涼風神楽の日常 上
窓から差す柔かな光が私の頬を照らし、私・涼風神楽の一日が始まる。
この不知火皇国特種のエレメンタルバードが私に朝を告げてくれた。
エレメンタルバードはこの国の魔法属性の炎・水・電気・風・地にそって五種存在し、主人の魔法属性によって、エレメンタルバードの属性も変化する。
私は苗字に『風』という字が入っているのにも関わらず、炎属性だ。
この国の人口の約六割は魔力を持っており、主に貴族や王族から魔法を発現することが殆どだ。
例に漏れず、私も公爵家の一人娘で、私に魔法を教えてくれる優しいお父様と、身内びいき無しに見ても美人で芯のあるお母様。
そして、私たち家族のために一生懸命働いてくれている使用人たちと暮らしている。
お父様は王族が使用する薬を家で調合し、王宮に届ける仕事をしながら、
皇都での困り事を国王からの勅命で承っていた。
お母様は、お父様と結婚するまでは国1番の治癒の魔法を持っており、
王宮で重宝されていたそうだが、(かなり)お母様にベタ惚れしていたお父様は国王に直々にお願いして、お母様の退職を認めてもらったそうだ。
お父様とお母様は国王である神宮寺杏也様からとても気に入られていた…というかお父様と杏也様は幼い頃から親友で、今も(腹心にの部下という建前の元)仲良くしているらしい。だから、お母様の退職も受け入れてくれたのだろう。
そして、私には同い年の幼馴染でかつライバルの存在がいる。
私の住む地域は不知火皇国の皇都から遠い涼風領がある『アサナギ』という
自然豊かな場所だ。
そして、そのお隣りには候爵家の領である氷室領があり、氷室家の嫡男である
氷室葵がとは三歳で顔を合わせたときからの仲だ。
天色のストレートヘアーに深緑の瞳。初めて会った時は女の子と間違えたほどの
綺麗な顔つき。
私と葵は七つになったときに魔法が発現して以来、約八年間二人で魔法を使いこなせるように訓練してきた。
そして今日は二週間ぶりに葵と打ち合いの稽古をする予定だ。
それまでは、木刀を握り素振りをしていた。
庭の木の葉が揺れる音がする。
そして二週間ぶりに見た幼馴染の姿に自然と口角が上がった。




