1話目
初投稿です。見てくださりありがとうございます。
誤字脱字ありましたら教えていただけると助かります。
「この服可愛いね、似合うんじゃない?」
今日は大好きな姉と買い物に来ている。
久々なのもあって、浮かれていたんだと思う。
「…さん、お姉さん。」
「え?」
目を開けるとそこには真っ白な何もない空間。
そして目の前に可愛らしい少年がひとり。
「ここは…?」
声を発するとどこからともなく次々と何かが現れた。
「えっ何、誰?」
混乱していると最初にいた少年が話し始めた。
「驚かせちゃってごめんね。ここは君達人間でいう天界みたいなところなんだ。そして僕達は、うーん…そうだなぁ…天使とでも思ってくれればいいかな。」
天界?天使?
いきなりの展開に私の頭はもちろんついていかない。
しかし、聞き覚えのある言葉のおかげか、はたまたいつも好んで見ているアニメや漫画のおかげか、ほんの少しだけ状況が飲み込めつつある気がした。
「そういえばお姉ちゃんは…お姉ちゃん!」
姉との買い物の途中だったことを思い出し辺りを見渡すと、獣のような耳の生えた男の人に姉が抱えられていた。
「あ、姉は無事…ですか?」
「心配ない。君の目覚める前と同じ状況だ。」
姉を降ろしながら安心しろと男の人が言ったところで少年、もとい天使が口を開いた。
「さて、そろそろ本題に入ろうか。」
少年が口を開いた時、空気が整い澄んだ気がした。
「なぜ君達がここに来て、僕達がここにいるのか。簡単に言えば魔力の補填というところかな。」
「魔力の補填…?」
「そう。僕達のいる世界には世界を保つために必要な魔力のようなエネルギーがある。それが有限なんだ。近々足りなくなるという報告があってね。」
「それと私達に何の関係が…?」
私にもわかりやすいようにと少年がゆっくり丁寧に話してくれているのがわかる。
先程よりも落ち着き、話を少しずつ理解できるようになった感じがする。
「良い質問だね。エネルギーの補填方法が人間界から僕達の世界へ人を転送することなんだ。」
「それで私達が選ばれた、という事ですか?」
「正解。人間界で人選している時にたまたま君達を見かけてね。何やら異世界に関わる話をしているようだったから、興味があるんじゃないかと思ってね。連れて来させてもらったんだ。」
姉と一緒にやっている本格狩猟ゲームに実際に入ったら、という話をしていた時のことだろう。
採取のみで生き残る、いやそこは狩猟で稼ぐ、などと話していたのを覚えている。
「確かに、興味はないと言ったら嘘になります。けど…何の力も無い人間が通用する世界なんですか?」
「大丈夫。僕達が何らかの力を授ける。その力をどう使うかは君達次第だけどね。」
「その力って…」
話を詳しく聞こうとした時、後ろから姉の声が聞こえた。
「えっと…ここは?」
「お姉ちゃん!」
すぐさま姉の元へ駆け寄り異常がないか確認した。
「どこか痛いとかはない?大丈夫?」
「それは大丈夫、ところでここは?」
「えっと…簡単に説明するとここは異世界への入り口。私達、異世界に転移するみたい。」
「…は?」
姉が動揺するのもわかる。急にそんな事を言われても信じられるはずがないだろう。
「異世界転移か。という事は目の前の方々が天使、とかそういう話?」
「そう…みたい。」
私が思うよりも姉は落ち着いていて、状況を理解するのも早かった。
「おっけー。じゃあ天使君。君が、君達が私と妹に力を授ける的な話ってわけね。」
「理解が早くて助かるよ。授けられる力は三つ。何でもいいよ。ただし、他の力はランダムだから僕達にもわからないんだ。」
「三つか…。よし、じゃあ早速考えるか妹よ!」
姉が起きたことにより安心したのか、私にも落ち着きが戻り、少し前向きに考えられるようになってきた気がする。
やっぱり姉は偉大だ。
「ちょ、ちょっと待ってお姉ちゃん。急に転移って…不安じゃないの?」
「え?うーん…夢なら覚めるだろうし、せっかく転移できるなら楽しめば良くない?」
「なんというメンタルの強さ…。」
姉の言葉に不安を感じたが、同時に安心したのも確かだった。
「それで…力かぁ。例えばどんなのがあるのかな?」
「確かに…魔法とか使えたりするのかな?」
異世界といっても様々あるだろう。
獣人、魔法使い、精霊など力を持つ者を挙げたらきりがない。
「天使君にちょっと聞きたいんだけど、例えばどんな力が手に入るの?」
「例えば魔法系とか治癒能力、あとは空を飛べるとか色々あるよ。ただ、僕達のいる世界は君達に適しているみたいで身体能力は格段に上がる。だから、それ以外の方が便利になると思うよ。」
「なるほど。」
とても丁寧に教えてくれたため、すぐに理解できた。
そして姉と話し合って数分、割と早くその3つは決まった。
「お、決まったみたいだね。すぐに聞きたいところだけどその前にいいかな?」
そう言うと少年が姉と私に一枚ずつ紙を渡してきた。
「人材登録申請書…?」
「そう。あくまでも人間界からお借りする人材ってことだからね。色々登録が必要なんだ。」
「にしても紙…。」
とてもじゃないけど、この空間に紙は似合うとは言えない。
天使なら力で何とでもできそうなのに何故紙なのか。
「不思議そうな顔してるね。この世界にも色々あってね…。でも大丈夫。この紙は君達の言葉で勝手に記録してくれるんだ。僕が質問するから答えてくれるかな。」
そう言って天使は私達の前に紙を浮かせた。
「じゃあ最初に名前を聞こうかな。ちなみに、僕達の世界には苗字という概念はないんだ。だから名前だけで大丈夫だよ。」
天使はそう言って微笑むと紙に何らかの魔法をかけた。
「これで良し。さて、名前を教えてくれるかな。」
「ゆき。」
姉が名前を言った途端、紙が黒く光り文字が刻まれていく。
それを見た私も同じように名前を言った。
「るい。」
「よし、大丈夫そうだね。じゃあ次だよ。君達が僕達の世界で望む性別は?」
「男。」
性別を変えられるのかと驚いたが、その後に男と即答する姉にもっと驚いた。
「え、男?」
「そりゃ男でしょう。今が女だからね、違うのも楽しんでみたい。るいは?」
「な、なるほど。私は女かな。」
姉の男前ともいえる潔さに驚きつつも私も答えていく。
一通り答え終わった時、少年の表情が変わった。
「それじゃあ、最後の質問だよ。」
「君達が望む三つの力は何かな。」
天使が言葉を口にした瞬間、私達の足元が黒く光り始めた。
「基礎魔法、長身、探知能力。」
急な出来事にも動じずに姉が答えていく。
少し怖さを感じながら、私も答えた。
「治癒能力、伝達能力、記憶特化。」
「よし、これで完了だ。それじゃあ、また。いってらっしゃい。」
天使達が微笑んだのを見た後、あたり一帯が黒く染まり意識が淀むのを感じた。
「ごめんね…。」
天使が何かを言った気がしたが淀んだ意識の中で聞き取れるはずもなく、私は目を閉じた。
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読んでくださりありがとうございます。趣味で始めた初心者で豆腐メンタルなので、暖かい目で見てくださると嬉しいです。




