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052 対オーク戦

 僕は仲間が倒されて硬直しているオークたちを狙って、両腕のハルバードで段違いの横薙ぎを放った。


 そのままオークたちが棒立ちなら、お腹と首を斬り飛ばすだろう一撃だ。


 フルプレートのオークが何かを叫ぶと、ハッとしたように動き出す残ったオークたち。


 このハルバードの一撃を躱すには、間合いの外に出るか、床に平伏すしかない。


 オークたちが硬直していなかったら、全員が間合いの外に出て回避していただろう。


 でも、仲間の死がそんなに悲しかったのか、オークたちは動くのが遅れてしまった。


 その結果、三体のオークが床に平伏すことでハルバードの一撃を回避する。


 まぁ、普通ならそれでも無事だったと思う。


 でも、キミたちの相手にしているのは、普通の生物じゃない。ゴーレムだ!


 ストーンゴーレムは薙ぎ払いの勢いそのまま上半身だけを回転させると、間髪入れずに鋭い突きを放った。


 そう。今の僕は人間じゃない。ゴーレムだ。関節による可動域の制限なんて、ゴーレムには関係ない。だから、こんな芸当も可能なのだ。


 平伏した状態から、全身のバネを使って後方に跳び退ろうとする三体のオークたち。


 でも、間に合いそうにないよ?


 そこで動いたのは、間合いの外に出ていた三体のオークたちだった。


 ストーンゴーレムの鋭い突きを受け止めようと、武器を構える。


 しかし――――!


 キンッと響き渡る場違いに涼やかな音。


 それと同時に、オークたちの構えていた武器が破壊される。


 十分に勢いの乗ったストーンゴーレムの一撃だ。並の武器では受け止めることすら不可能だということだろう。


 さすがに武器を破壊されるのは予想外だったのか、ストーンゴーレムの突きを受け止めようと力を張ったその体にハルバードの一撃が突きこまれる。


 ハルバードによる二連突きは、二体のオークを貫通しただけには留まらず、後方に跳び退ろうとしていたオークたちのそれぞれ腹と右脚を貫いた。


 悲鳴のような今まで聞いたことがない情けない声を出すオークたち。


 しかし、それで終わらないのが、このオークたちのすごいところだ。


 武器を構えて、ストーンゴーレムのハルバード一撃を受け止めようとしていた二体のオークたち。彼らは鳩尾を巨大なハルバードで貫かれ、即死していてもおかしくない致命傷だというのに、ハルバードの柄を両手で掴んできた。


 たぶん、自分の体を犠牲に、ストーンゴーレムの武器を、そして両腕を封じるつもりだ。


 その証拠というわけではないけれど、フルプレートのオークが二本のハルバードの間を通り、高速で接近してくるのが見えた。


 なるほど。フルプレートのオークの攻撃は、おそらく必殺の一撃だ。これを避けるには、両腕のハルバードを手放すしかない。


 ストーンゴーレムの武器の放棄。おそらく、それがオークたちの狙いだ。


 でもね、オークくん。キミたちが相手にしているのは、ストーンゴーレムなんだ。


 ストーンゴーレムは、汎用性の高いゴーレムだ。創るコストも安いし、戦闘も、ランドール村で使っているように重機のような使い方もできる。


 戦闘面では、戦闘系のゴーレムには及ばないけど、そのパワーは劣らないよ?


 僕は一気にストーンゴーレムの両手に持ったハルバードの間を閉める。


 オークが必死にしがみ付いてる?


 そんなの、ストーンゴーレムのパワーの前にはないのと一緒だよ。


 バチンッとまるで箸の真ん中あたりで豆を挟むようにフルプレートのオークをハルバードで挟んだ。


 ハルバードに挟まれ、ボコッと凹むオークのフルプレートのお腹部分。その幅は十センチほどだ。


 兜の隙間からまるで噴水のように飛び出す真っ赤というより黒い血。


 まぁ、即死かな?


 僕はまだハルバードにしがみ付いているオークを吹き飛ばすために、ハルバードを大きく腕を開くように振る。


 すると、その勢いに耐えられなかったのか、ハルバードにしがみ付いていたオークたちがスポンッと抜けて広間の壁に叩き付けられて、壁の染みになった。


 あとオーク三体かな。


 その瞬間、ストーンゴーレムの左腕が破壊される。


 見れば、残っていた唯一の無事なオークがハルバードでストーンゴーレムの左腕を半ばから砕いたのだ。


 そのオークの目には、見間違いじゃなければ、涙が浮かんでいた気がする。


 うーん。どうやら、フルプレートのオークが目立っていたから、このオークの接近を見逃してしまったらしい。


 もしかしたら、これこそがオークの作戦だったのかもしれない。


 まぁでも――――。


 僕はストーンゴーレムの左腕をすぐに修復すると、ハルバードを振り抜いて硬直しているオークに振り下ろした。


 グシャッと潰され、そのまま床の染みになるオーク。そのオークの持っていたハルバードを持ち上げる。


 これで元通りだね。


 さっと前を見ると、お腹を貫いたはずのオークと、右足を斬り飛ばしたはずのオークが無傷で立っていた。


 そして、僕はそれを為した存在を知っている。

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