ」と笑顔だったが。
デザートのチェリータルトと紅茶が登場すると、父親が「ではそろそろ発表しようか」と声を上げた。
その瞬間、美青年リアス、ジャスパー、セーブル、アンバーの全員が、神妙な面持ちとなる。
「娘をエスコートするのは君だ!……という発表だけでは、なぜ選ばれなかったのか、もやもやするのでは? そこで今回は一人ずつ順番に、総評を伝える形にします」
父親のこの言葉に安堵が広がった。
選ばれなかった理由、それは改善点でもある。聞くことができれば、自身の成長へ生かせるのだ。ゆえに父親のこの方針に四人も同意を示した。
「では順番に。まずジャスパー・レッドシーク伯爵令息」
「はいっ!」
返事は必要ないと思うのだけど、緊張したジャスパーが勢いよく返事をするので、みんなから笑いが起きる。
「ははは。君はどうやらすぐに緊張しやすい質のようですね」
「! そ、そうみたいです…」
「君の緊張は娘に移ったのでしょうか? ダンスの最中の娘は……大変なことになっていました」
これには私が「お父様!」と声を上げることになる。
「レッドシーク伯爵令息は、エスコートは普通でしたよね!?」
「エスコートは……そうだね。本人はがちがちに緊張していたようだが、エスコートは……ダンスに比べたら、あの緊張のわりにちゃんとしていたと思うよ」
「そうなるとダンスがマイナス評価になるのでしたら、あれは私がミスを連発しただけで、彼は悪くありません!」
そう私が伝えると、父親は「それは違うよ、アドリアナ」と言い出す。
「アドリアナのダンスの腕前を私たちは知っている。いつも通りのアドリアナであれば、あんなにミスを連発しない。そうなるとパートナーに何か問題があったのでは?と思えてしまう。そこはどうだろうか、レッドシーク伯爵令息?」
問われたジャスパーは考え込み、私は「そんな、あれは私のミスですから」と伝えるのだが……。
「……サンフォード公爵令嬢がミスをしたのは、俺の……わたしのせいです。わたしが彼女が動揺するようなことをダンス中に言ってしまったんです」
(ジャスパー……!)
「ほう。ダンス中にそんな話をしていたのですか」
「そうですね。でも今、冷静に考えると、ダンス中にそんな話はすべきではありませんでした。わたしは……自分のことしか考えていなかったと思います。配慮が足りなかったと……気づきました」
「なるほど。そうなると君はデビュタントで娘をエスコートし、ダンスするのは……」
そこでジャスパーは思いっきり首を振った。
「わたしではダメだと思います。まだ修行が足りません。そのことに気付くことができるいい機会でした」
「そうですか……。では君は自分が選ばれなくても、納得ということですね」
「はい」
改めてジャスパーは私を見ると、こんなことを口にする。
「サンフォード公爵令嬢を、いつかエスコートするに相応しい人間になれるよう、これからも頑張るよ。でも今日はありがとう。プレデビュタントだけど、エスコートできて、ダンスもできて……うん、よかった!」
「レッドシーク伯爵令息。エスコートは出来ていたと思うし、ダンスも私が滑りそうになった時、ちゃんと支えてくれたわ。そこからリカバリーもきちんとして、踊り続けた。今回はたまたま、変な話を始めちゃったから……。だから決してエスコートとダンスがダメったわけじゃない。また別の機会で……ダンスもしましょう!」
なんというのか、ジャスパーは子分の一人として、どこかやんちゃで危なっかしいところがあり、目が離せなかった。異性として、師匠が好きだと言われても、それはピンとこない。どうしても出来の悪い弟子というか弟に思え、庇いたくなり、励ましたくなっていた。
「うん。また今度な!」
彼らしい返事にホッとすると、父親は「では次の総評に行こうか」と話を進める。
「アンバー・ゴールドウィン子爵令息。次は君の総評ですが、どうでしょう。娘をエスコートして、ダンスをしてみた感想は?」
「はい! サンフォード公爵令嬢をエスコートし、ダンスできて、とても幸せでした。そもそも僕は、サンフォード公爵令嬢と、ダンスをできたらと思っていただけなんです。僕は三歳からダンスを習っていたので。ところが皆さんがエスコート争奪戦みたいになり、つい僕も便乗してしまいました」
「なるほど。それで娘とのダンス、完璧にできましたか?」
問われたアンバーは考え込み、そして――。
「いいえ。サンフォード公爵令嬢とのダンスは……残念ながら及第点にもならないと思います」
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今日もたくさんの方に読んでいただけて、嬉しい気持ちでいっぱいです。いつも応援してくださる皆様に、心の中でそっと「ありがとう」を送ります~
明日も二話、頑張って更新しますねー!























































