友に歩む者 前編
「~であるからして、........」
今俺は学校に来ている。あの後家に帰り、沙紀と過ごしていると久山大臣から連絡があった。
「彼女には話したのかい?」
「ええ。」
「そうかい。それで........」
「彼女はそれでも俺のそばにいてくると.........言ってくれましたから。」
「そうか。」
「はい、それで明日は?」
「君は彼女さんと一緒に学校へ行きたまへ。」
「しかし.....」
「いいんだ。君には大変な出来事もあつたしね、一時休暇というやつさ。」
「............わかりました。」
そして今は学校の4時限目だ。これが終わったら昼休みだ。今日の昼はなににしようかな。などと考えていると黒板の前にいる先生と目が合った。
「(ちっ、ミスったか。)」
「よし。じゃぁ、碓氷これ解いてみろ。」
「はい。(予想が当たったか)」
黒板の上にたつと先生は俺を見て口の端を少し吊り上げた。まぁ、解けないと思ってるんだろう。
事実、この問題は3年生が解くレベルだ。しかし、数学は俺の得意分野だ。
白いチョークを持ち、黒板に数式をどんどん書いていく。そして求めた答えを書き。先生の方を見ると、先生は顔が引きつっていた。俺はそれを見て、口の端を少し吊り上げた。
席に戻ると隣の悠真が話しかけてきた。
「あの先生新任らしいぞ。」
「あ~、だから天翔のこと知らないんだ。」
俺のことを知ったように語るのは同じクラスで席が俺の前の鈴木 美加子。沙紀とも仲がいい。
「さっきの先生の顔面白かったよな~。学年一位の奴に喧嘩売ったからな。それにお前先生に向かって笑ってたろ?」
「ああ、気づいてたのか。」
「当たり前だろ。」
そうしているうちにチャイムがなり、美加子は弁当を持って立ち上がる。俺と悠真は財布だ。
「二人とも今日も購買でしょ?」
「ああ、後から行くから先に沙紀のところに行っててくれ。」
「わかった~。」
そして俺は悠真と購買へ向かって歩き始める。
//天翔 SIDE START//
「そういえば、お前沙紀ちゃんに全部話したんだって?」
「ああ、大臣から聞いたのか?」
「そうだ。なんで話したんだ?」
「限界だったからだ。俺も沙紀も。」
「そうか.........」
「大臣の許可だったから大丈夫だ。」
「なら別にかまわんが。まぁ、よかったじゃねぇか。」
「そうだな。」
「それで?」
「なにがだ?」
「とぼけるなよ。それから沙紀ちゃんとはどうなんだ?なにもないってことはないだろ。」
「いや、まぁ......な。」
「俺とお前の仲だろ?」
「昨日は....泊まりにきた。」
「それはいつものことだな。」
「それで、キスした。」
「おぉ!んで?」
「...........一緒に寝た。」
「.................殺すぞ?」
「なんでそうなるんだよ!言えっていったのお前だろ!」
「冗談だ。普通に寝ただけだよな?」
「それ以外に何があるんだよ!」
「まぁ........................な。」
「...................」
// 天翔 SIDE END //
// 沙紀 SIDE START //
二人はすでに屋上へ来て、場所をとり終わって話をしていた。
「それで沙紀、天翔君との絆?いや、愛か。が強くなったらしいけど.......それからどうなの?」
「......まず何で美加子が知ってるのか疑問なんだけど。」
「そこは気にしないで♪で、それから何かあったの?」
「昨日...一緒....に泊まった。」
「おぉ!んで?」
「天翔が.......キスしてきた。」
「うおぉ!」
「そして...............................一緒に..」
「うんうん♪」
「........寝た。」
「え?ねた?ああ!ネタね!はっきりしてよね~。」
「..................」
「冗談はここまでにして、.....寝た?」
「うん。」
自分で言ってて恥ずかしくなってきた~。絶対自分の顔真っ赤だよぉ~。
「なぁぁんだってぇぇ!!??」
「う、うるさい!」
「あ、ごめん。それで.....ホントなの?」
「う、うん。」
「へ、へぇ。」
「.............」
「.............」
// 沙紀 SIDE END //
どちらも.....同じ話だった。
4人が屋上に集合し、端っこで女子二人はベンチに男子二人はフェンスに寄りかかりながらだべはじめる。
「ところで、天翔。」
「なんだ?」
「今日の放課後は開いてるか?」
悠真の目を見ると.....真剣だった。どうやら『裏』の話のようだ。
「ああ、大丈夫だ。」
「そうか、なら一緒に帰ろう。」
「了解だ。」
そしてなんとなく沙紀のほうをみると目があった。そして沙紀が携帯を取り出して操作する。美加子は空を眺めながらこちらの話を聞いているだけのようだ。
そうしていると携帯がポケットで振動した。携帯を開いて内容を確認すると沙紀からだった。
「(あの話をするなら私も行くね)」とだけ。それを悠真に見せる。
「どうするんだ?」
「お前がいいならつれてくればいい。」
「了解した。」
そして昼食を食べ終わり教室へと戻る。
今日は先生たちが緊急の会議があるとかで5時限目で授業は終わりだ。
〜〜放課後〜〜
「よし、行こうぜ天翔〜」
挨拶が終わってすぐに悠真が話しかけてきた。
「ああ。」
俺もその後に続く。沙紀がいる教室までいき、近くに居た生徒に沙紀を読んでもらうとその生徒は沙紀に向かって「彼氏がきたぞー」と言っている。もう勘弁してくれ。それを聞いて沙紀は顔を真っ赤にしながらこっちを見てくる。
「早かったね。ああ、授業がすぐに終わったからな。」
「ところで、視線を感じるんだが。なんなんだ?」
悠真が沙紀と俺に質問する。質問に答えたのは沙紀だ。
「だって学年で一番頭がよくてかっこいい人と2番目に頭がよくてかっこいい人が一緒に違うクラスにきたらそうなるでしょ。」
「………どっちが2番目なんだ?」
「もちろん悠真くん。私の中で一番かっこいいのは……天翔………だもん。」
「……聞いた俺が馬鹿だったな。」
「そうだな。」
「それを言ったら沙紀も学年で一番可愛いけどな。」
「え!?………あ、ありがと。」
「二人して惚気やがって(ボソッ」
そして騒がしいクラスを背中に静かな校門へ歩き始める。




