7-1,レースゲームは最後まで油断出来ない!
前回の騒動から数日。
警察署内ではとある噂話が飛び交っていた。
「特務課の隊長がどこぞの馬の骨にやられた!」
という噂が……。
しかもその噂には、尾ひれどころか背びれ胸びれまでついて広まっていた。
「特務課も大したことないな」
「ただの一般人に負けるなんて、特務課の隊長なんてその程度の実力」
など特務課を卑下する声が、署内のあちこちで囁かれていた。
そんな状況の中特務課はというと、レイジとシオンがいつも通り集まり業務を行っていた。
「おいシオン。スマホ弄ってねぇで、さっさと仕事しろ」
「えぇ~……」
シオンは、業務を其方退けにスマホを弄りそれを見ていたレイジはしっかり忠告をする。シオンは話を逸らすために例の噂話についてレイジに話しを切り出す。
「そういえば、レイジ先輩知ってますか…例の噂。」
「例の噂?」
「うちのレオ姐が、どこぞの槍珍に負けたっていう話」
レイジの手がピタッと止まったかと思えば”馬鹿馬鹿しい”と一蹴し、さっさと仕事をしろとシオンに指示。だがシオンはその指示を無視し、再びレイジに話しかける。
「えー、でも私聞いたんですよ。駅前近くにあるメイド喫茶でレオ姐らしき人物を倒す男の事を」
レイジの手が再び止まる。するとシオンはその日何があったのが知人づてで聞いた話を聞かせる。
その知人は騒動のあった店で働いていて、偶々その日シフトが入っており働いていた。そしたら突然一人の女性が告白してきて、その告白を断ったが。あまりにもしつこかったからついアッパーを喰らわし、そのまま例の男のテーブルに落下。そのごしばらく一悶着があった後突然、ハンマーやヘルメットで殴り合い。最終的に例の男が勝利したという。
話を聞いたレイジは、しばらくその場で考え込んだ後、再び馬鹿馬鹿しいと深いため息を吐きながら席を立った。シオンが何処に行くんですか?と尋ねると一服してくるだけだと伝え部屋を出ようとした時何かを思い出しかのようにシオンの方に顔を向け……。
「今そこにある書類の山、全部処理しろ。終わるまで今日は帰さねぇからな」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
シオンの悲鳴を背に、レイジは部屋を出た。
喫煙スペースにて一服しながら、例の男の事について考え込んでいた。
(……うちの隊長はそれなりに実力のある人だ。例え半分遊びが入っていたとしても、ずぶの素人に負けるほど柔じゃない。それなのに負けたという事は)
物凄い真剣な表情でタバコを口にくわえていたレイジは……。
(少し探してみるか)
口にくわえていたタバコの火を消しそのまま喫煙スペースを後にし、噂の男に会ってみようと思ったレイジだった。
その頃、噂の男はと言うと……。
「よしよしよしいいぞいいぞ! このままゴールだぁ!!」
「させぬぞ兄者!ここで赤い甲羅だぁ!」
「なんのバナナでガードじゃぁ!!」
クロトとサキ、そしてミオと共にマ〇オカートで遊んでいた。現在一位をキープしあんが爆走しているクロトにその後ろから追いかけるサキとミオ。ミオは持っていた赤甲羅を一位のクロトに投げるが持っていたバナナの皮でガードし回避。もうすぐゴールと言う所で目前で、雷が飛来。
「のぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
それに追い打ちをかけるかの如く、青い甲羅や赤い甲羅に…黒い砲弾とこれでもかと言うくらい不幸が訪れ、気づいた時には一位から最下位へと転落していた。
チーン……。
クロトの身体は真っ白になり息も絶え絶えな状態になってしまった。
「ふふん、ミオ達の勝ちなのです!」
「流石にあれは悲惨ねぇ…」
流石に哀れだと感じたサキは、クロトへ同情の目を向ける。
「ふふふ、じゃあ最下位だった兄者には罰ゲームを」
罰ゲームと言う単語か聞こえた瞬間クロトの意識が戻り、ミオに向かって”もう一レース!”とみっともなく懇願したが却下。苦虫を噛みしめたような表情になったクロトは、罰ゲームなんかくらって堪るか!と言わんばかりに窓に体当たりを繰り出しそのまま逃走。突然の事にサキは驚いたがミオは、冷静な態度で懐に隠し持っていた謎のボタンを取り出し。
「逃がさないよ!!」
ポチ!
謎のボタンを押した。すると床からなぜかミサイルが飛び出してきてクロトにロックオン。ミオの”ファイア!”という掛け声とともにミサイルがクロト目掛けて飛んで行った。その直後爆発を起こし辺り一帯土煙が立ち上った。煙が晴れた後、着弾したと場所を見ると、ただ焼き焦げた跡だけがありクロトの姿など何処にもなかった。
「うーん、取り逃がしちゃったなぁ」
「いや、取り逃がしちゃったじゃないよ、ミオちゃん!! 死んじゃうよ、あんなのあたったら木っ端みじんで吹き飛んじゃうよ!! と言うかこれは一体何!?」
謎のギミックが登場したことに驚きを隠せないでいるサキ。ミオは、これは”害虫”用を確保するためのものだと説明。
害虫=クロト
頭の中で瞬時にはじき出し少し困惑してしまうサキ。そしてその頃害虫はと言うと、全身丸焦げになりながら、何処かの木にぶら下がっていた。




