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~武士にも切れぬものはある~
~武士にも切れぬものはある~
某が異世界冒険者となることを決めたのは、「武者修行の続きをしたい」と思ったからである。
冒険者となってしばらくした頃、「葛飾北斎」なる人物を紹介された。
ここアトランティスは異世界への玄関口。
その扉は「冒険者ギルド」にのみ存在すると聞く。
【冒険者ギルド初心者応援プログラム】
初心者……
初心者、とな……
あのような化け物じみた力を振るう者が……初心者……
某も初めて「スラッシュなんとか」という技を使ったものだ。
魔物の群れへ飛び込み、
幾年も鍛錬を重ね、ようやくAランクへ辿り着いた。
それが、一日にしてSランクへ昇格しておった。
……それは、まだよい。
よしと致そう。
されど、レイスとの戦いだけは違った。
刀では霊は切れぬ。
切れぬのだ。
だが、不思議と胸は躍っておった。
武士の本分とは「守ること」。
その務めに生きるあまり、いつしか忘れていたのであろう。
己が心躍るものを。
もうしばらく、「北斎」という男に付き合ってみるとしよう。
そう決めたのである。




