36、いざ自由国トラインへ
「ではお母様お父様、それからお兄様方行ってまいります」
「行って来るです!!」
「行ってらっしゃい頑張ってね」
「行ってきます」
無事準備を終わらせ王城前に一度集まり一時の別れを惜しんでいた
「ではみんな行きましょう」
ごめんあんまり惜しんでないみたい・・・
「「「「「「了解!!」」」」」」
アイとリュウが御者台に乗りその他は荷台に乗っていく
馬車は前に乗ったような豪華なものではなく馬二頭が引く幌馬車だ
「皆さま準備はよろしいでしょうか?」
御者台のアイが確認を取ってくる
「問題ないわ」
「ないですわ」
「ありません」
「ないです」
「ないのです!!」
「ないな」
「では出発です」
「いってらっしゃい~~」
「行ってきます~」
手を振り送り出してくれる家族にテミアも手を振り返す
「テミアこれからどうやってトラインまで行くんでしたっけ?」
「そうね・・・」
鞄からベールにもらった地図を出す
「今は此処王都シュバン、ここから北上していくと、港町のシップーがあるわ今のところの
最終目標は此処ね、此処に行くまでいくつもの町や村があるからそこで休憩を
取りながら向かうことになるわ」
「どの位掛かるんですの?」
「そうね・・・不眠不休でまっすぐシップーまで向かうとしても一週間ぐらいはかかるわね」
「そんなにかかるんですの?」
「あれ?エリちゃんて帝国から王都まで来たんじゃなかったけ?もっとかかると思うんだけど?」
「それはですね」
いつも通り小さくなった状態でいるベルファストが答える、ちなみにイラストリアスは
屋根の上に乗り艦載機を飛ばし周囲を警戒している
「道中はほとんど船の上だったんです、王国領域内に入っても川を上って移動していましたから」
「なるほど・・・それで」
「それで?このままいくとどの位掛かるんですの?」
「馬の休憩や私たちの食事、睡眠時間を計算に入れると、一月ぐらいかな?」
「そんなものでしょう」
「け、結構かかるんですのね」
「提督!賊です数は十程度かと」
屋根の上にいたイラストリアスから声がかかる
「誰が行く?」
「私たちが出ます!」
「仕方ない、俺も行こう」
アイとリュウが名乗りを上げる
「そう?じゃあよろしくね」
「げへへここは行き止まりだぜ、ぐへっへ」
ドス!
「なっグハっ」
シャキン!
「なななな」
ヒュウゥゥ~~ドン!!
「最初二つはわかるけど最後のはなんですの?」
「イラストリアスの急降下爆撃かと」
「そんなもん、雑魚掃除に使わないでよ・・・」
「zzzz」
そんな和やかな話をしている間にも悲鳴が響いている
「あり?、ルシアは寝ちゃったのね」
「よくこの五月蠅い中で眠れますわね・・・」
「非常に可愛らしいです」
「テミア様、掃除が終わりました」
「了解、殺してないでしょうね、賊はそこそこの値段で売れるんだから」
「むろんです、イラストリアスの爆撃が当たり所が悪かったようで一人瀕死ですが
問題はないでしょう」
「・・・イラストリアス後でお仕置きね」
「え゛え~~それはひどいですよ~」
「スラ子、ボックスに入れてきてちょうだい」
「把握しました」
スラ子が外に出ていく
ボックスとは生物を入れられない空間収納とは違い生きている物も入れることができる
空間収納は入れている間は時間が止まっているがボックスは時間経過する
やがて収納してきたスラ子が戻ってきた、しばらくして再び馬車が動き出す
「イラストリアス!罰のことなんだけど」
「覚えてたんですね・・・」
「次の町は馬車でお留守番ね」
「え゛ひどいです・・・」
「ほんとはくじで決めようとしたんだけど、ちょうどいいからよろしくね」
「しかたありません、次の町だけですよね!?」
よっぽど町を散策したかったらしい
「もちろん、次からはくじで決めるわ」
「それで私はいつまで警戒をすればいいんでしょう?」
「・・・次の町まで?」
「他に誰か遠距離警戒できる人いないんですか~~~~」
森中ににイラストリアスの叫びが響き渡る




