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ラビッツ  作者: 無傷な鏡
122/367

一二一 深夜の神殿


 ラドリア精鋭養成所施設内にある神殿。


 深夜、コンクリは一人祭壇に向かい、膝をついて祈りを捧げていた。


 祭壇に祀らているのは一つの剣、一つの弓、そして一本の矢だ。


 祭壇に灯されたロウソクの炎が微かにコンクリの姿を浮かび上がらせている。


 コンクリは静かに目を開けると、ゆっくりと立ち上がり、祭壇に向かう。


 コンクリは祭壇に祀られた剣を手に取ると、ゆっくりと息を吸い、その息を吐きながらボソボソと祈りの言葉を囁いた。


 それから剣を元の位置に戻すと、今度は弓を取って剣と同じようにし、最後に矢を取って祈りの言葉を捧げ終わると、祭壇に向かって手を合わせ、しばし黙祷を捧げた。


 静かな時間が流れる。


 コンクリはゆっくりと目を開けると、祭壇に置かれた小瓶を手に取り、目を開けたまま祈りを始め、祈りの言葉を唱えながら、小瓶に入った聖なる水を指につけ、祭壇に置かれた剣、弓、矢、三つの武具に振りかけるのだった。


 そして、小瓶の聖なる水がなくなると、コンクリは右手の人差指と中指を眉間につけ、目を閉じボソボソと囁くように祈り続けるのだった。


 薄暗くヒンヤリとした室内。


 コンクリが祈りをやめ、ふぅーっと大きく息を吐くと、吐く息の強さに合わせて三つの武具が鈍く光り出し、祭壇に灯されたロウソクの炎も大きくなった。


 そして、コンクリが息を吐き切ると、ロウソクの炎はボワッと一瞬大きくなってから消え、三つの武具も光を失うのだった。


 そこにある静寂。


 コンクリは目を開けると、重々しい表情で祭壇を見つめ、しばらくそこを動かなかった。


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