友に歩む者 中編
校門につくとそこには一台のリムジンが止まっていた。
「おかえりなさいませ。おぼっちゃま。」
「「.............」」
「さぁ、乗ってくれ。」
「たまによくわからなくなるよな。」
「そ、そうだね。」
「二人ともなにしてるんだ?」
「いや、なんでもない。」
〜〜車内〜〜
「なんで学校前にリムジンが停車してるんだよ。」
「いや、俺の友達が家に行くからって連絡したら『坊っちゃまの友人でしたらすぐにお迎えに上がります。』って言われちゃってさ〜。断れないじゃん。」
「まぁ、そうですね。」
「だろ?」
「ところで、今日はお前の家に行ってどうするんだ?」
「これからの事を考える。それだけだろ?」
「まぁ、そうなんだけど........な。」
「そういえば、沙紀は悠真の家に行くの初めてだな。」
「うん。今までは遊んだ事はあっても天翔みたいに小学校から一緒じゃなかったから。」
「そうだな。俺と悠真は沙紀が転校してくる前からずっと一緒だったからな。」
「おー、そうだったな。それで沙紀ちゃんは小学校3年生当たりで引っ越してきたんだよな?」
「うん。」
そんなこんなで話をしていると車が停車した。そしてドアが開き、「どうぞ、おぼっちゃま。」それに続き俺たちも降りる。そこには大豪邸が広がっていた。
「何度きても慣れないな。」
「そう言うなって。ほら、こっちだ。」
そう言い俺たちの前を歩き始める。俺もそれに続くが沙紀がついてこなかった。沙紀は玄関の前で家を見つめてボー然としていた。
「沙紀、行くぞ。」と手をつないで中に入った。
「天翔。」
「なんだ?」
「想像を超えてるんだけど........」
「初めてはそんなもんだ。それが普通の反応だよ。気にすんな。」
〜〜悠真の部屋〜〜
「相変わらずお前の部屋大きすぎ.............」
「そういうなって、広いにこした事はないだろ。」
「そうだけどさ。」
「...............」
沙紀はまだボー然としている。
メイドの人が飲み物とお茶菓子を持ってきてくれてそれを食べながら今後の事を話し始めた。
「それで天翔。これからどうするんだ?」
「そうだな。久山大臣からも明確なミッションは貰ってないから.........こっちで適当に調べるしかないな。」
「そうか........」
「今までのことからして、桐生 啓吾。こいつを追うのがいいと思うんだが。」
「..........誰だそいつは?」
「ああ、言ってなかったか。沙紀を助けたときに俺に銃を突きつけてきたやろうだよ。それと犯行声明の主。」
「お前銃撃戦の中に飛び込んだのか!?」
「まぁな。」
「当然の顔して言うんじゃねーよ。」
「当然だろ?人質が見ず知らずのヤツならわかんねーけど、沙紀だぞ?」
「ふぇ!?」
今までお菓子を食べていた沙紀が驚いてこっちを向いた。口にはクッキーのかすがついている。............これも可愛いな、おい。
「だから、沙紀が誘拐された時に助けにいったのが俺で、そのとき相手は銃を持ってたんだよ。」
「..........え?」
「.........いろんな意味でさすがだよ。」
「天翔!銃って!?大丈夫だったの?!!」
「ああ、そのときは特殊部隊の隊長のおかげで攻守逆転。敵の銃を奪って敵は退却。俺も沙紀も無事だったんだよ。」
「そ、そうだったんだ..........」
「ま、気にすんな。」
「「..............」」
「それで、これからどうするんだ?悠真。」
「そうだな。とりあえずお前らは俺の家に泊まっていけ、ここならセキュリティもしっかりしてるし。」
「わかった。」
「そうと決まれば、これからの行動目標だな。」
「ああ。」
それからこれからの行動を考えていると天翔の携帯が鳴った。
「もしもし。」
「碓氷くんかね?」
「久山大臣ですか?」
「ああ、そうだ。突然すまない。
「いえ、問題ありません。」
「そうか。近くに孫はいるかね?」
「ええ、今は大臣の家にお邪魔しているので目の前にいます。」
「そうか。なら丁度いい。」
「どうしたんですか?」
「今日P.J.F.Aの諜報員がある暗号データを入手した。それを解読して欲しい。」
「わかりました。今から取りにいきますか?」
「いや、私の家にいるなら話は早い。今家の使用人を取りにこさせた。もうすぐでそちらにデータが入ったストレージが届くはずだ。」
「わかりました。」
「こんな状況だがゆっくりしていってくれ。」
「ええ、そういえば悠真に今日はうちに泊まっていけ。と言われました。」
「そうか。それはいい。君にもノートパソコンはあると思うが、必要になったときは私の書斎にあるパソコンを使ってもらって構わない。」
「ありがとうございます。」
「ああ、それではまた。」
「はい、失礼します。」
「............」
「祖父か?」
「ああ、そうだ。」
「悠真のおじいちゃん、何だって?」
「いや、いつものミッションだと。」
「そうか。この事件絡みだろ?」
「おそらくな。」
そしてしばらく待っていると部屋のドアが開き、一人のメイドが部屋に入ってきた。
「失礼します。碓氷 天翔様はいらっしゃいますでしょうか?」
「ああ、俺だ。」
「これが元陽様から預かったものです。」と封筒が渡される。
「ありがとう。(ニコッ」
「........ッ!!(カァァ)」
「どうした?」
「い、いえ!なんでもありません!し、失礼します!!」
「あ、ああ。」
そして後ろを向き、戻るとそこには頬を膨らませた沙紀と呆れた悠真がいた。
「どうした?」
「お前彼女がいるのにフラグ立てるのやめろよ........」
「むー。」
「なんの話だ?」
「沙紀ちゃんを大切にしろって話だよ。」
「そんなの当然だろ?な、沙紀。」
そういって俺は沙紀の頭を引き寄せ俺の胸に引き寄せた。
「か、天翔!?」
「いいじゃんか、お前もムクれてたんだしさ。」
「もうっ。照れるよ。」
「よし、今から解読に入る。」
「ああ。」
そして周りの音をシャットアウトして解読に集中する。隣に沙紀が居て、こっちを覗き込んできてとてもドキドキするが気にしないようにする。
そして徐々に俺の五感のすべてはディプレイに向けられた.............




