表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第1編 Justice of Bullet  作者: SEED
第4章 I'm Here
24/28

隠されしネットワーク 前編

ヘリのうるさいプロペラの稼働音を聞きながら天翔は遥か向こうまで続く夜空を見上げていた。さっきまで起きていた事がすべて夢のように感じる。しかし、腕に抱くへカートと横に置いている沙紀のノートパソコンを見ると、それが真実だと本能が叫ぶ。窓から目を離し、機内に目を向けると結衣がこちらを心配そうにちらちらと見ていた。安心させるために笑顔を作る。悠真は前の運転席の横に座って運転の補助をしているようだ。運転してくれているのは久山家に使えてる人らしい。














しばらくして、着陸した場所は久山家の屋上にあるヘリポートだ。ヘリから降りると屋上の入り口にP.J.F.Aの隊員らしき者がいた。


「・・・ずいぶん手際がいいことで。」


ぼそっとつぶやいて結衣の肩をトントントンと何回かリズムを整えて叩く。いわゆるモールス信号だ。そして結衣はヘリから降りる前に銃弾をすべて電撃弾に装填し直していた。


おとなしく降りると悠真はすでに隊員の一人が話を聞いていた。こっちにむかってくるのは3人。俺はまっすぐ歩いて行く。


「碓氷 天翔と上谷 結衣だな。上層部の命で拘束させてもらう。」


そういって横にいた二人が横に回り込んでくる。そして結衣と天翔の手を掴む瞬間に天翔の手から一つの筒が落ちた。その筒はコーンと音を立てた瞬間。爆発した。


(ドバァーーーーーン!!!)


強い光と音を出し視界と聴覚を奪う。閃光弾だ。当然前にいたヤツも倒れる。その瞬間に横の二人に電撃弾を撃ち込む。3人を行動不能にした後悠真の方をみるとそこにいた隊員が一人走ってくる。そこに煙幕を投げ視界を奪う。そして後ろから近づきスタンロッドを叩きつけ終了だ。その後屋上の横から縄をたらしそこから降下して久山邸を後にした。











そのまま銃を持ったまま街中に出て行くわけにもいかず、とりあえずリキの場所に向かった。


リキの隠れ家に着くとリキはこれからのことについて聞いてきた。


「天翔さんたちはこれからどうするんですかい?」


「とりえあず、今まで通り潰していくさ。」


「そうですか。ところで、裏ネットニュースで話題に上がってるみたいっすけど知ってますか?」


「?・・・・・なんだ。」


「FBIが本格的に日本のこの天翔さん達が追ってるヤツを追い始めたらしいっすよ。」


「それは本当か?どこからのソースだ。」


「ソースはβ NETっす。」


「!?まさかFLEETから発信されたのか?。」


「その通りっす。」


『β NET』とは表のDNSサーバを介さずに存在するネットワークだ。エクストラネットを複数繋いだ独立回線で決まった者達しかアクセスできない。他にアクセスする方法としては1時間ごとに変わる適当なパソコンに『ゲート』が設置されるそこからアクセスするしかない。そのパソコンを特定するだけでも至難の技だがそれは1時間しか使えないという物だ。そしてその中にはあるチャットルームが存在する。そしてその中には『世界の敵』のサイバー犯罪者『ナンバーズ』がいる。俺は以前に『ある犯罪』を行ってからそこにいる犯罪者共から日本にあるエクストラネットのアクセス管理を任された、いや、アクセス権限を持たされた。

その中にいる一人がFBIを含めた警察機構のすべての最新情報、機密情報、犯罪者の収容情報などのすべてにアクセスできる世界で7番目に世界全体に影響をもたらした犯罪者『No.7の番号を持つ FLEET』だ。


「天翔?FLEETって?」


「FLEETはβ NETにいるハッカーだ。しかもそいつは世界のすべての警察機構の情報を握っている。」


「聞いた事はあるけど、まさか本当に存在していたなんて・・・・・。それにそんなことが。」


「できるんだ。あいつなら。」


結衣は俺の手を握りながら俯いている。


「なら、天翔・・・・・Trikeもそこにいるの?」


結衣の手を俺の強く握る。そして結衣も知らない事を今、語ろう。


「β NETとはエクストラネットの塊だ。エクストラネットが複数繋がられる事でさらに独立したネットワークを構築している。そしてその中には希代のサイバー犯罪者『ナンバーズ』がいる。そしてFLEETはNo.7だ。俺もこの東京のエクストラネットの管理を任されている。ナンバーズのNo.3だ。」


「そ、そうだったんだ。」


力弥と結衣は黙って俺の言葉を聞いていた。そしてここからの方針を考えるべく結衣と俺はリキから部屋を一つ借り、銃の整備を任せた。

そして様々なケースを考えているうちに沙紀が自分のPCを破壊した後に俺のパソコンにメモを送信すると言っていた事を思い出した。急いでそれを検索し探し出す。そしてそれを表示する。内容は至ってシンプルだった。


『天翔へ

 私は本当に、本当に天翔の事が好きでした。あなたがTrikeというのを知っていました。そしてアルバイトと言って無理をしているのも知っていました。だけど私も嘘をついていました。天翔がいない時にある人物から『俺たちに従え』と連絡があったんです。さもなくばお前の大事な人とは永久に会えなくなるだろうと言われました。なので、ここに最後の言葉を残します。

JoBの目的は『ディスティニー・プラン(以降DP)』の発動。DPとは日本の中心部を破壊し、JoBが創造すること。そして日本を復活させる。これをなし得るためにJoBには幹部が5人いる。私、佐上、桐生、残りの二人は私も分からない。しかし、この中の一人は私を超えるハッカーである事が予想される。なぜならメッセージもこの人物から送られてきたからだ。コードネームはAssaultアサルト。こいつがこのテロの中核。そしてその奥に、テロを企て、命令しているヤツがいる。そいつさえ、押さえ核を取り返せばこのテロは終わる。

そして最後に、結衣さんへ。私は一度あっただけですけど、天翔の事よろしくお願いします。そして天翔、今までありがとう。

沙紀より』


俺は、泣いた。


「...............ッ、沙紀。」


結衣は俺のPCの画面を見つめていた。そして俺は沙紀との日々を心の中で、再生し続けた。


「天翔、これからどうする?」


結衣は俺のパソコンを抱え、ディスプレイを見て疑問を投げかけてくる。


「残りの幹部は3人か。おそらくこのAssaultは桐生と組んでこちらを攻撃してくるだろう。だが、もう一人は.....くそっ、 先が読めない。」


俺はイラつきながらもPCのキーをタップする。しかし、最後の人物についての情報は手に入らない。政府のAAAランクのサーバにも警視庁のサーバにも情報は残っていない。仕方がないのであちらからのアプローチを待つしか無い。


「結衣、今日は無理かもしれない。あっちからの接触をまとう。」


結衣はハッとこちらを向いて俯きながらも頷いた。


「うん、そうだね。なら天翔の家に戻る?」


「そうだな。戻るか。リキ!」


名前を呼ばれたリキは整備途中のハンドガンをもったまま部屋に入ってきた。


「呼びましたかぁ?」


「ああ、俺たちは一度家に戻るわ。」


「了解っす。銃はこちらで預かって整備しておきますね。」


「頼む。だけど、ハンドガンだけは戻してくれるか?何かあった時不安なんでね。」


「了解っす。」


「よろしくお願いします。」


隣にいた結衣もリキに頭を下げる。





地下駐車場から出ると外はすでに朝日が出ていた。眩しい朝日を右手で遮りながら結衣の方を見る。そうすると眠いのか欠伸をかみ殺しながら涙を拭いている。


「結衣、眠いか?」


「うん。さすがにあのままここに逃げてきたからね。」


「そうだな。とりあえず家だとP.J.F.Aに踏み込まれると面倒だから適当なホテルに入るか。」


「そうだね。」


そう言って俺と結衣は最低限の荷物を持って地下駐車場を後にした。


// P.J.F.A side START //


「まったくTrikeが現れ、こちらの軍を無力化し逃亡したとはどういう事だ。」


特殊部隊隊長の吉野守は混乱しながらもミーティングルームに向かっていた。


「それは私も気になる所です。なぜ今になって裏切ったのでしょう。そしてテロリスト側につくまでもなくどちらも攻撃するなんて。」


副隊長へと昇格した伊藤鳴も吉野と一緒に会議に出席するために廊下を歩いていた。そして会議室前につくと中からは静寂と緊張が伝わってきた。ノックをして中に入るとそこには大臣一人がいた。


「大臣。」


「来たか。」


「はい、これからどうするんですか?Trikeも現れた今、俺たちはどうすれば?ターゲットも消され、情報もなく。」


「ふむ。Trikeに抜けられたのは痛手だな。」


「はい。Trikeのハッキング能力とP.J.F.Aの情報回線を知っていればこちらの情報はだだ漏れだ。」


「はい。それにもう一人の『ナンバーズ』の登場。」


吉野と鳴は黙り込んだ。


「FLEETですね。」


「ああ。『No.3』と『No.7』世界最強の天才ハッカーと警察機構ハックのプロ。これらを敵にするには無理がありすぎる。しかし、なぜに今になってこいつらがまた世界に敵対しはじめたか。これが問題だ。」


「はい。今世界ではナンバーズが水面下で未だに活動していますが表立った活動はしていません。しかし、TrikeとFLEETは表舞台に戻ってきた。・・・」


「なにか裏があるな。β NETの中で『何か』が起きたのか。それとも戻ってくる必要があったのか?」


「はい、いずれにせよ。これからの対策はどうしましょう?」


「そうだな。とりあえずTrikeは私たちの敵と認識しよう。FLEETも同じだがこっちは今はノータッチでいい。」


「了解しました。失礼します。」


そして吉野と鳴が部屋を出ようとしたとき、突然部屋の電気が消えた。そして吉野の携帯電話が鳴る。


「もしもし、吉野だ。」


「霧島です。今この建物が停電しています!」


「なに?!」


「いえ、わかりません。しかし突然すべての電源が落ちました。」


そして次の瞬間会議室にあった大臣のパソコンが強制起動した。そしてそこに映し出されたのはTrikeの顔だった。


「お、お前。碓氷か?!」


「お久しぶりです。吉野さん、鳴さん。そして大臣。」


「・・・・・なんのようだね?」


「いえ、悩んでるのではないかなと思いまして。情報提供に参りました。」


「ふざけるな!」


そう叫んだのは吉野だ。


「今、その建物は私の手の中にあります。セキュリティシステムをハックさせていただきました。長居すると面倒なので情報だけ。今私はテロを阻止するために動いています。そして敵のハッカーは殺しました。しかし、あちらにはもう一人本当のハッカーがいるようです。」


「なぜそんな事を私たちに?」


「ゲームですよ。簡単にRPGゲームをクリアしてはつまらないでしょう。そしてもう一つだけ。これはFLEETからの情報ですが、FBIもこのテロリストを追い始めたようです。スパイを使ってこちらにも干渉してくるでしょう。気をつけてください。それでは失礼します。」


それを最後に建物の電源も復活したようだった。


「情報提供だけにセキュリティシステムのハックなんて。」


鳴は歯を噛み締めながら俯いた。


「それだけ、あいつは強い。」


「そうだ。全員がSSSからSクラスの『ナンバーズ』に取って世界戦争もゲームでしかない。それはTrikeも同じだろう。今までに世界全体に影響を与えた影響があるのはTrikeぐらいだ。だから国際連合もウィザードハッカーなどと言った二つ名を与えているのだろう。」


// P.J.F.A side END //



俺はホテルに戻ってからP.J.F.Aの本部に侵入し、セキュリティシステムを掌握し大臣のPCに直接アクセスし”情報提供”をした。これで『ナンバーズ』の件もP.J.F.Aに浸透するだろう。俺の事も。PCの電源を切る。


日はすでに上に上り時刻は7時だ。


「もう朝か。」


結衣はすでにベッドの上で眠っている。俺も眠る事にしよう。

そしてベッドに入ると眠気はすぐに訪れ、俺は夢の世界へ旅立った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ