エゴイスト
そしてβ1、2が交戦している階をスコープ内に収め、倍率を上げる。そうすると一人の人間が中央に表示された。ちょうどアサルトライフルを構えているところだ。その先にはβ1の兵士がいる。それを確認し、敵の胸の中央に照準を合わせる。
「ふぅ。」
心臓が警鐘を鳴らしている
あと、3秒で敵がライフルを発砲する。
根拠はないが、そう感じた。
スナイパーライフルの引き金を引く。
瞬時にライフルの先から火が出た。
そしてスコープ内の相手はライフルを落とし、体を弛緩させた。
「よしっ。」
「おみごと。」
隣で双眼鏡を持った錐江さんは言った。
そしてそれからも俺はライフルで敵を感電させ続け、合計16人を行動不能にした。
「こちらα1、2。Trike応答求む」
「こちらTrikeどうかしましたか?」
「こちら最上階へ到着。しかし、、、何もないぞ?」
「そんなはずは..............監視カメラでこちらからも確認します。」
そしてPCからカメラを確認するとそこには本当に何もなかった。ただ真ん中に机があるだけ。そしてその上にアタッシュケースがあるのみだ。
「こちらαチーム。アタッシュケースを確認。注意しつつあける。」
「待ってください!危険です!」
ガチャッと無機質な音が無線から聞こえた後
ドガーーーーーーん!!!!!!
目の前の爆発とあわせて大音響が響き渡った。
「αチーム応答願います!」
「。。。。。。。。」
「αチーム!」
「クソ!βチーム大至急最上階へ向かってください。」
「了解!!」
「こちらTrike。βチーム、最上階の様子はどうですか?」
「ああ、αチームは全員無事だ。ただフロアがすべて壊れてしまって形と残っているものはないな。」
「そうですか。わかりました。納得が行く結果ではありませんが、チーム全員が無事だったということで作戦を終了しましょう。」
「「了解」」
「一応最後までこちらがナビするのでβチームはαチームに手を貸して退却してください。」
「ふー。」
「災難だったね。」
隣の錐江さんが話しかけてきた。
「まったくですね。しかし無傷とはいえなくもないですが欠員がなくてよかったです。」
「ああ、そうだね。.........よし我々も退却しよう。」
「はい。」錐江さんは一度遠くを見るようなそぶりをしつつもやわらかい笑顔で話かけてきた。
本部に戻るとすぐに対策会議が行われた。そこには吉野隊長の姿もあった。
「では、これより対策会議をおこなう。まず、今回の作戦の成功率だが..........かなり低いな。」
大臣が手厳しく叱咤した。
「部隊の統制はTrikeを中心に完璧だった。しかし、アレは起こってしまった。理由はわかるかね、吉野隊長?」
「はい。.........私が率いていたαチームはTrikeの停止を耳にしつつも目の前にあるアタッシュケース.......敵の情報に目がくらみ、それを不用意に開けてしまいました。」
「そうだ。通信記録によると確かにTrikeは君たちを止めた。しかし、君たちはそれを無視し開けてしまった。」
「しかし大臣。俺が静止したときにはすでにαチームは動き出していました。俺にも不備はあると思います。」
「そうだな。今回の反省はここまでにしよう。次の案件だ。」
「これからは情報対策チームにネットの中から情報を探しつつもTrikeには別ルートで探してもらう。
「特殊部隊は別命あるまで待機。じっくりと今回の疲れを取ってくれ。では解散。」
「はい。ありがとうございます。」
そして他の幹部たちもそれぞれ退出していく。
「あっ、すまない。碓氷くんは残ってもらえるかな?」
「わかりました。」
そして周りの幹部たちも全員が退室すると大臣は話始めた。
「前回、君に解読してもらった暗号文があっただろう?」
「はい。少し違和感のある文でしたが。」
「ああ。しかし、今回のミッションであの分の通りに敵ハッカーは現れた。」
「つまり?」
「あれに記されてあった場所へ行ってほしい。」
「・・・・・」
「不安もわかるが・・・・・」
「いえ、行きます。」
「・・・・・・・・」
「あの文には・・・俺が知っている・・・相手のような気がするんです。」
「・・・・」
大臣は少し驚いた顔をしたあと、顔をうつむけ、納得したような顔でこちらを向いた。
「よし、わかった。君の感はあてになるからな。」
「ありがとうございます。」
「ミッションは明日の午後6時にこの場所へ行ってくれ。」
そういいながら大臣はメモを渡してくる。それを受け取り、内容を見ると少なからず俺は驚愕した。
「ここは・・・・・俺が・・・・・」
「そう、君が生まれ育った場所だ。」
「性格な場所はわかるんですか?」
「ああ、特定した。」
「わかりました。」
「明日の早朝に地図と詳細なデータを送る。」
「了解しました。・・・失礼します。」
「懐かしいな。・・・・・・6年か。」
見えない。
不安が広がる。
俺たちハッカーはエゴの塊。
敵のハッカーも俺と同じ、エゴイスト・・・『同族』なのかも知れない。
「おまえは......いったい誰なんだ。」
見えない、数時間前に電子画面、コマンドを通して戦った相手を考えていた。
そして、あの暗号文。
「疑問尽きないな。だけど.......あの場所は、俺が昔『あいつ』とあった場所。。。」




