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ちゅんちゅん鳥の恩返し?



 いや~~。昨日は盛り上がった。


 非常に良いお酒だった。美味しかった。笑顔に溢れた食卓。笑い声。うん。『家族になった記念』のはずが、なぜか『指輪を着けてもらった記念』になってたけど、2人が楽しそうに喜んでるなら、それも特にツッコむ必要もないからね。


 俺は、お仕事完了後に、この町でやりたい事を話した。ドワーフとのビール作りの件ね。別にドワーフじゃなきゃいけないって訳じゃないけど、何となく? ちょっと話してみたいから。拘りのある人達と。違いの分かる男達なら、尚嬉しい?


 ミラとアリーには、この町でしたい事も特にないらしいけど、折角の交易の盛んな町。珍しい食べ物やら、食べた事もないような食べ物やら、美味しそうな食べ物やら、兎に角、沢山食料を買い込みたいらしい。


 うん。いつものミラクオリティ。良いと思います。アイテムボックスも、まだまだ余裕があるし、食費も気にする必要もないからね。限界まで買ってみるのも面白いかもね。


 おう。格好良い? 男なら1度は言ってみたいセリフ? 食費は気にするな? 俺に任せとけ?


 なんて贅沢な。でも、『メッセージの主』から貰ったマジックバッグがあるからね。時間経過もないから腐らないし、食いしん坊属性持ちのミラが居る。食料を無駄にするなんて、有り得ない話だよね。ははは。



 ミラもアリーも、服には興味がないのかな? 折角なんだから、色々見て回るのも良いかもよ。()()にならないように、優良店の情報と、紹介状まで貰ってるし。


 うん。あの秘書さん、やっぱり優秀だ。少しでも心地良く町で過ごしてもらい、楽しく沢山買い物もしてもらう。お客とお店、お互いがWIN・WINの関係になれば、町も潤う事になるからね。皆がハッピー。流石、『交易で栄える中央の町』。地図上では、この領地の中央にはないらしいけどね。



 それから、勿論、寝る前の『癒やしタイム』も忘れてなかったよ。別に、イチャついてた訳じゃないんだよ?


 2人から毎日お願いされてた、〈魔力循環マッサージ〉から生まれた、純粋な身体メンテナンス用魔法のお時間なんだからね?

 

《光闇魔力循環の癒やし》

〈癒やしの光闇〉〈魔力循環〉の併用で、全身の魔力の()()を解し、体の高回復と、心の鎮静効果を促す夢の魔法だよ?


 お陰で、オイラもグッスリだ。あはははは?



  * * *



 ちゅんちゅん

 ちゅんちゅん


 ちゅちゅん ちゅちゅん ちゅちゅん

 ちゅちゅん ちゅちゅん ちゅちゅん



「ん? 何だ? いつもと鳴き声が違うぞ?」


 何か焦ってる? 2羽のちゅんちゅん鳥が忙しなく小さく飛び回りながら、こっちを見ながら鳴いてるぞ? まさか、ジャンタケの催促か? やはり虜になったのか。恐るべし、我等が『ジャンタケ』、売れるぞ『ジャンタケ』。ふふふふふ?



 ん? もう1羽居るのか? 木の枝に横たわってる? ケガでもしてるのか? お前達が運んできたのか? 《双眼鏡》


「あー。うん。ケガしてるみたいだな。種類は同じ、ちゅんちゅん鳥か。全く見分けは付かないけど、仲間である事は間違いなさそうだな。よし」


 どうしよっかな? 流石にあの高さは手が届かないし、ここからじゃあ回復魔法も射程外だぞ。俺の生活魔法は、手のひらが要で、射程が120cm。あれから少しずつ広がってはきてるけど、流石にあそこまでは無理だからな。しかも、回復魔法を飛ばした事なんてないし。


 待てよ。魔力量も増えてきてるから、やってみたらイケルのか?


 精神力をエネルギー弾に変換する事も出来るんだ。勿論2次元での話? 左手に仕込んだサイコの銃。パワー制御も弾数も、本人の精神力次第って言うロマンに溢れた武器だ。誰もが1度は真似たはずた。うん。俺の年代も分かるよね? 撃った後に曲げる事すら出来てたからな。格好良かったよなぁ。勿論2次元の話だよ?


 ここは魔法の在る世界。俺には生活魔法があり、魔力を気にせず使える専用仕様。だから、弾数は無限大? 俺が生きてる限りは撃てるのか?


 うん。ヤレルかもしれない。俺なら出来る。生活魔法だから出来る。誰も見ていないから、失敗しても大丈夫だよ? 見てるのは、ちゅんちゅん鳥だけだから?


 勿論撃つのは左手で。その方が気分も乗って成功率も上がるかも?


 よし。左腕のカバーを外し(勿論気分だけ)、サイコの銃みたいに、拳を向けちゃうぞ?


 燃え上がれ、俺の魔力よ。ってそれはまた違う2次元だ。

 魔力を左手の拳に集めるイメージで、うん。これもスムーズに出来るようになったんだ。やるね、俺。


「ちょっと、どいててな。攻撃する訳じゃないから、安心して離れてな。いくよ? ★《癒やしの光弾》!」


 放つのは〈癒やしの光〉。君に、届け!


 ぱしゅっ! ………… ポワァーン


 光の薄い拳大の塊が、思った以上の速度で飛び出し、横たわっていた小鳥を優しく包み込んだ。


「おっ。成功だ。やったね! 俺。大丈夫か?」


《双眼鏡》 ん?


 枝に横たわってた『ちゅん鳥』が、首をキョロキョロさせて不思議がってるな。回復効果も、ちゃんと有ったって事だな。それだけ動けるようになったのなら、ケガも治ったって事で良いのかな。


 それにしても、拳から撃ち出された〈光弾〉、あんなに早く着弾するとは思わなかったよな。あれか? やっぱり、主人公に成り切る事が大事なのか? 精神力の成せる技? これは男のロマンだからな。うん。多分そう言う事だろう。そうしとこう。気分も良いからな。


 ちゅん、ちゅん ちゅん、ちゅん


 ちゅんちゅんちゅんちゅん

 ちゅんちゅんちゅんちゅん


 ちゅちゅん ちゅん、ちゅん 

 ちゅちゅん ちゅん、ちゅん


 ちゅん、ちゅん ちゅん、ちゅん



 何か分からんけど、うるさいな。鳴き過ぎだってーの。しかも、横たわってた『ちゅん鳥』が、その場でちゅんちゅん鳴きながら跳ねてるし。


「こら、そんなにはしゃいじゃダメだ。まだ回復したばかりだからな。しばらく落ち着いて、大人しくしてるんだぞ?」


 ちゅん、ちゅん ちゅん、ちゅん


 まだ、飛び跳ねてるし。お前はバカなのか?



「キズが治ったからって、すぐに動いたら、またケガが悪化しちゃうかもしれないだろ? 折角良くなったかもしれないのに。

 もう! しばらくは大人しくしてろ! 

 これでもくらえ! ★《闇の癒やし弾》」 ぱしゅん!


 ………… ポワァーン


 ……ちゅん?



「よし。これも効果ありだな」


 不思議そうに首を傾けながらも、落ち着いて、ちゃんと大人しく出来るようになったからね。やっぱり、〈闇〉も精神的なモノだけに、左手から撃っとかないとね。サイコの銃だけに? やっぱりあれだ。魔力量が増えてきてるのもあるけど、手の形によるのかもしれないな。


 いつもは指先から〈弾〉を出してたけど、指先に集中させる魔力と、拳に集中させる魔力じゃあ、その魔力量が全然違うからな。魔力を感じられるようになったからこそ気付けた新事実?


 これまでは、特に意識せずに〈鋼弾〉とか撃ってたけど、指先とか、拳に魔力を集めてやって撃ってみよう。うん。これ、検証必須。


 いつやるの? 今でしょ!


 ちゅんちゅんちゅん

 ちゅんちゅんちゅん


 ちゅちゅん、ちゅん



「ん? 何を騒いでるんだ? 全く、落ちつきのない奴らだなぁ」


《双眼鏡》


「……あっ、あれか。あれにヤラレたのか?」



 回復させた『ちゅん鳥』が、上空を見上げながら羽をばたつかせて鳴いてるから、何かと思えば黒い鳥。カラス? 違う鳥か? 2羽のカラスが、ちゅんちゅん鳥を狙ってるのか? 肉食鳥か? カラスは雑食で、何でも食べるからな。その可能性もあるのか。


 くそう。折角仲良くなれたと勝手に思ってる俺の、朝の爽やかな鳴き声の主達を襲うとは。覚悟しな!



「よし。お前達、そこから動くなよ。あの黒い鳥は、俺が追い払う。任せておけ!」


 丁度、今検証するつもりだったからね。そう、今でしょ!


「握り拳の《泥弾》×4」


 ドシュッ! ドシュッ! ドシュッ! ドシュッ!


 バサバサッ! バサバサッ!


 がぁ~ がぁ~ 


 がぁー がぁー …………



 げっ! 魔力を集中させてもないのに、威力が強い。腕に伝わわる反動も強くなった。流石に結構な距離があっただけに、泥弾はかすりもしなかったけど、黒い鳥達は滅茶苦茶驚いて、どっかに飛んで行っちゃった?



〈俺用魔力循環〉での効果もあると思うけど、今は魔力を意識せずに撃ったから、多分それが原因じゃない。やっぱり、この握り拳が原因だ。今更だけど、またもや大発見だぞ。


 こりゃ参った。どこまでやってくれるんだ、生活魔法。いや、今回はサイコの銃にも感謝だな。昔の2次元の基礎知識は、今でも役に立つものが多いからね。色々と勉強になるようにと考えられてる作品も多かった。


 ここでもその恩恵を受けられました。読んでて良かった。見てて良かった。ありがとう。色んな先生方。オイラは、こっちの世界でも(たくま)しく生きてるよ?


 それから、ちゅんちゅん鳥。お前達もね。



「よし。大丈夫だったか? もう黒い鳥はどっかに行っちゃったからな。しばらくは安全だと思うぞ? 賢い鳥なら、危険な場所には近づいて来ないからな。


 今回は、俺からのお礼も兼ねて、『ジャンタケ』の大盤振る舞いだ。沢山あげるから、仲良く食べるんだぞ?」



 ちゅん、ちゅん、ちゅん

 ちゅん、ちゅん、ちゅん


 ちゅちゅん、ちゅちゅん



「よしよし。お前達も大変だったんだな。俺が居る時なら、また守ってやるからな。これからも、朝の爽やかな鳴き声をよろしくな」


 ちゅん、ちゅん、ちゅん

 ちゅちゅん、ちゅちゅん



 おいおい。本当に俺の言ってる事が通じてるのか? そんな感じの鳴き方だよな。こっち見ながら鳴いてるし? うーん。まあいいか。それより、魔法の登録もしとかないとな。ふふふ。ありがとう。




 これは嬉しい。癒やし系の魔法は、1部を除いて飛ばす事が出来た。攻撃系と違って握り拳でもイケるけど、手のひらを対象に向けた方が、より魔力を集めやすく、より遠くへ飛ばす事が出来た。


 検証にも付き合ってくれてありがとう。3羽のちゅんちゅん鳥。鳴き声が1羽だけ違うくらいで、全く見分けは付かないけどね。結果としては、色んな癒やしの魔法を使ってあげた事になったからね。お相子(あいこ)って事でよろしくね!



※〈癒やし系弾〉癒やしの効果のある魔法を、弾として手から飛ばす。直接発動させるより効果は下がる。


★《手当て弾》

★《浄化弾》

★《癒やしの光弾》高→中回復効果

★《消毒弾》

★《殺菌弾》

★《滅菌弾》

★《精神耐性向上弾》

★《スルー弾》

★《闇の癒やし弾》


〈光闇の癒やし〉、〈光闇魔力循環の癒やし〉の2つを飛ばすのは無理だった。まだ魔力量が足りないのか、そもそも、こんな複合技を飛ばすのは無理なのか。うん。多分、生活魔法だからだな。


 生活魔法の基本は、俺。しかも手のひらからの発動だからね。そもそも、〈癒やし〉の効果を飛ばすなんて発想自体がナンセンス? うん。俺、納得。そう言う事にしておこう。

 


 朝の妄想の時間。ちゅちゅん鳥との交流と、新しい魔法の登録と、今日も良い時間となりました。ありがとう、ちゅんちゅん鳥、ありがとう生活魔法。ありがとう先生方。



  * *



 今日も朝からニヤニヤが治まらないの2人に見送られ、俺は東の衛兵待機所へ。


 今日は、東と西の地下施設作成。普通サイズの30部屋分。昨日は、巨人さん用の大型サイズを作ってるからね。部屋数は増えたけど、やることは変わらない。部屋が小さい分、時間は掛からないからね。


 俺を含めた11人で、ふっと言う間にやっちゃうよ?

 ふっなんて、なかなか言わないからね? いつまで掛かるかな? あはははは。



 エルフの皆さんの修行の場。オイラは、軽くレクチャーしながら修正したり、補強したりを繰り返します。1人3部屋。役割も違うから、場所を交代しながら、時には協力しながら、それなりに有意義な時間になったんじゃないのかな。うん。皆さん、お疲れ様でした。


 最後の《強化》は任せてね。1年間保証付けてるし。責任持って《強化》しまくります。《強化》祭りだよ?



 昼休憩をしっかり挟んだ後に、西の地下施設も同じように作成しました。うん。もう俺は必要ないかもね。流石エルフさん? この2日間で、ここまで出来るようになるとはね。


 もう、お前達に教える事はない。これからは好きに生きよ! なんてね? 今でも好きに生きてるよね。


 教え方が良いからか? いや。元々の素質と、長年の経験が大きいね。それと1番は、やる気の問題だね。俺は、ほんの少しだけ知識を提供したに過ぎないからね。あはははは。別に寂しくなんかないんだからね。


 やっぱり、保守メンテナンス契約は必要ないみたいだね。うん。その方が良いと思いますよ。呼ばれても、すぐには対応出来ないからね。やれる事は自分達でやった方が良い。うん。これ常識。皆さんにも、この常識が通じて良かったよ。


 ありがとう。そして、お疲れ様でした。


『東の地下衛兵待機所』『西の地下衛兵待機所』完成です。



 これにて、この町での地下施設作成は終了です。

 後は、施設のチェックと、その報告を待つくらいかな。俺は、明日予定されてる『打ち上げ』に参加してもらえればいいって事だけど。じゃあ、お言葉に甘えまして、後の事はよろしくね。


 皆さん、お疲れ様でした。土魔法の普及もよろしくお願いします。


 おっと、そうだった。モークさんや。どこ行った? 今からオイラと付き合いな。と言っても、変な意味じゃないからね? みんなと合流する予定だから、付いて来て。



 何か、昨日から女性陣がニヤニヤしてるから、その謎を解きに行くんです。じっちゃんだけじゃ頼りにならないからね。男性陣の助けも必要だと思う今日この頃です。


 あなたも、女性には気を遣って生きてきたんだから、分かるでしょ? 女性は集めると危険だよ? 集まっても危険だし? 良い意味でも、悪い意味でもね?



 さあ、覚悟して付き合ってもらおうか。同じダメージなら、1人より2人の方が分散するからね? あはははは。




  ◆ ◆ ◆



「な、何なのよ! 突然、私の可愛い『黒ちゃん』と『があちゃん』が、言う事聞かなくなったわよ! どう言う事なのよ!!


 何の映像も見えなくなったじゃないの! せっかく息抜きに、小鳥の狩りをして楽しんでたのに! もうっ!!


 また新しい子見つけて、調教しなくちゃいけないわ。面倒臭いわねぇ。森に行くのは服が汚れちゃうから問題外だし、どうせ私1人じゃ捕まえられないわ。


 生きてる動物買うなら、やっぱり『アシャズ』に行くしかないじゃない! もお~~っ! 面倒臭い!


 こんな事なら、ナンバー『2』に頼んでおけば良かったわ。もう町に着いてる頃かしらね。あの子、移動だけは早いから。ふんっ!」



【追加登録された魔法】


※〈癒やし系弾〉癒やしの効果のある魔法を、

 弾として手から飛ばす。

 直接発動させるより効果は下がる。


★《手当て弾》

★《浄化弾》

★《癒やしの光弾》高→中回復効果

★《消毒弾》

★《殺菌弾》

★《滅菌弾》

★《精神耐性向上弾》

★《スルー弾》

★《闇の癒やし弾》


◇◇◇◇◇


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