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ノートクエスト  作者: 伊達柴紫
2章 忍びの村と雷の目覚め
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22話 雷の目覚め

―――忍村 ワカ道場 昼休み―――

シノブ「ルカの必殺技凄すぎるよ。というかさっき先生に目標言われたばっかりなのにもう完成したの?」

ルカ「まだ調節中だよ。味方巻き込まないようにもしなきゃだし」

シノブ「調整中であれなの!?本当に凄いんだね」

 

マナ「ハル、これタケルさんからの差し入れだよ」

 マナは竹の皿に乗った干瓢巻きをハルに差し出し声をかけるがハルからの反応はない。

 

ハル「ハァハァ、ゼハァ(なんでイメージ通りにいかないんだ。何が足りないんだろう。いやむしろ力のいれすぎなのかな。閃斬は夜中の短い練習の内に習得出来たのに、この技はランクが高いってことか。じゃあ今の僕の身体能力だと追いついてないのか?いや、頭ではイメージ出来てるんだ。イメージと実際の動きとの認識違いのせいで完成しないんだ。ならいきなり体全体を一度に動かすんじゃなくて、足から1つ1つ出来るようにして組み立ててみよう)」

 

 ハルはしばらくして、自分の近くに昼ごはんが置いてあることに気づく。

ハル「(あれ?いつの間に。)いただきます」


シノブ「ハル頑張ってるね」

マナ「ハルは特訓とかいつもストイックに頑張る方だと思ってたけど流石に今日のはすごい」

ルカ「一昨日は夜通しドミーさんと特訓して、昨日は迷いの森と忍村での戦闘だったし疲労も取れてないはずだよ」

マナ「そうだよね。ハル頑張り過ぎて倒れたりしなきゃいいけど」

 そう話す3人は、努力に努力を重ね続けるハルに感化されて休憩を早めに切り上げそれぞれの修行に励む。


―――リクサイド―――

 リクは最初、雷に体を包まれ痛みで叫び声を我慢出来なかったが、今は落ち着いて呼吸し瞑想している。

雷マスター「大分慣れたみたいだな!次は、俺が外から適当なタイミングでクナイを投げるから集中を切らさないで躱してくれ。(これで一気に体に纏う所まで連れていく)」


リク「(いつ終わるんだろう。キツイ。お腹も空いたし喉も乾いた。)!?」

 リクは雷マスターが投げつけてきたものを躱す。

 

雷マスター「折角の昼ご飯を躱すか。その中じゃ動体視力はイマイチだな」

 雷マスターは、栄養ドリンクをリクにパスしていた。リクがかわしたそれを先回りした雷マスターがキャッチする。この者は自分1人でキャッチボールができる。

リク「(まじか…のみたかった)」

 

 リクのスナイプというスキルはその動体視力に支えられているので、その能力が低いわけではないが痛みと疲労から集中力が落ち判断が出来なかった。しかし判断できなかったが躱したのだった。

 この雷の玉に入る修行はリクの体を回路にして雷魔法を流すのが目的であり、自分の体から雷魔法を放出する感覚を覚えさせるためであった。


―――ナギサイド―――

風マスター「43死亡。次」

 風マスターは紋章を出し、風を纏いスピードに関しては手加減をしないでナギに2本の竹刀を叩き込んでいる。ナギは未だに二度目の紋章発現を叶えてはいなかった。


 ウチはマハナの分まで強くならなきゃいけないんだ。必ず強くなる。見ていてくれ。


ナギ「連真輪斬!」

 ナギは2本の竹刀を、全身を使って操り高速の回転斬りを放つ。一周では終わらず、何度も連続で放っている内に4周目の回転斬り中右剣が風マスターの肩に当たる。

 

風マスター「今のは僕が1負傷か。いいじゃん」

 風マスターは竹刀が当たった肩から回転斬りを終えたナギへと視点を移す。

 

 ナギは無言で風マスターを見つめている。風マスターは一瞬の隙でも見せれば狩られると思ってしまうぐらいの強さだ。

 

風マスター「(このチャンス逃しはしない。嫌われ役徹底するか。)弱っちい君の仲間?の内の男達ともう大分差つけれたんじゃない?」

 ナギは分かりやすく反応している。

 

風マスター「実力も無いくせに城に防衛しに行きたいなんて言ってさ。許可したのは治魔法と水の姫の戦闘力が必要だっただけだよ。あの雷の子も過去に道場から逃げたんだってね。力もないし根性なしだね。雷の修行もまた逃げ出すんじゃない?」

ナギ「斬!」

 速すぎてナギの技名が聞こえない。風マスターの目の前で止まった竹刀を持つナギの手の甲には緑色の紋章が浮き出ていた。

 

風マスター「僕が1死亡だね。(やっぱり仲間への誹謗の怒りがきっかけになるか)」

ナギ「出ました。言いたくもない言葉言わせてすみません。優しいんですね」

風マスター「ふんっ何のことかさっぱりだね」

 ナギは2度目の紋章を消し、再び出す。完全にコツを掴んでいた。

【ナギ 紋章の力体得】


―――リクサイド 夕方―――

雷マスター「今日はここまでだ」

 リクは雷の玉から放り出される。

リク「まだ体痺れてる感覚です」

雷マスター「それは良い予兆だ。さぁ雷魔法出してみよう。さっきまでの感覚を自分で再現するんだ」

 

リク「(体はこの辺が力んでたはず。火魔法を操るのと少し感覚が似てる。手が痺れる感覚がしてその感覚を外に移すつもりで。それを手のひらに集めて!)」

 リクの目の前に雷が落ちる。そして雷音が忍村に響き渡る。黒い煙が立ち上り、草は焼け焦げている。

 

リク「え?今の自分ですか?」

雷マスター「ハッハッハ!!初めは静電気ぐらいかと思っていたが落雷を放てるか!これは面白いものを見せてもらったよ。ありがとう。明日からそれを制御する特訓へ移る。今の感覚忘れないでおいてくれ」

 リクは目の前の焦げた地面を見てもまだ自分が落雷を落とした実感がわかない。


【リク 雷属性開花】


―――その夜 宿―――

ルカ「2人共成功したんだね!お疲れ様!おめでとう。初日からあんな雷落とすの凄いよ」

リク「道場まできこえてたの?」

マナ「ビックリしちゃったよ。そしたらハルが絶対リクの力だって言い出して、自分も気合い入れ直してたんだよ」

ハル「恥ずかしいから言わないでよ。ナギはどうだった?」

ナギ「ん」

 ナギは手の甲に紋章を浮かべて見せる。

 

ハル「え、かっこよ」

マナ「ね」

リク「ナギもずっとがんばってたみたいだぜ」

 リクはナギを見つめると、ナギは頷き返す。

 

ナギ「……急だし疲れてるとこ悪いんだが、ウチの過去の話を聞いてくれないか。これから一緒に旅をするにあたって話しておきたい」

ハル「うん!聞かせてよ」 

ナギ「失った親友の話だ」

 ナギはゆっくりと口を開く。

 ナギの荷物の上には2本の剣が交差して置いてあり輝いている。その双剣は対象的なデザインな訳ではない。片手剣が2本あるだけである。

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