13話 大長の実力
―――忍村 中央南―――
大長6のゼルガにやられた忍達は医療忍数人とシイナによって巨大な担架に乗せられ、医療忍4名でワカ道場の方へ運ばれている。
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ルカ 「私も戦うよ」
マナ 「一突であんなに強い忍の人達もやられちゃったんだよ」
ルカ 「マナは怪我した忍の人を治してあげて」
マナはルカの裾を引っ張っている。そこに、2人のいる通りを医療忍が駆けつける。ルカは水を使ってマナの意識を奪う。
ルカ「(ごめんね、マナ。私には治療が出来ないから、強敵でも挑んで戦うしか人の事を助けれないの)」
ルカ 「すみません。この子治魔法の使い手です。避難所か医療所に連れて行って貰えませんか?」
医療忍「わかった。ありがとう」
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その忍はマナを背負いながら、ワカ道場に屋根をつたい走っている。
医療忍「(この子意識を失いながらも、泣いているのか?)」
ゼルガ「何人増えてきたって構わないぜ。強ければなお面白い」
女忍長の秘書であるシイナも女忍長の隣に立ち、3人でゼルガと戦う形になった。
シイナ「近距離は、私がやります。速×力!」
元々素早いシイナの足がさらに速くなり、ゼルガの懐に潜り込む。
ゼルガ「はぇえな。(力試しだ)」
シイナは槍を握るゼルガの手を蹴り、首を横から蹴って女忍長の方へ飛ばす。飛んできたゼルガを女忍長が掴み床へ叩きつけ、そして上空へ放りなげる。投げ上げられた先にはシイナが空中で待っており、渾身のかかと落としを喰らわせて、再び床にたたき落とす。
ゼルガ「(こいつらのコンビネーションはとても楽しいな)」
ルカ「水天落[スカイトゥシー]」
ルカが起き上がろうとするゼルガに降り落とす水魔法の勢いはまるで滝である。
女忍長「(思ってた通りやるな。)結界棺」
倒れているゼルガの上に結界を作り出すことでゼルガは身動きが取れなくなる。
女忍長「(武器も持てない、どうやって抜け出す?)」
女忍長はこのままトドメまでもっていけるとは思っておらず、ゼルガがどのような力や技を隠しているのか試しているのだ。
ゼルガ「なんだ、強敵揃いかよ。全方位貫通!」
体から極短のビームを全方向に撃つと、ゼルガの体の周りの全てが消える。ゼルガに触れていた部分の地面と結界が消え、ゼルガは飛び起きる。
ゼルガ「さて、ボチボチ反撃するか。んあ?」
女忍長「探し物はこれかな?」
女忍長はゼルガの槍を持っている。
ゼルガ「泥棒猫がよ。ビームできれば十分だけどな。雷獣牙銃!」
両手首を合わせ、自身の体の前に構え手を開いて牙の形を作る。その形のまま次々と雷魔法を発射する。
ルカ「(水柱に、巨大なオドリギ、そして大長6、なんか私が戦う強敵どれも属性の相性悪いな)」
ゼルガの技は、全て結界の壁で防がれる。
シイナ「(思ってたよりも弱いな。)速×力!」
ルカの隣にいたシイナは一瞬でゼルガの顔の横で飛び蹴りを構えている。
女忍長「シイナ誘われてるぞ!」
シイナの蹴りを両手を牙の形を保ったまま受ける。蹴りの勢いは完全に消され、両手で挟んでシイナの足を潰しにかかる。
シイナ「(抜け出せない。)ぐっ」
ルカ「水砲[ボーン]」
ゼルガは腕にまともに喰らうがビクともしない。
ルカ「水魔針銃[すいマシンガン]」
次々と針状の水をゼルガの腕に連射する。この技は水柱ドーザが使っていた技である。再現率は百を超えて百二十である。水柱よりも針は速く、鋭い。ゼルガは耐えきれずシイナを放す。
シイナ「ありがとう。力×力×速」
一帯の地面が揺れるのではないかという勢いで踏み込み、ゼルガに斜め上から重い回し蹴りを喰らわせる。常人であればその蹴りを受ければ、吹き飛ぶか骨が折れる結果になるがゼルガの肉体はその蹴りを耐える。
ゼルガ「電線斬」
手刀に雷を纏わせシイナに斬りかかるが、再び結界に守られる。
ゼルガ「攻撃と防御のバランスとコンビネーションの精度が高すぎるな」
シイナ「当たり前だ。いつから私が女忍長の隣で戦える様に鍛えたと思っている。(三重で強化かけたから少し休まないと)」
シイナは下がる。そこをゼルガのビームが襲う。シイナは身を屈めそのビームをかわす。
ゼルガ「どっちにしろ構わないがかわしていいのか?後ろの建物は?人は?貫かれてないか?」
今3人が戦っているのは村長の館へと真っ直ぐ続く通りである。直線上に貫通するのであれば、当たりどころが悪ければ倒れている村長やオババに当たる。
女忍長「問題無い」
ゼルガ「そうかよ。(生け捕りなのが厄介なんだよな。水のガキを狙っても『結界』に体はって庇われたりされれば最悪だ。くそ)」
水の国の特兵長と忍村の女忍長がそれぞれの今の職に就く前は2人で旅をしていた。両親が忍でありながら忍道には進まなかった彼の名はシュルガという。そして女忍長にまで上り詰めた彼女の名はアズサという。シュルガは身を固める場所を探すため、アズサは忍村のリーダーになる為に旅を続けていた。何度か魔物と戦い死線を越えてきた彼らは、『透明化』と『結界』という力に目覚めた。結界の力を使いこなせるようになったアズサと水国の都市ボイラーで余生を捧げる相手を見つけたシュルガは別れた。
アズサが忍村に帰る途中、風国のある村でシイナと出会う。シイナは任務の最中である魔物を探していた。その魔物の討伐に出されたシイナは1月近く目撃情報のあったその村に留まっており、シイナの食料と気力は既に尽きていた。
アズサ「名前は?」
シイナ「シイナと申します。まさかこの村で忍に会えるとは思いませんでしたよ」
アズサ「私もだ。私はアズサよろしくな」
シイナ「もう、この任務は諦めようかと思います。まだ私の実力でこなせる任務ではありませんでした」
アズサ「諦めるのは早い。その魔物の特徴は?」
シイナ「碧色の虎で、毛も爪も目も碧色という情報です。この村人も何度か襲われた見たいです。満月の夜にしか現れないとの事で、先月会えなかったので今日をのがせばまた次のチャンスは来月になります」
アズサ「じゃあ、今夜必ず成功させなきゃな。諦めるのは今日が終わってからでも遅くないはずだ」
シイナ「(この方の曇りの無い目が私の不安なんか消し去ってくれるみたいだ。)がんばってみます」
アズサ「シイナの成長の為だから手出しはしないが万が一の時は私が何とかしよう」
その日の満月は美しく輝いていた。




