第八話 社会科見学と言う名のラブラブツアー
「スッゲェ~っ!。」
海辺にある巨大な建物を目の前にして、翔輝はそう叫んだ。
姉ちゃんは笑いながら、
「まぁ、たまにはいいかなって思って、社会科見学さっ!。では、ここはどこでしょう~?、陸くんっ!。」
と俺に振ってきた、俺はあわてて、
「えっ!?、で、でっかい建物!。」
と言うと姉ちゃんは笑いながら、
「まぁそうなんだけどさっ!、でも違うよっ、ここは、『国際法人 絶滅危惧種保護委員会』だよーっ!、フツーなら一般の見学は禁止なんだけど色々あってOKしてもらった~っ!。」
と言った、そしてそれから、
「それじゃあ陸とその恋人、流菜ちゃんの仲を深めるラブラブツアーにレッツゴー!。」
と言って翔輝走っていく、俺はそれを追いかけながら、
「おい!?、俺はただの社会科見学としかきいてないってか、なんだよそのラブラブツアーって!?。」
と叫んだ。
……………
「おい、大丈夫か?、陸?。」
そうゲッソリした表情の俺に翔輝は心配そうに聞いてきた。
いや、何あれ?、ペンギンに追いかけられた、死ぬかと思った。流菜になんとか助けてもらったけど姉ちゃんはただ大笑いしてるし。
姉ちゃんもさすがに悪いと思ったのか、
「ゴ、ゴメンね~、陸さ~ん。」
と言っていた。
流菜は俺が作った弁当を広げている、姉ちゃんはカバンからビールの缶を取り出した。
――昼から飲む気かよ・・・。
と俺は思った。
「プッハァ~っ!、生きてるって感じがするぅっ~!。」
姉ちゃんは弁当の中の甘海老の唐揚げをつまみにビールをがぶ飲みしながらそう言った。
それを見た翔輝は小声で、
「お前の姉ちゃんって、テレビとプライベートで性格が全然違うよな・・・。」
と言ってくる、俺は苦笑しながら頷いた。
流菜は俺の作ったほぼ豆腐の煮込みハンバーグを食べながら、
「美味しい、お肉なのに・・・、変な味がしない、パサパサもしてない・・・。」
と言った、そういえば彼女は退院後初めてレバーを食べて肉嫌いになったらしい、俺は、
「まぁ、ちょっとづつなれていけばいいよ、流菜。」
と言うと姉は、
「おんゃあ?、るぃくぅくぅん?、仲良さげねぇ~ん。」
と絡んでくる、翔輝はそれをみてずっと苦笑いしていた。
――まったく、何で姉ちゃんはいっつも酔うとこんなんなんだよ!。
うわあああっ!、ラブラブすくねえっ!!!