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ほほえみデンタルクリニック、異世界で開業しました  作者: ポン吉
第9章『ほほえみデンタル、食卓のぬくもり』

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01.白穀を持ち帰って

白穀を手に入れてホクホクの2人は、ほほえみデンタルへ戻ってきていた。


商会からの帰り道。

大和は大事そうに白穀の入った袋を抱えている。

見た目はどう見ても米だった。


「いやぁ~。でも見た目完全に米っスよねぇ」


大和は袋を抱えながら笑う。


あすかも隣を歩きながら頷いた。


「まぁねぇ……」


見た目は本当に米だった。

粒の形。

白さ。

大きさ。


どこからどう見ても米だった。


あすかは歩きながら小さく息を吐く。


「……でも、ヤンさん最後怖かったわねぇ」


「人格壊れるとか普通言わないっスよね」


「四肢爆散とかも言ってたしね」


「知的好奇心で人体実験しようとしてる人だったっス」


2人は同時に苦笑する。


しかし、白穀という情報を教えてくれたのもヤンだった。


「まぁ……とりあえず感謝は感謝ね」


「っスね」


そんな会話をしながら歩いていると、ほほえみデンタルの建物が見えてくる。


見慣れた建物。

診療所。

そして自宅。


大和は建物を見上げる。


「なんか安心するっスねぇ」


「あんた昨日まで絶望してなかった?」


「それはそれ、これはこれっス」


大和はあっさり答える。


あすかは入口の扉を開ける。


「ただいま戻りました~」


「戻ってきたッス」


受付の奥から声が返ってきた。


「おかえり2人とも」


志帆だった。


受付では、直樹とすずが作業をしていた。

診療室の方からは器具の音も聞こえる。


そのタイミングで、真人も診療室の方から顔を出した。


「おかえり~。お米らしいものは見つかったかい?」


その問いかけに、あすかと大和はにんまりと笑う。


そして、手に持っていた袋を掲げた。


「お米かどうかは分かんないですけど、似たようなものを手に入れました」


「白穀っていう西の国で栽培されている穀類らしいッス」


「はっこく?」


真人は不思議そうに首を傾げる。


「はい。見た目はお米にそっくりです」


あすかは袋の口を開けて見せる。


真人と志帆は袋を覗き込んだ。


真っ白に輝く粒。


「………たしかに米そっくり」


智子も横から袋の中を覗き込む。


「んじゃ、さっそく晩御飯の準備に取り掛かってみますか」


智子が袋を取り上げ笑う。


「まぁ、調理方法が同じかわからないですけど……。とりあえず炊いてみますね」


そう言うと、智子は袋を持って診療所の裏にある自宅へと向かう。


「智子さ~ん!おいしいのをお願いするっス」


智子は腕を上げて親指を立てる。


あすかと大和は、その後ろ姿を見送った。


(まぁ……)


(食べて無事なのかはわからないっスけど……)


2人は顔を見合わせる。


そして、同時に頷いた。


(死ぬときは全員一緒だ!!)


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