俺と少女と膝枕と
間隔が空いた関係で一部表現が変わっております、ご了承ください。
真っ白な頭の中が少しづつ覚醒していくのを感じる。
無意識に開いた瞼の先には見知らぬリビングが広がっていた。
「ここは……?」
「ようやく目を覚ましたのうお主、大丈夫か?」
「!?」
声の主の顔を確認しようと天井の方に目を向けるとさっきの全裸の美少女がそこにいた。
「えっ、えっと」
「そんなにあたふたせんでよかろう。布だって羽織っておるしな」
よく見ると少女はTシャツを上に羽織っていた。大きさからしておそらくカズキさんの物だろう。
「そ、そうみたいだね、ところで聞いてもいいかな」
「うむ、なんでも答えるぞ」
「なんで俺、膝枕されてるの?」
どういうわけか俺はソファーでさっきの少女に膝枕されていた。……なんだこれ。
「あの男から“これしてやればアイツは喜ぶぞ”と言われたからな、これで喜ぶのならと思ってやったんじゃが」
「お、おう」
若干頬を染めながら言っている姿はとてもかわいいが正直俺はそれどころじゃないのでとりあえず起き上がらせてもらおう。
「う、うんありがとう、おかげで少しは楽になったよ。よい__」
「なにしてるんじゃお主?」
「おわっ!」
よいしょなんて年寄りめいたセリフを吐きながら起き上がろうとしていたのに目の前の少女は何をよろしく思わなかったのか不機嫌な顔をしながら俺の頭を太ももに押し付けてくる。
(ちょっと!?ほんとにそれはマズいって!)
この人、どうやらTシャツは着ているものの、むしろTシャツしか着ていないらしく。つまりその下で絶賛ひざまくらをされている俺としては非常に目のやり場にこまるというか。そもそも、この頭に伝わってくる感触が正しいのならこの人本当にTシャツ1枚しか身に着けていないんじゃないかとか色々考えてしまって己の身がいろんな意味で危ない状況になっていた。
それなのにこの人はひざまくらされている男がこんな劣情を抱いているにもかかわらずおかまいなしにふくらはぎに押し付けてくるんだが、痴女か何かなのか?
「ちょっちょっとやめ__」
「どうせこんなことしたって“アイツ”はなんともっ!」
(あれ?今の“アイツ”ってカズキさんのことか?そうだとしてもここまで俺に執着する意味はないような…ていうかちょっとまって、段々力が強く……)
「いたいいたい!わかった!わかったから押し付けるのやめて!」
ついに俺の心が折れ、泣く泣く暴れるのをやめると彼女はそれをみてホッとしたのか今度は頭を撫でてきた。反射的に振り払おうかと考えたがまたあーだこーだと言われるのもシャクなので何も言わずに厚意に甘えることにした。
それから何分くらいたったのだろう、ふと今日あった出来事を振り返ってみると客観的に見てもおかしな一日だったなと思う。
急いでバイトを探そうとしていたら見知らぬ男性に連れていかれ、その先では全裸の美少女がいて。
正直、俺の生涯で類を見ないほどのドタバタぶりだったと思う。目の前の彼女と初対面した時はまさか素っ裸でいるとは思っていなかったので心臓が終始バクバク鳴りっぱなしだった。
(ハダカだぞ?そりゃテンパるに決まってるでしょ。ホント、なんでこんなことに……ってあれ?そういえばあの時)
そうやって思い出すのは気絶する前のあの出来事。
まさかあの時、文字通り“吹き飛ばされる”なんて思いもしなかったし、なにより絶賛頭なでなで中の女の子は叫んだだけで俺の身体には指一本触れていなかった。あれは一体なんだったのだろう。
「どうしたんじゃお主?」
「えっ?」
「さっきから妙にけわしい顔じゃったぞ、何か考え事か?」
見ると、少女は心配そうに俺の顔を見つめていた。
「あー、なんでもないよ気にしないで」
できる限り相手に配慮して答えたつもりだったのだがお気にめさなっかったようで表情が徐々に厳しくなっていく。
「……お主」
「は、はい」
「まさかとは思うが、友人にもそんな態度なのか?」
「え?」
まさかの質問に戸惑いながら少女を見返すと。
少女はイラつきながら、そして悲しそうに見つめていた。
それに対して俺は……
ガチャ!
「「っ!?」」
その時、遠くの方で扉が開く音が聞こえた。おそらくカヅキさんが帰ってきたのだろう。
目の前の少女も察しがついたのかこれ以上追及するのをやめて頭なでなでに戻ってくれた。…心なしかさっきより雑になったような気がしないでもないが。
リビングの扉が開くとカズキさんがめんどくさそうな表情をしながらスーパーの袋をもって入ってきた。中身はよくわからないがふくらみかたからして弁当だろうか。
いかにも「めんどくさいです」と顔に書いた状態のカズキさんだったが俺と少女の状況を見ると途端に表情を変えてニヤニヤしながら2人に近づいてきた。
「あれれ、ずいぶん仲良くなってるご様子で」
「お主がやれというからやっておっただけじゃが」
「でも俺、“頭撫でてて”なんて言ってないよね?」
「ぐっ……!」
カズキさんが少女を煽っているさまはとても面白かった、面白かったのだが……。
(いたい!そんなにガシガシするのはやめてくれ!)
少女の怒りを発散させる場所が俺の頭皮にいっているらしくいつか髪の毛を毟ってしまうんじゃないかというところまできていた。
そんな状況を見ながらカズキさんはテーブルにスーパーの袋を置きながら言った。
「とりあえず、晩御飯にしようか」
時間は、夜7時を回っていた。
次回でやっと説明回でしょうか…?




