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永住の地探し

最終話です。

 ルーとの小旅行を楽しんでから四ヶ月。

 ポラリスの森の中の家に戻ってから、皆を集めて今後をどうするかを決めることにしたんだけど。

 その前に、缶詰を出きる限り作りまくって、定期的のを止めてもらったり、コレット嬢にも香水や缶詰をたくさん送って、別の大陸へと引っ越すことを伝えた。残念がられたけど、仕方ないわねって、言ってくれたからよかった。

 そんなこんなで、いろいろとやることを終えたら四ヶ月経っていたという。

 で、ようやく一段落したから、どこに住むかを話し合うことに。


「で、アンセナ大陸に五人で新天地を求めて旅するんだよね」

「そう。私の要望としては、この家の結界範囲丸ごと転移させてしまいたいのよね。だから、移動させても大丈夫な場所があればなあと考えてるの」

「いきなり平地にできたら問題だろうし、また森の中にしておくんでしょ」

「うん。それか、無人島丸ごと使っちゃうとかね」

「へえ。無人島いいね。僕はそれがいいなあ」

「我はリウが良いところならばどこでもいいが、無人島ならば竜化しても大丈夫そうだな」

「ボク無人島がいい。あまり人が多くないところ希望」

「俺はリウさえいればどこでも変わらない」


 なら無人島がよさそうね。


「じゃあ、無人島を探そうか。そこでのんびりまったり過ごせたらいいよね」

「なら手分けして探そうよ。で、見つかってから移住した後に、五人で旅行しよう」

「そうね。そのほうが早く見つかるでしょうし。条件としては、各大陸に近すぎず、温暖で海の幸、山の幸に期待できる所。滝なんかがあればもっといいわよね」

「ボクは月見草が自生しているところがあれば尚いいな。おやつ代わりに食べたい」

「野原があるといいな。竜化してものびのびできる広さのな」

「僕は皆の要望のがあればそれだけでいいや。どれも僕にとっても嬉しいものばかりだからね」

「俺もだな」

「じゃあ、各大陸に近すぎず、温暖で海の幸、山の幸に期待できる所。滝があって、月見草もあり、野原もあるところ、かな。けっこう条件あるけど、無人島ってだけで最初の三つくらいは満たしてるから、たぶん見つかるわよね」


 けっこうな要望があったわね。

 全部で六つか。でもそこまで無理なものでもないから、探せば見つかるんじゃないかしらね。月見草はなければ種から撒けばいいし。

 ということで、私たちはそれぞれ無人島を探しに行くことになった。

 で。

 私が向かったのは、ダーランドとカルバニアの国境近くにあるいくつかる無人島。

 ダーランドは春のような陽気だし、カルバニアは初夏のような陽気だしで、その辺りにある無人島ならばちょうどいいと思ったのよね。

 けど、そういうように思う人たちは当然私の他にもいたようで、けっこう島が点在しているのに無人島は一つもなかった。残念。

 次に私が向かったのは、ダーランドと帝国領の間の島々。

 ただ、帝国領は他の大陸にも領土を広げようとしてるみたいで、そんなきな臭い噂があるところの無人島はちょっと気が進まない。だけど、手頃な大きさの島は一つ見つかった。滝はなかったけど。

 とりあえず、このくらいかしらね。

 あとの地域は他の皆が探しているだろうし。とりあえず私は家に戻りましょうか。

 それから。 

 私たちが見つけた無人島はそれぞれの意見を出し合って、一つに決定した。


「ここならなんの心配もないわね」


 ルーが探してきた、西大陸のレフとライの国境近く、大陸の南に位置するその無人島には、私たちの希望が揃ったところが一つだけあったのよ。

 ただ、月見草たけがなかったから、種を撒いて成長促進させたけどね。

 大規模結界術で島一つ丸々隠蔽して、私たち以外には見えず触れず聞こえずで、知られることのないようにした。

 これで盛大なひきこもりの準備は整ったね! いや、違うって。

 とにかく。


「これで私たちの新しい生活の基盤は無事にできたわね」

「そうだね。森の中の家も転移させてあるし、これでもう権力とはかかわらずに生活できるんじゃないかな」


 そう。どうしてここまでしたかというと、権力のある人間が、私たちを利用しようとすることをさせないためだったのよね。

 ロランさんだって、騎士に所属してるわけだから、王命に背くことはできないはず。だから、いつか王が私たちを捕らえて連れて来いって言っても、嫌でもしなくちゃならない。

 そんなことしてほしくなかったし、されたくもないし。

 だから、これは私たち神側と人間たちの線引きでもあるのよね。その上で、私たちは今までよりは目立たないようにやりたいことをやりつつ、楽しんでいこうと思うの。

 とても寂しいことだけど、信じてないわけでもないのだけど、線引きはしておかないと、お互いに嫌な思いをすることはいつか必ずあると思う。

 何事にも絶対はないのだから。

 そんな感じで、私たちは、新しく生活することになったこの島を、神の島と呼ぶことにした。まんまね。ネーミングセンスのかけらもないけれど、わかりやすいからいっか。

 たまに滝に打たれたり、川で魚を釣ったり、泳いだり。海では舟で流されてみたり。漕いでみたり。

 月見草を見に行ったり、アルビーが食べるのを見ていたり。試に食べてうえってなったり。

 けっこういろいろなことをして、数ヶ月、数年、数十年、数百年って経った。

 それでもここに済む私たちはなんの変わりもなくて。だけど、周りの国々では政変があったり、国の名前が変わったり、国が減ったり増えたりしながら、人々も生きている。

 私たちにはない寿命という限られた枠のなかで、一生懸命に生きている彼らは、とても眩しく映った。

 それはこれからも変わらなくて。


「リウ、今日もここにいたのか」

「ルー。うん、ここ、すごく綺麗だからね。今日は満月だし特に」

「ボクはさっそく食べようかな」

「我も以前食したことがあるが、味覚が違うのか、よくわからなかったな」

「僕も食べたことあるよー。うん。よくわかんなかったね」

「私もある」

「……俺もだ」

「あはは、皆あるんじゃない。誰かが珍しいの食べてると、気になっちゃうのよね」


 そんな私たち四人を見ながらも、アルビーは月見草を食べてた。

 その花は、満月に照らされて、その光がドレッシングのようにきらきらしていて、とても美味しそうに見えた。

 見えただけだけどね。


ここまで読んでくださり、有難う御座いました。感謝です。

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