ラーミァの魔法修行
私はラーミァ・ガーランド・ナジェス。
王国最高と言われた、大魔導師ラーファ・ガーランド・ナジェスの養子であり、弟子であり、後継者。
家族的な扱いは、孫だ。
既にガーランド(公認魔導師)の名も受けた。
豊穣魔法は、師匠の折り紙付。それなりに、自信もある。
しかし、襲撃されてから、攻撃魔法の必要性も考えた。
防御魔法は、展開速度を早める練習を繰り返えせば、何とかなる。
攻撃魔法は、一応は学んだが、使いなれていない。
攻撃魔法。
第一に、自分の身に付けている精の影響範囲に、どれだけの『力』を持つ精が有るかを確認する。
範囲認識すると、他の魔導師の所在も、だいたい判る。
感知出来ない範囲は、精が無いか、誰かが使っている。
ただ、自分の衣服に精を溜め込んで蓄えている『懐中保有魔導師』も居るから、過信は禁物。
第二に、力の質を決める。
雷、炎、圧力、音、光など。難しいけど複合も出来る。
第三に、範囲を決める。目視でも音による気配でも大丈夫。ただ、範囲が曖昧になる。
第四に、出力。これは感覚的。
第五に、力を伝えるルート。
地表か?空中か?水中か?物の表面を通すか?
基本的には、豊穣魔法と大差ないし、行程は少ない。
問題は、如何に短時間で行うか。
多少の設定の粗さがあっても問題ないから、速度を重視しろと言われた。
どんなに強力な、優れた魔法でも、相手より早く当てないと、負けてしまう。
効果と蓄積時間のさじ加減。
命中精度と簡略化のさじ加減。
魔力の懐中保有と機動力のさじ加減。
これらは、ひたすら練習するしかない。
王国では、機会が無かったとも言える。
でも、ここは魔導帝国。剣と魔法で戦う国。
平民でも魔力を持つ者が居る。
つまり、練習場や教育施設が、此処彼処にある。
どこまで伸びるかは判らないが、やらないよりはマシだろう。
イフィルに話して、通う事にした。
交渉団の到着までには、日にちがある。いろいろな香辛料料理を堪能しながら、頑張る事にした。
行商人見習いの格好だと目立つかと思ったら、子供も居た。
威力は兎も角、展開速度は、私より速い。
今、戦えば負けるだろう。
少し、落ち込んだ。
精の保有する魔力は、無尽蔵な物ではない。
個人差は有るが、収集範囲が限られるし、『場』の保有量もまちまちだ。
使えば減るし、回復には早くても数日かかる。
だから、戦闘には大気の精を使う事が多い。
範囲内の魔力量は、大地の精より段違いに落ちるが、大気は流れて、短時間に新しい大気の精が、風により流れて来る。
単発なら規模の大きな大地の精。
威嚇や多数の手札を使うなら手数の無制限な大地の精が有利だ。
戦術としては、最初に敵を倒すだけの魔力を大地の精で確保する。
次に大気の精の魔力で威嚇と攻撃を行う。
最後に、確保しておいた大地の精の魔力で止めを刺す。
つまり、大気の精での迅速な攻撃が、勝敗を決めると言うのが、標準的な魔力戦闘だ。
だから、子供に笑われても、繰り返し練習する。
子供と違って、私には目の前の現実てして、死活問題なのだ。
調子にのって、出力の大きな魔法を使ったら、施設責任者から、兵隊にならないかと薦められたので、翌日は別の施設に移った。
私は、先天的に魔導師としての高い能力を持っているらしい。
扱える魔力量も広くて膨大だと祖母に言われた。
だが、能力があるのと、使いこなせるのと、強い事は、全く関係がない。
ひたすら練習しなければ、何物も使いこなせない。




