冒険者襲来?
ダンジョン。
それは今から数千年前、世界中に現れたとっておきの未知。
その未知を求めて日々ダンジョンに挑む存在。
『冒険者』といった。
「なんで俺がFランクなんだ!」
エルフリア王国・冒険者ギルド本部の冒険者登録受付で、人目も憚らず騒ぎ立てる少年がいた。
黒髪に童顔、小柄な体格も相まって成人している様には見えない。
「Bランク以上の冒険者の推薦がない方は一律で、Fランクからの登録になっております」
「推薦状も持ってきてるだろ!これがあるならDランク以上で登録できるはず!」
少年の剣幕にギルド職員の少女も引き下がらず言い返す。
「こちらの推薦状を書かれた方を検索しましたが、そのような方の登録はありませんでした」
「そ、そんなはずは・・・」
先ほどの勢いはどこに消えたか。
勢いを失い、黙り込み思案を巡らせている。
「リーナちゃん、俺がその子の推薦を出すよ」
リーナと呼ばれたギルド職員が視線を奥に向ける。
「オーウェン様!?オ、オーウェン様のお知り合いと知っていれば」
「知り合い?初対面だ」
大慌てなリーナに、男は大真面目な顔をして言い切った。
そんな中、話に入れなかった少年が勢いを取り戻し間に入った。
「おっさん誰だよ!俺はこの女と話しているんだ!」
「口が悪い子供だな。まあいい、俺が推薦してやる」
おっさん呼ばわりされて一瞬眉間に筋ができたものの、大人の余裕を見せてやるとでも言いたげな態度で応対する。
「で、お前の名前は?」
「推薦を貰えるなら名乗ろう!俺はアリオ。アリオ・ウェン=ウェストニアだ!」
「「ウェストニア!?」
西の大国、西方諸国連盟。盟主国はウェストニア王国。
『ウェストニア』を姓に持つのはウェストニア王国の王族のみ。
さらに『ウェン』の名は現国王と皇太子にしか与えられない。
『アリオ・ウェン=ウェストニア』
のちに冒険者たちの王と呼ばれる少年の物語。




