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第1編 Justice of Bullet  作者: SEED
第4章 I'm Here
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遥か彼方へ


昨日はあのまま荷物を持って足がつかないように別なホテルにとまった。

しかし、今結衣は銃撃戦の真っ最中だった。場所はすでに廃墟になった総合病院だ


「カケルっ、目標ポイントまでは?」


結衣がアサルトライフルM16A1だ。それを天翔は監視カメラを通して結衣を見ていた。電源はテロリストが最初に入れていたようで監視カメラ、セキュリティ系統は生きていた。天翔は病院の屋上でへカートIIで援護をしながらハッキング中だ。しかし、外からの敵はへカートである程度潰せてもすでに中に侵入している敵にはどうしようもない。内部のセエキュリティで潰せることはできるがそれは切り札だ。


「目標まで。。。後50メートル!」


「了解。」


「ナビゲートする。そこの横に見える部屋に入れ!」


「分かった。」




そもそもなぜ俺たちはこんなことをしているのかというと、その理由を知るためには3時間ほど時間を戻る必要がある。


そう、あれは3時間前にさかのぼる。




















いつものようにJ.o.Bへ物資を渡してる輸入者を殺害するミッションのはずだった。今回は廃病院で俺はその屋上のサーバ管理室にへカートII。Ak-47。デザートイーグル。などの武装で潜入した。そして今は結衣をナビゲートしてENDの・・・はずだった。


俺がハッキングした廃病院内のセキュリティサーバ内で攻撃を受けたのだ。そしてスキャンの結果相手は沙紀、GHOSTだ。そして結衣の方でも佐上とその部隊との接触があったようだ。GHOSTとの攻防をしつつ結衣へのナビゲートは骨が折れる作業だった。なので絶賛GHOSTから攻撃を防御しつつナビゲート中だ。相手の目的は不明。おそらくターゲットはすでに逃げただろう。ここからのミッションは天翔と結衣の脱出ミッションだ。


そして回想から天翔を現実に引き戻すようにアラートがなった。


「しかし、これはなかなか厳しいぞ。」


天翔はPCのディスプレイを覗き込んだ。アラートの原因はGHOSTだ。セキュリティサーバを介して異常な数のパケットが送信されてきている。おそらく病院のサーバを落とす作戦に切り替えたのだろう。しかしこちらも黙ってはいない。パケットから相手の種類を判別。逆にこちらからもパケットをおくる。


「よし、これで数時間は抑えられるだろ。今のうちにGHOSTをトレースする。」



監視カメラの状況を確認すると結衣が天翔との合流ポイントに近づいていた。


「結衣からTrikeへ。合流ポイントまで残りわずか。そちらの状況は?」


「こちらTrike。まだ同一ポイントに駐在中だ。現在GHOSTの居場所をトレース中。終了しだい合流ポイントへ向かう。」


「了解。・・・よしっ、トレース完了。GHOSTの居場所は...........なっ!?ここだと!?GHOSTの使用IPとこの病院の設計図を照らし合わせ特定.........第一診察室か!」


「Trikeより結衣へ。移動を開始する。」


「了解。GHOSTの居場所は?」


「特定している。今から向かう。」


「え!?な、なら私も!」


「結衣は脱出場所の確保を頼む。何かあったらすぐに連絡するんだ。いいな?」


「・・・了解。」



そして天翔はそのまま第一診察室に向かった。









1階の受付の横の通路を抜け、ドアを開けるとそこは診察室があるエリアだ。そして一番手前のドアの横に立ち、アサルトライフルを構える。


そしておもいっきりドアを蹴破った。


「動くな!」


中には一人の少女と銃をもっている男がいた。男はすぐに銃をこちらへ向けてくるが相手の頭へ弾丸を一発ぶち込む。


「GHOST。・・・・・沙紀だな?」


「よくここが分かったね。」


イスに座っていた少女は沙紀だった。沙紀はこちらへ体を向け、まっすぐに天翔を見つめている。



「俺を誰だと思ってる。」


「そうだね、最強のハッカーさんだもんね。」


「違うな。お前の元カレだからだ。」


その台詞を聞くと沙紀は目を見開いた。さすがにその言葉はでないと思ったのだろう。そして天翔の携帯が振動した。携帯を取り出し、ディスプレイに表示された名前を見る。相手は結衣だ。


「結衣か?どうした。」


電話の向こうから聞こえてきた声は慌てているようだった。


「たぶんP.J.F.Aが来てる。そろそろ脱出しないとまずいよ!」


「了解した。もう少しまってくれ。」


電話を切り、沙紀に向き直る。


「行かなくていいの?彼女待ってるんじゃない?」


「ああ。そうだな。だけどその前に俺はお前に聞かなきゃいけないことがあるんだよ。」


「なんで、なんでお前は『そっち側』に行ったんだ?」


沙紀は一度目を伏せ、ゆっくりと目を開いた。


「その理由は電話でも言ったでしょ?」


「それはもう聞いた。俺はもっと本質を聞いている!」


「分からない?」


「希望、いや。俺の願望はある。」


「そっか。・・・・・ならそれであってるよ。」


そして沙紀はイスから立ち上がり窓の方に歩いていく。


「沙紀!」


「私は、天翔の幼馴染み。彼女だったんだよ?」


「ああ。そうだな。」


「それなら天翔は私の彼氏。なら分かってるよ。」


「私は、『Trike』が存在しなくてもいい世界を作りたかった。」


「ど、どういう事だ?」


天翔は驚き、声が震えながらも聞き返した。


「天翔は私のためにその力を使ってくれていた。なら私も天翔を守るために力を使いたかった。そうすればずっと二人で平和にいられると思っていたから。だけどそれは結果的に天翔を苦しめるだけだった。そんなことも分からずに、私は・・・・ッ!」


沙紀は最後の言葉を口にしようとした瞬間胸から血をだしながら倒れた。


「沙紀!?」


天翔はすぐに沙紀の元へいき抱きかかえた。・・・・・血がとまらない!?


「沙紀!沙紀!」


窓の方を見ると窓が割れていてその斜め上の反対側の病棟の屋上にライフルを持った佐上がいた。そして佐上が立ち上がると、沙紀のパソコンから声が流れ始めた。


「あぶないあぶない。計画の事喋っちゃいそうになってさぁ。自分から仲間になったのに結局は思い人の所に行っちゃうんだよねぇ。」


「佐上!!!!」


「まぁ、僕はどうでもいいんだけど沙紀ちゃんは幹部の一人であり貴重な2番目の情報担当さんだからイロイロと知っちゃってるんだよね。そうなったら始末しかないでしょ?」


「てめぇ!!・・・殺す!!!!!」


「そんなに怒んないでよ。しかしいくら君でもそこからここにいる僕は撃てないよ。AKじゃ明らかに距離がありすぎる。またの再戦を楽しみにしてるよ!」


そう言って佐上は屋上から消えた。


「くそ。くそ。くそぉ!」


「天翔。」


「沙紀!?」


「私ね。天翔と一緒にいて楽しかった。だまってこんなことしててごめんね。・・・・・あいつらの計画コードネームは『デスティニー・プラン』核を使って日本をリセットするつもりだよ。そして残りの幹部は佐上、桐生。この他にもあと二人いるはずだよ。っゴホゴホッ!」


「喋るな。」


沙紀は自分のパソコンを操作して自壊プログラムを作動させた。


「詳しい計画はこのカウントが0になって私のパソコンが壊れたら、天翔のパソコンに私のメモが転送、されるから。」


「ああ、分かった。早く病院に!」


「私はもう無理だよ。・・・・天翔、今まで・・・ありがとっ・・・」


そして沙紀は笑いながら息を引き取った。


「くっっっっそぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」







沙紀をそのままベッドに置き。


携帯をとりだし結衣に連絡する。


「結衣。俺だ。これから脱出する。」


「カケル?何かあったの?」


「なんでもない。合流ポイントを変更。E-1ブロックに集合。」


「E-1?屋上に?」


「集合時間は今から15分後だ。」


「カケ・・・」


途中で通話を切断する。


屋上に向かって歩き始める。


佐上だけは・・・殺すと思念を燃やしながら。














屋上につくとそこには結衣がすでにいた。


「カケル。ここからどうやって脱出するの?」


「脱出もだが俺の最優先事項は変わった。」


「え?」


そして頭上からヘリの着陸音が聞こえてきた。着陸する。結衣は念のため警戒しているようだ。しかし天翔には乗っている人が分かっていたので目を向けるだけだ。


ヘリから降りてきたのは悠真だった。


「よぉ。」


「遅いぞ。」


「そんなこと言うなって。せっかく運んでやったのによ。」


そう言って悠真は自分が持っていたアタッシュケースを天翔へ投げた。

それを天翔は受けとって鍵を差し込み開ける。中にはへカートIIが入っていた。


「今どうしてこれを?」


結衣が当然の質問をしてくる。だが俺はそれを黙殺し黙々と組み立てを始める。組み立てを完成させ、スコープを調節し屋上の端へ歩いていく。後ろから二人がついてきた。だが天翔はそれに気づかなかった。いや、気づけなかった。普段の天翔なら何の気無しに簡単に把握できた。しかし、今の天翔の中には冷静さなぞなかった。あるのはただの『殺意』だ。


「殺す。お前だけは・・・・殺す!」


そしてスコープの中に佐上を納め、移動中の車の速度を計算、風、重力をインプット。最後にコリオリの力を計算し。SHOT!!


「死ね、佐上。」


マズルブレーキから放たれたTrikeの必殺の一撃はそのままの弾道で車の助手席に乗っている佐上の頭を撃抜いた。撃抜く瞬間に佐上はこちらを向いたように見えたが直撃は避けられなかった。


天翔はへカートを横に起き。横に倒れ込み星空を眺めながらつぶやいた。


「沙紀。・・・・・さよなら。っ..............今まで、ありがと。」


自然と。泪がこぼれてきた。止めようと思っても、それはとまらなかった。


それを悠真と結衣はまっすぐに見ていた。

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