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第1編 Justice of Bullet  作者: SEED
第3章 革命を行う者
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愚者一得

あれから俺たちは何事も無かったように立ち直り、本部へ戻ってきた。本部の中は慌ただしくなり、沙紀は仮眠室へ案内された。俺は作戦や装備の確認があるので吉野隊長の元へ行くように言われている。


 





地下2階でエレベーターから降りるとそこには広い空間が広がっていた。その真ん中には20人くらいの人が隊列をなしていた。そして全員の前で指示を飛ばしているのは隊長の吉野さんだ。


「吉野さん。」


「おぉ、碓氷か。」


「送れてすみません。」


「いや、大丈夫だ。時間まではまだ余裕があるしな、とりあえず隊のみんなに自己紹介してもらっていいか?」


「はい。」


吉野さんの隣に立ち、隊員の方へ向き直る。


「碓氷 天翔です。今回の作戦で参謀を任せられる事になりました。よろしくお願いします。」


「おう!よろしく!」「俺たちを殺すなよー、ハハハ」


隊員からは拒絶の意思より歓迎の意思が伝わってくる。これはこれで嬉しい物だ。


「よし、では各自武装の点検などに取りかかれ!」


「「「了解!!」」」


「碓氷くんはこっちだ。用意した武装を渡そう。」


「はい。」



吉野さんから手渡された武器はハンドガンのデザートイーグル、スナイパーライフルのスナイパーウェポンシステムと言うアメリカで使われていた銃だ。


「あれ?これよく見つかりましたね。」


「ああ、その銃かい?」


「ええ、もうないと思ってたんですけど。」


「大臣が持ってきたんだ。」


「そう..........ですか。」


「とりあえず試し撃ちしてみるかね?」


「ええ、お願いします。」




「よし、ここで好きなだけ試し撃ちするといい。......一応実弾も装備してもらうが、どうする?」


「もちろんです。撃たせてください。」


「わかった。」


まず模擬弾をライフルをセットする。


構える


照準を合わせ、引き金を引く。


(バァァン!)


弾は狙いの顔面を射抜いていた。


「お見事。」


「ありがとうございます。これなら大丈夫そうです。」


「そうか。なら弾と無線。後はスモークグレネードも持っておけ。」


「あ、はい。」


「よし、こんなもんだろ。弾は基本は模擬弾。場合によっては電撃弾。.................最悪実弾だ。」


「了解です。」



















午後8時30分。


「作戦参加メンバーは各自配置へつけ。」


「α1、OKです。」「α2、OK。」


「β1、OK。」「β2、OK。」


「よし、全部隊配置よし。碓氷、作戦指示は任せる。俺は部隊の進行を指示する。」


「了解です。最終目的はビル内にあると思われる核爆弾に関する情報です。Trikeから全部隊へ。ビル内のセキュリティシステムハッキング完了。これより敵拠点と思われる施設突入作戦を開始します。まずは、α1、裏口の包囲。次にα2、裏口窓から潜入。β1とβ2は待機。」


「「「「了解」」」」


「ふぅ。」


フェイズワン終了。PCから目を離し、窓の外を確認する。ここはビルの最上階のヘリポートだ。俺はそこにある特殊部隊ヘリの中でビルのシステムをハッキングし、監視カメラを通して部隊を指示する参謀役だ。


「お疲れさま。順調かい?」


話かけてきたのは俺の護衛をしてくれている錐江きりえ 頌詩しょうしさん。


「ええ、とりあえず順調ですね。フェイズワンは無事通過です。」


「次はどうするんだい?」


「次は監視カメラで確認されたところから少しづつ上の階へ追いつめて行きます。」


「なるほど。」


「フェイズツーを開始します。各自ミッションプランに沿って行動してください。」


「「「「了解。」」」」











「こちらα1、2。現在2階へ進行中。異常なし、3階の状況をお願いします。」


「了解。3階敵影なし。」


「了解。」


「β1、β2は正面玄関から侵入してください。」


「了解。」






そして5階まで踏み込み、そのドアを開けると突然銃撃音が無線から飛び込んできた。


「どうしたんですか?!」


「こちらα1、ドアを開けた途端銃声が奥から。どこから撃たれているのか分からない!」


「了解。別ルートであたってください。その道の隣に階段がありますね?」


「ああ、そこから上の階に上がってださい。5階はスキップでOKです。」


「了解!」




「監視カメラには見えてなかったのかい?」


「ええ、まったく。...........まさか!?」


そういって俺はPCで監視カメラのIPを確かめた。


「そういうことか!」


「どうしたんだい?」


「相手のハッカーです。相手のハッカーが監視カメラの映像を録画していた物とすり替えていたんです。」


「相手のハッカー?」


「ええ、報告にもあったやつです。クッソ。踏み込まれた!俺のブロックを抜けてきました。これから俺はハッキングに専念するので錐江さんは指示をお願いします。」


「了解した。」



コマンドを打つと頭の中に次のコマンドがツリー状に広がって行く。『馴れ』の賜物だな。




(カタカタカタカタッタンッ!)


「よし、ブロック完了。監視カメラを復活させます。」


「了解。」


「これは...............!?」



「どうした?」


「いえ、カメラを見たら。α1、2が交戦中!」


「なんだって?!」


「β1、β2!現在の行程をスキップして8階に進行してください。作戦の目標にα1とα2の撤退を組み込みます。」


「「了解!」」


「確か10階に反対側のビルへ移る渡り橋があったはずです。俺も反対側のビルに行ってスナイプで援護します。錐江さん、ついてきてください。」


「了解。」


そうして俺はスナイパーライフルとハンドガンを持ってヘリを出た。



反対側のビルに移ると丁度7階辺りでグレネードと思われる爆発が起きた。


「あそこか。錐江さん、俺はハッキングとスナイプに専念しますので周囲の警戒をお願いします。」


「了解。」


「こちらSage。これより反対ビルからスナイプで援護します。β1、2は7階でそのまま交戦。α1、2はそのまま上の階へ進行してください。カメラ上では敵は確認されていませんが、一応警戒を。」


「「「「了解!」」」」





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