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神聖王国(てきぐん)を全滅させた後、ワタクシとしてはこのまま帰らせてほしかったのですが、エッグ隊長以下騎士団の皆さんに止められてしまいました。


曰くこんなのどう説明していいか分かりません。

お願いだから王宮まで付いてきて下さいとの事。


そんな時こそ臨機応変に対応なさい。

ワタクシの名前を出さなければ適当で構いませんと言うのに、一考に聞き入れず挙げ句のはてには足にしがみついて涙と鼻水を擦り付けてくる始末、まったくエッグ君の泣き落としには負けました。

ワタクシも昔はコレが得意でした。


そんなこんなで王都の正門までは来ましたが、そこからが大変でした。まず混乱の極みにある王都から弓矢をたんまりと頂戴しました。


まぁドラゴン連れた怪しげな一団が近かづいてくれば、そりゃこうなるわな。


王都から降りそそぐ矢の雨を村長以下村の皆さんが手掴みで処理してる間にエッグ君以下騎士団の皆さんが必死で説得、何とか攻撃を中止して貰いました。

ワタクシと云えば半ギレ状態のクロちゃんを宥めるのに精一杯、

この段階でワタクシは精神がガリガリ削られる音が聞こえておりました。

あぁ帰りたい・・・


取りあえず矢の雨が止むと城壁の上から声が掛かりました、そこのデブこちらに顔を向けなさい。


ワタクシはデブじゃない、ぽっちゃりさんだ!

ワタクシの正当な抗議に対し相手からは謝罪ではなく驚きの声が掛かりました。


オォその言い方間違いない!

ベール魔術師長、私です、貴方の下で見習い魔術師をしていたナットォです。


ナットォ・・・ナットォ!

ナットォ君ですか確か城の侍女に告ったが見事に玉砕した挙げ句その後もしつこく付きまとい危うく王宮から追放されかけた、懐かしい!


弓隊打て〜!

決して生かして返すな〜!

何をしている私のクロ歴史を打って〜!


何と云う事でしょう。

ナットォ君は城壁から何処かに連れていかれてしまいました。

ワタクシの事をデブなんて言うから南無〜


そんな事を思っているとやっと城門が開き中へ入ることができました。


そこから先はサクサクと進み宮殿の謁見の間にて国王陛下へ拝謁する事となりました。


ライス王国国王陛下の御前である皆の者おもてをあげい!


うわ〜この感じ久々ですね、ワタクシは方膝をつき顔を上げました。そこには年の頃なら60才位の痩せこけたご老人が玉座に腰かけておりました。


その方真にベールか?

余の知っているベールはもッと年をとっておったが?


失礼ながらもしや第2王子様ではありませんか?

お懐かしゅう御座います、よく第1王子にイジメられてワタクシの執務室に逃げ込んでは机の下に隠れて、


"オッホンもうよい!本当もう止めて!"


ベール久しぶりじゃな、こたび王国の危機によくぞ駆けつけてくれた、礼を云う。


勿体ない御言葉にございます。

ワタクシは先代様との約束を守っただけ何もお気になさいませんように。


嫌、そうはいかん余としてはソナタの復帰を近隣の同盟国に知らせ士気を高めたいと思っておるのだ。


陛下御言葉を返すようですが、それではライス王国が第2の神聖王国になるだけで御座います。

ライス王国は力よりも話し合いをもっとうとしてきた国、強すぎる力はけっしてライス王国の為にはなりません。

まぁ本音としては、一生王国で役所仕事それも死なないのに?

冗談じゃありません!

それなら村でクロちゃんと食っちゃ寝食っちゃ寝のグータラ三昧の方が万倍マシです。


ではベールよソナタはこれからどうするのか?


ワタクシは先代様との約束を守り魔の森の防人を続ける所存です。


しかしまた神聖王国が攻めて来た時には?


その時はこの国の民として何時でも駆けつける所存。


ベール、父はソナタが亡くなったと聞いた時、酷く取り乱しベールが余との約束を破るハズがないと叫んでおった。

父は間違って居なかったのだな。


先代の国王陛下はワタクシ以上に気の弱い方だったからな、二人でよく効く胃薬の話をしたっけ、ワタクシが物思いに耽っていると、


ライス王国大魔導師ベール大義であった、下がって良い!


ワタクシが昔の事を考えているといつの間にか国王陛下から退室の御許可が出ておりました。


ワタクシは何とか再就職の魔の手から逃げる事ができました。


さぁ皆で村に帰るとしましょう。

これからどうなるかはまったく分かりませんが、マールン君の様に頭がよろしくないワタクシは胃が痛くならない程度に生きて見ようと思いますです。





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