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ラビッツ  作者: 無傷な鏡
306/363

三〇五 遠征軍兵士たちの戦い


 ガシャッ!ガシャッ!ガシャッ!


 剣と槍がぶつかる音が平原に響き渡り、戦闘は始まった。


「キェエエエエ!」


「賢烏ごときが!」


「殺せぇええ!」


 神兵たちは空腹と怒りにまかせて剣を振り、


 ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!


 バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!


 その大剣は一撃で何人もの遠征軍兵士たちを殺していく。


 その迫力。その力任せの太刀に、


「ぎぁああ!」「うぎゃっ!」「ぐはっ!」「ぎゃっ!」


 遠征軍兵士たちは為す術なく斬られるのだった。


 それでも、


「怯むな!」


「行けぇ!」


 隊長たちは声を張り上げ、兵士たちを鼓舞する。


 その声に押され、遠征軍兵士たちは怯まず神兵に向かっていく。


 力任せの爬神軍に、


「わぁああああ!」


 遠征軍兵士たちは数で立ち向かった。


 バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!


「ぎぁああ!」「うぎゃっ!」「ぐはっ!」「ぎゃっ!」


 神兵が遠征軍兵士を斬り殺したところを狙って、 


「うぉおお!」「やぁああ!」「死ねぇええ!」


 遠征軍兵士たちは次々と槍を突き出した。


 闇雲でもいい、とにかく何人かで急所を狙えば一つは刺さってくれるだろう。


 遠征軍兵士たちはその思いで必死に槍を突き出した。


 ブスッ!ブスッ!ブスッ!


「ギィア!」「ギャァア!」「ギエア!」


 数で圧倒する遠征軍もまた確実に神兵を倒していく。


 力で押す爬神軍。


 数で対抗する遠征軍。


 その戦いは悲惨なものだった。


「ギィエエエエ!」


 ある神兵は遠征軍兵士の突き出した槍の柄を掴むと、


 バキッ!


 それを強く握ってへし折り、猛烈な勢いでその兵士の体を鷲掴みにするのだった。


 そして、


「ひっ!」


 兵士が悲鳴を上げる間もなく、


 ガブッ!


 被っている兜ごと頭にかぶりつき、周囲で急所を狙っている遠征軍兵士たちを威嚇しながら、


 バキバキッ、ボキッ、バキッ、ムシャムシャ・・・


 その頭部を見せつけるように咀嚼して食べ、


「ぺっ」


 と、ぐしゃぐしゃになった兜だけを吐き出すのだった。


「ぐえっ」「うぇっ」「うっ」


 吐き気を催す遠征軍兵士たち。


 あまりの光景に小便を漏らす者もいたかも知れない。


 しかし、それはまだマシな光景だった。


 神兵たちの多くは掴まえた遠征軍兵士の腕や足から食らい、


「ぎぁあああああ!」


 その断末魔の叫び声を聞きながら最後に頭部を食らうのだった。


 その惨たらしい光景。


「ぎぁあああああ!」「うぎゃあああ!」「ぐうぉおおおお!」


 いたるところから遠征軍兵士たちの断末魔の叫び声が聞こえてくる。


 その悍ましい叫び声に、遠征軍兵士たちは萎縮してしまう。


 萎縮したところに、


「ギエエエエ!」


 神兵は剣を振り回し、


 ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!


 バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!


「ぎぁああ!」「うぎゃっ!」「ぐはっ!」「ぎゃっ!」


 遠征軍兵士たちをまとめて殺し、食らっていくのだった。


 神兵が恐ろしいのは食しながら戦っているからなのか、疲れを知らず、まったく勢いを失わないことだった。


 生きたまま掴まった遠征軍兵士たちは、


「ぎぁあああああ!」「うぎゃあああ!」「ぐうぉおおおお!」


 拷問のような苦痛を味わいながら食されていった。


 戦場に響き渡る遠征軍兵士たちの絶叫。


「怯むな!」


「行け!」


「数で圧倒しろ!」


 隊長たちの叫び声。


 わぁあああああああ!


 遠征軍兵士たちも必死になって戦い、


「ギィア!」「ギャァア!」「ギエア!」


 神兵を一人、また一人と確実に仕留めていく。


 そんな戦闘が平原の至る所で繰り広げられた。


 ブスッ!ブスッ!ブスッ!ブスッ!


 遠征軍兵士たちの槍が神兵の急所を突き刺していく。


「ギエエ!」「ギイアアア!」「ギイイ!」


 神兵は悶絶の声を上げながらも、息絶えるまで、遠征軍兵士たちに激しく襲いかかった。


 ブシャッ!ブシュッ!バサッ!


 遠征軍兵士には頭を潰される者がいて、頭を引き千切られる者がいて、胴体を握り潰される者がいた。


「ぎぃあああ!」「うぎゃああ!」「うがぁあっ!」


 神兵は死の間際においても、遠征軍兵士たちを力任せに殺していった。


 神兵たちにとって遠征軍兵士は霊兎(れいと)と違い動きが俊敏でないため、捕まえるのは難しいことではなかった。


「うぎぃあああ!」


 腹を空かせた神兵は鎧に身を包む遠征軍兵士の手足を食い千切り、頭部や胴体も鎧や兜を気にせず咀嚼し食していくのだった。


 バキバキッボキッ・・・


 骨の砕ける音が戦場のあちこちから聞こえ、


「食え!賢烏を食らえ!食らい尽くせ!」


 神兵たちは口から血とヨダレを滴らせながら、賢烏の肉の味を噛み締め、そして次々と遠征軍兵士たちを食らっていくのだった。


 その残酷な殺し方に遠征軍兵士たちは恐怖を覚えながらも、必死になって戦った。


「わあああああ!」


 遠征軍兵士の喊声。


「ギエイァオオオ!」


 神兵の雄叫び。


 ガシャッ!ガシャッ!ガシャッ!


 剣と槍がぶつかる音。


「ぎぃやああああ!」


「ギィエエアアア!」


 断末魔の叫び声。


 平原は血に染まっていくのだった。


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