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第1章『崩れゆく平和』

「かつて、とても大きな戦争があった」


暗い広間で、一人の男が玉座に座っていた。


「”人”と”神”の戦い・・・それは”人類存続戦争”と呼ばれた」


まるで鮮血のような色をしたワインが入っているグラスを、その姿に見合う如く優雅に揺らしている。


「そして戦いは終局を迎えた。”人”は滅び、”神”が生き残った」


グラスの傾きは、次第に激しくなってゆく。


「再び、”人”が生まれるまで、”神”は”世界”を閉ざして自らも”切り取られた世界”へ渡った」


「・・・”真実の書”の冒頭文ですね」


月光に照らされた長めの銀髪が揺れる青年、彼は玉座の男に対して跪きながら言った。顔は上げていない。


「全ての記憶は氷河の世界と共に屠られた・・・。しかし、私にはわかる」


ついにグラスからワインが零れ落ちた。男はそのまま、グラスの中身を流していく。


「”世界”が私に動けと言っているのだ。流さなければならない、多くの血を」


「・・・その為に私達が呼ばれたのかしら?」


赤いドレス姿の金髪美女、彼女は微笑と共に言う。


「君達は”世界”に選ばれし者だ」


「俺ぁんなことどーでもいいが・・・。ぉい、壊すんだろ?この平和をよぉ?」


金の短髪の男が、ニタリと笑みを浮かべながら聞く。


「さぁ壊そう。この平和を」


玉座の男はグラスを手放す。真っ逆さまに落ちたそれは、地と接触し


パリンッ


割れた。


男は立ち上がる。月の光に照らされ、姿がわかる。


長い金髪、そして紅い瞳・・・。


男は言った。


「始めようか。私の戯曲を」




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