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ラビッツ  作者: 無傷な鏡
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一三三 棺を見つめる男


 ラドリアの神殿の奥に、秘密の部屋がある。


 その部屋に入ると、ひんやりとした空気に気持ちが鎮められる。


 部屋の奥の壁には、腰くらいの高さの祭壇があり、その祭壇に祀られているのは、ドラゴンの像ではなく、一つの剣と一対の弓矢だった。


 剣と弓矢はそれぞれ装飾が施された飾り台に立てかけられ、祭壇の両端には一本ずつロウソク台が置かれていた。


 窓のない部屋の中で、そのロウソクの炎が通気孔からの風で微かに揺れている。


 そこは、神殿の中でも誰にも知られていない神聖な場所だった。


 祭壇の前に、純白の柩が一つ、ポツンと祭壇と平行に置かれている。


 柩の中で、シルクの柔らかな布に包まれた美しい白髪(しろかみ)の娘が、布から顔だけ出して安らかな表情で眠っている。


 その柩を前にして、ぽつんと黒緑色の大男の姿があった。


 その男は、柩に眠るその娘の顔を見つめ、ただじっと立ち尽くしているのだった。


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