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ちびっこ召喚士のもふぷに領地改革~白猫師匠と猫カフェ仕込みの撫でスキルで貧乏領地を救います~  作者: るあか


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第12話 アルメルの町と同じ?

 村長の家で紅茶を飲んで休憩をしていると、リーゼロッテとケヴィンも合流した。


「ルカ。もう戻っていたのね」

「ちょ、ぼっちゃんだけ先戻ってるなんて、ずるいっすよ」

 ケヴィンは不満そうだ。


「2人ともおかえり~。村の人とおしゃべりできた?」

 ケヴィンのぼやきはスルーして、ルカが尋ねた。

 リーゼロッテがうんとうなずく。


「ええ。たくさんおしゃべりしてきたわ。みんな明るくていい人たちだった、でも――」

 リーゼロッテはそこまで言って、少し寂しそうな表情へと変わる。


「ん? でも?」

「ほら、アルメルで咳が流行ってた時に、アルメルの町の人たちは無理してるんじゃないかって話になったじゃない? この村の人たちも、同じ感じがした。無理してる……そんな気がするの」


「そっか……もしかして、ここにもインプが……?」

 それだと、この村でも咳が流行っていてもおかしくはない。

 いや、まだ咳をするには至らないくらいの数なのか……。

 そんな思考が、ルカの頭をぐるぐると巡る。


 次に、ケヴィンが口を開いた。

「インプかどうかは分かりませんが……雨がふるたびに野菜が萎れていってしまう、とも言っていましたね」


「雨が、降るたびに……」

 ルカは農業には詳しくない。

 だけど、植物には水をあげなくてはいけないから、雨が降るのはむしろ良いことなのではないかと思った。


 村長が2人分の紅茶を追加で持ってきて、ルカたちのテーブルに加わった。

「はい……そのせいもあってか、雨の日は村の者も気分が滅入ってしまっているようで……。わたくしも、雨の日はなんだか憂鬱に感じますね」


「あらら、まぁ……雨は濡れるし、嫌よねぇ……。紅茶、ありがとうございます」

 リーゼロッテはしみじみとそう言い、紅茶をすすった。


 雨の日に気分が滅入るのは、彼女の言うように一般的な気はする。

 ルカも前世では、いくら可愛い猫様に会いにいくとはいえ、雨の日の仕事は憂鬱だったものだ。


 ――しかし、そんな気分的なものだけなのだろうか?


 そんな不安が、ルカを襲う。


「ねぇ、村長さん。最近村で、変な咳が流行ったりしてない?」

 ルカがそう尋ねると、村長は「変な咳ですか……」と考え込んだ。


「うーん、今、ざっと思い返してみましたが、咳なら1人、2人、していたかもしれません」

「そっか、1人、2人か……」

 

 インプの息は、直接吸い込み続けない限り、症状が出ることはない。

 人から人へ感染するものではないため、町に行った村人がもらってきたとは考え難い。

 その2人の咳は、ただの風邪やアレルギー的なものだろうか、それとも――


 ◇


 ラウレンツも、村中の取材を終えて村長の家へと戻ってきた。

「……雨の日に状態が悪くなるとすると、今の肥料が雨には合っていないのだろうか……それなら、前の肥料の方が――」

 そうブツブツ言いながら室内へと入る。


 ルカたちを見ると、彼はハッと我に返った。

「おぉ、もう戻っていたのか。では、そろそろ帰るとしよう。ルカ、ルース村はどうだったかね? 勉強にはなったかい?」


 ルカは、大きくうなずいた。

「うん、あのね、良い人たちばっかりでとっても楽しかった。だからね――」


 ――だから、この村の人たちがインプか何かの危機にさらされているのであれば、放ってはおけない。


「うん?」

「僕、しばらくこのルース村にお泊りしたい!」


「何っ!?」

「マジっすか……」

 予想外の発言だと言わんばかりのラウレンツとケヴィン。


 一方で、リーゼロッテと村長は乗り気な反応を見せた。

「ルース村にお泊り会、楽しそうね♪」

「わたくし共は大歓迎でございますよ」


「いやいや、さすがにご迷惑だろう……」

 ラウレンツは困ったように頭をかいた。


「とんでもございません。寝床はこちらの家をお使いくださいませ。お食事も豪華なものは用意できませんが、それでもよろしければ……」

 

 村長の寛大なフォローもあって、ラウレンツは折れた。

「そう言ってもらえるのであれば、しばらく息子たちがお世話になります」


「やったー! 村長さん、お父様、ありがとう!」

「ふふっ、楽しみだわ♪」

 ルカとリーゼロッテは、向かい合って万歳をして喜んだ。


「ケヴィン、すまないが、よろしく頼んだぞ」

 ラウレンツがケヴィンの肩にポンと手を置くと、ケヴィンは苦笑した。

「あはは、そうっすね。ぼっちゃんたちは、このケヴィンめにお任せください……」


 ルカたちのルース村への滞在が決まると、ラウレンツによって、町から食料が支給された。

 父親には少し迷惑をかけてしまったけれど、だからこそ――


 ――絶対に、村の人たちと野菜を助けるんだ。

 ルカの決意は固かった。


 滞在初日の夜。

 クゥエルは村長宅の周りをウロウロと歩き回っていた。

 地面の臭いをクンクンと嗅いでいる。


 すると、村長宅の戸が開き、ケヴィンが顔を出す。

「さっきから、何やってるんすか」


 クゥエルは周りに人がいないことを確認すると「……早く屋敷に帰れるように、オレ様も協力してやってるだけだ」と答えた。


「ふぅん……?」

 ケヴィンの視線は冷ややかで、クゥエルははぁっとため息をついた。

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