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指輪の検証をしたいけど?



「あれ? アリー、ミラはどこに行ったの? 一緒じゃないの?」


「あ。お疲れ様です。ミラさんなら、あそこで食事中です。まだ食べられるみたいです。私は、もう食べられないので、ちょっと離れて見てるだけにしてます。えへへ」


「本当だね。まだ食べてるんだ。よくあの身体で、あそこまで食べられるよね。食べた物はどこに行っちゃってるのかね? あはははは」


「はい。本当に、どこに行っちゃってるのでしょうか。えへへ。

 それで、何か難しい問題だったのですか? 2人で話がしたいって、あの支配人さんが深刻な顔して言ってましたから、少し心配でした」


「ああ。うん。ちょっとね。この町の防衛に関する事だったから、教えられる人は、なるべく少なくしたいんだって。

 今回の件の謝罪とか、まだ、ナンバー『1』『3』『ジョーカー』なんかも居るかもしれないから、警戒は怠らないようにしてくれってさ」


「そうなんですね。突然の事でびっくりしましたから、またあんな事に巻き込まれるのも、あまり良い気はしませんよね」


「そうだね。それに越した事はないと思うけど、こっちの都合なんて考えてくれるような連中じゃないからね。やっぱり、こっちでも警戒しておく必要はあると思うよ?」


「はい。そうでした。そんな事考えてくれるような人達なら、あんな犯罪なんてしませんね。私ったら、何を言ってるんでしょうね。えへへ」



「おお。戻って来たのじゃな。もうそろそろ、この『打ち上げ』もお開きになりそうなのじゃ。食事が追加で出て来なくなったのじゃ。仕方がないから、わしも食べるのを止めたのじゃ。まだまだ食べられるというのに、残念なのじゃ」


「えー。まだ食べられるの? ずっと食べてるよね? 食べた物はどこに行ってるの?」


「何を言っておるのじゃ。わしにかかれば、まだまだ食べられるのじゃ。食べた物がどこに行っておるのかなんて、分かるはずがなかろうに。おおよそ、わしの魔力になっておるのじゃ。


 旦那様には、毎日〈MPドレイン〉で提供しておるのじゃ。その補充は必要なのじゃぞ?」


「ああ。そうなんだね。まあ、分かる訳ないよね。普通に食べてるだけだしね。うん。毎日のMP提供ありがとう。お陰で色々助かってるからね。それなら、しっかり食べておいてもらわないといけないのかな? あはははは」


「分かればいいのじゃ、分かればの。

 まあ、その顔ならば、そんなに深刻な話ではなかったのじゃな?」


「あ。うん。ミラにも心配させちゃってたのかな。ははは。

 今、アリーに説明してたんだけど、この町の防衛に関する事だったんだ。だから、教えられる人は、なるべく少なくしたかったんだって。


 今回の件の謝罪とか、まだ、ナンバー『1』『3』『ジョーカー』なんかも居るかもしれないからね。警戒は怠らないようにしてくれって言ってたよ」


「旦那様の事を心配するのは、『妻』として当然の事なのじゃ。わしは『正妻』じゃからの、尚更じゃ。じゃが、まあ、そういう事なら良かったのじゃ。また何か、良からぬ相談事かと思っておったのじゃ」


「うん。ありがとう? どこに行っても、何が起こるか分からないのは一緒だからね。町中でもしっかり警戒しておこうって事で良いんじゃないのかな? あはは」


「ふむ。その通りなのじゃ。どこに行っても、何が起こるかは分からのじゃ。それなら、常に警戒しておくのは当然の事なのかもしれんの」


「はい。私も、油断せず、町中でも警戒しておきます。また突然、変な人が飛び出して来るかもしれませんから」


「ははは。確かにね。いきなり人が飛び出して来るかもしれないからね。気を付けようがない事もあるかもしれないけど、まあ、そういう気持ちでいれば大丈夫なんじゃないのかな」




『打ち上げ亭 とりあえずビールで』で行われた『地下施設完成を祝う会』の打ち上げは、これにてお開きとなりました。ありがとうございました? じゃない。


 何という色々仕組まれた打ち上げだ。こんな打ち上げは、初めてだ。地面から打ち上がって出てきたのは、ナンバー『2』だけだったけど?


《冷風》



  * *



 お疲れのオイラは、宿に直行する事に。少し1人になって落ち着きたいのと、セバイラモさんから貰った『指輪』の検証をしなくちゃいけません?


 ミラとアリーは、日が暮れるまでは街を散策してみるとの事で、別行動。まあ、まだ時間はあるからね。ゆっくり買い物して来るといい。


 そんなオイラは太っ腹。最近ビールの飲み過ぎで? いや。そんな事はない。結構運動してるしね。強制的に? まだまだ体脂肪が気になるような状況でもないのであーる。


 折角、交易の町『アシャズ』に来ているのだから、買い物しなきゃ勿体ない。はい。そう言う事で、追加報酬でいただいた『フラナガン・マネー』。


『使用期限は5日間。この町限定品で使える特別な金券』だよ?


 親切にも、お釣りは出ないと言う特別仕様。使い切らなきゃ損々。男が廃る。女も廃る?


 貰ったのは、『1万フラナガン・マネー』を1000枚と、『10万フラナガン・マネー』が100枚。合計で2000万エーン分になるんだよ。どんだけー、じゃ済まないこの金額。使い切れる? 5日間だよ? どんだけ『ハート』が貯め込んでたんだっつー話だよ? これでもその1部なんだからね?


 闇の犯罪組織『カーズ』、その『拠点』の1つを潰した報酬だからね。あはは。嬉しい悲鳴のはずが、悲しい悲鳴になりそうな額だよね? 普通なら? 俺には使う当てがあるからね。そんな心配はしてないけど、俺1人で使うものでもない。


 そう。俺のモノは3人のモノ。皆で仲良く使うのであります。という事で、ミラとアリーの2人には、『1万フラナガン・マネー』を500枚ずつ、合計1000枚を渡しておいた。



 流石に、こんな額は多す過ぎると抵抗されたけど、別に無理して使う必要もないからね。使い切れない分は、期間中に俺が使うから。遠慮せずに持っていればいい。アイテムボックスもあるからね。邪魔にはならないよね? ふふふ。


 家具とか服とか、良いなぁと思って、長く使えるような物なら、買っておけば良い。何てったってアシャズだよ? アイドルなんて居るのかな?


 ここで揃わない物はないんだよ? 知らないけどさ。ノリで言ってみただけだから? でも、それくらいの事を言っても過言じゃない町。それが『交易の町 アシャズ』だ。有能な秘書さんも言ってたよ?


 はい。行ってらっしゃいな。どうせ、ミラは食料の追加がメインでしょ? アリーが一緒なら大丈夫だと思うけど、まとめ買いして、お釣り分を調整しなさいな。沢山買えるし、お互いメリットがあるからね。そう。お店と買い手がWIN・WINだからね。それは、良い買い物の仕方だよ?


 なんなら、ゆー達、武器や防具も見てきちゃいなよ? それだけあれば、それなりの物は買えると思うからね。足りなきゃ、後日買いに行っても良いからね。遠慮は要らないよ? ふふふ。



  *


 宿に到着し、ちょっと休憩。逸る気持ちを抑え、《光闇魔力循環の癒やし》でリフレッシュ?


「ふぃ~~~」


 やっぱりこれは、良いものだ。声が出るのも仕方ない?

 そう言えは、この宿屋。『フラナガン・マネー』の使用期限の5日間、それまでの支払いは済んでいるそうだ。あの有能な秘書さんが訪れて、その手続きをして行ったそうだ。いつの間に?


 えって思うよね? そこまでするの? 追加報酬も貰ってるのに、それで支払わせてもいいのに、逆に思惑があったりするのかな? そんな風に感じてしまうのは、オイラが非常識? 疑り深いのが、オイラの悪い癖?


 そこまでして、5日間も留めておきたい何かがあるのかな? 地下施設が完成し、少し町で所用を済ませたら、次の町に行くつもりだったんだよね。言っても、2、3日? 滞在するくらいのつもりだったかな?


 考え過ぎかもしれないけど、この町で何かがあるのか、次の町に関わる何かがあるのか。うーん。やっぱり、『スペード』関連の事なのかな。実際にナンバー『2』の潜伏もあったしね。


 俺が考えただけでも、『2』が、こうして情報収集してたって事は、その情報を活かして行動するって事だ。じゃなければ、危険を冒してまで諜報活動なんてしないよね。


 じゃあ、誰が、何の為にその情報を使うのさ? ってなるんだよね。やっぱり、仲間はまだどこかに居て、身を潜めてる? 仲間の安否を確認したらどうするの? って考えちゃうんだよね。


 だから、町長のフラナガさんも、思う所は色々あるのだろう。少しでも戦力は欲しい。状況を理解して動ける人材は有効活用したい。そんな所なのかな? それ以上の思惑なんて無いよね? 大丈夫だよね? ふー。



 これからの動静に思いを馳せ、考え過ぎても仕方がない。警戒しながら過ごして行く事に変わりはないからね。


 さあ、落ち着いたた所で始めましょう。


 ん? 何だ? またあの鳥か? 《双眼鏡》


「あ。昨日の朝と同じ、黒い鳥だ」



 やっぱりカラスっぽいよな。もうカラスって事でいいや。今回は1羽か。じゃあ、昨日の奴らとは違うのかな。昨日の朝は、2羽だったし、カラスは頭の良い鳥たがら、危険な場所には簡単には近付いてこないと思うんだよね。うん。勝手な想像で決め付け中。


 だがしかーし。カラスであれば、雑食だ。何でも食べるに違いない。また、ちゅんちゅん鳥が狙われる可能性もあるからな。


 俺よりも、ミラとアリーに懐いているとはいえ、折角仲良くなれたんだ。俺の、朝の爽やかな鳴き声を失う訳にはいかないぞ。ふっふっふ。覚悟しな。


 そう言えば、カラスを食べる人達もいたんだよな。俺は食べた事はなかったけど、結構美味しいらしい? 人の味覚もそれぞれだから、何とも評価出来ないけど。鳥なら、それなりに食材としては有りなのか?


 まあ、その辺はミラに聞いてみよう。食材の事なら、何でも知ってるはずだよね? 知らないか? まあいいや。上手くいくとも限らないしね。


 今回は、しっかり狙いを付けて撃ち落とす! 2度と『ちゅん鳥』達を悲しませたりしないんだらね!


 鳴き声と泣き声は漢(・)字(・)が違うだけで、聞き取り方によっては泣き声にも聞こえちゃう感(・)じ(・)だからね? 《冷風》うん。気を付けよう。



 おっ。獲物を探して枝に止まったか? キョロキョロしてるから、多分そうなんだろう。よーし。チャ~ンスだ!


「よし。そこから動くなよ。やはり攻撃魔法には、右手の魔法の銃がよく似合う?」


 左手の銃は、サイコの銃。俺が独断と偏見でそう決めた。そう。ノリで生まれたノリノリの精神銃。と言いつつ、放つのは癒やしの弾。有用性も、『ちゅん鳥』達で検証済みだ。


 それに引き換え、右手の銃は、攻撃魔法の銃。これも、俺の独断と偏見でそう決めた。何となく? 分けた方が格好良いと思ったから?


 右手からは攻撃魔法を撃ち、左手からは癒やしの魔法を放つ。


 うーん。ふぁんたじぃ~。俺ってば、こう言うの結構好きだったりする今日この頃です。



 今回は、〈氷〉の攻撃魔法を使ってみます。変な気持ちはないんだよ? 〈泥弾〉や〈鋼弾〉だと威力が強過ぎて、外した時に困っちゃう事になりかねないからね。


 証(・)拠(・)を残さない為にも、『氷』って便利だよね? しばらくすれば、溶けて無くなっちゃうからね。一時期、殺人事件の凶器としても流行ったよね?


 なんてヤマシイ気持ちで使う訳じゃない。半分くらいはそうだけど? 攻撃対象を食材として見るなら、極力傷付けないようにした方が何かと良いよね。威力があり過ぎても、グロい結果が待ってるし、食べる所も少なくなっちゃうよね。みたいな? 何て事考えちゃったりしちゃってますが、何か?


 まあ、じっちゃん! も、明智君も見てるからね? そんな完全犯罪なんて狙って出来るもんじゃないんだよ?


 標準よし、威力は少し抑え目、行きます!


「『我が生活の糧となり賜え』、指先《氷矢弾》×3」


 シュッ! シュッ! シュッ!



 がっ、 ぁ ……


 バサッ!



「よしっ。流石、詠唱必須の攻撃魔法。詠唱する事により、命中率も上がるのか?」


 気分的な問題なのかもしれないけど、やっぱり〈泥弾〉よりは命中率が違う気がする。生活魔法の7不思議に認定か? 安心安全な生活を送るためには、敵対する者、糧となる対象に攻撃が当たらなければ意味がない。


 そう考えれば、無詠唱と比べて、命中率が上がってると思うのも、あながち間違いじゃないのかもしれないね。『言霊』のチカラってやつ?


 これ、自己考察からの、速攻納得大作戦だよ? 流石、『即行の町 アシャズ』、『即考の町』も加えとく? 俺も、この町の影響を受けているようだぞ? なんてね?



 撃ち落としたはいいけど、回収しに行かなくちゃだよね。やれやれだ。折角のパワーアップイベントが台無しだ。でも、放っておくのもなんだしな。食材になるかもしれないし? ちゃんと責任持って回収しておきましょう。不法投棄とか、愉快犯とかでもないからね。俺ってば、常識人?



  *



「この辺のはずなんだけど、……


 おっ。ゲットだぜぇ」


 違いの分かる男を目指してるオイラの目には、カラスにしか見えない全身が黒い鳥。頭に1つと胴体に2つ、指先大の氷の矢が刺さっております。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。


 よし。回収完了。目撃者は? …………いないかな?



「さてと」


 それでは今度こそ、『強化の指輪』をはめるのだ!



 では、ドロン!



  *



 しゅたっ!


 ただ、その場で飛び跳ねてみただけの効果音。編集者がいないと、意味もなくその場で跳んだだけの人。やっぱり編集って大事だね。エフェクトだけじゃ、なかなか誤魔化せない事柄も多いから。雰囲気だけでも楽しむオイラでした。



 やれやれ、全く、この黒い鳥、またちゅんちゅん鳥を狙ってたのか? そういう鳥なのか? 狩り場としては、街中は丁度いいからな。猟師は森に行っちゃうし、エサになるモノは、雑食の鳥ならそこら中にあるからね。


 まさか、街中で魔法攻撃が来るとは思ってなかったんだろうね。本当はやっちゃいけない事だから? てへ。頭が良いだけに、油断してたのかもしれないね。やれやれだ。



 まさか、街中で攻撃魔法を使うなんて、そんなお前にもやれやれだ。


《冷風》《スルー》《冷風》


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