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悪代官サマ と ユカイな仲マたち  作者: 中田 春
【 迷いのマの森 】 編
33/82

level.32 よめ(?) は いかり くるっている!!!!



「【迷いのマの森】支店の全社員に告ぐ――配布された“最新の手配書”を確認! 大量の『 POW 』を所持したまま、逃げ出したヤツが載っているはずだ! 必ずや探し出して、“窃盗常習犯”を私の前に連れてまいれッ」


 その様子、荒ぶる女神。

 神は()っくい敵にございますが

 それほど眩しく輝いている……

 という意味で受け取ってください。

 オーラの色がこれ以上ないほどに澄んでおります。

 どちらかと言えば『ひかりもの』が発する波動に

 似ている気がいたします。



「《気孤(きこ)》」



 おりんちゃんの前に、ずらりと勢ぞろいする『狐一族』の面々。

 階級は下から二番目。

 ほどほどに『狐一族』の中では下っ端の《気孤》は

 鮮やかな黄色の『すかーふ』を皆が首に巻いておりました。

 その頭数の多さは、

 もっとも下の《野孤(のこ)》に次いで、やはり二番目。

 雑用係には、うってつけの役回りですな。



「お前たちは入り口の封鎖にかかれ。ヤツを森から出すな」

「おりん様、“あれ”をお使いになるのですか?」

「そうだ――《暗雲(あうん)》を呼ぶ。渡した《召還の楔》はダンジョンとフィールドの境界に沿って等間隔に打て。《野孤》は〈水行衆(すいこうしゅう)〉を集結させろ。それまでは私と《空狐(くこ)》で《暗雲》を呼ぶ。行け」



 集った大勢の狐たちが、おりんちゃんの号令で四方八方へ散ります。

 獣の姿に限りなく近い《気孤》・《野孤》と違い

 その場に残ったわずか三頭の《空孤(くこ)》は人の姿を成しております。

 彼女らもまた、おりんちゃんと共に、すぐさま召還の支度に入ります。



「カガルゴエルカケバル、レデクレアデルゲ」



 『詠唱たいむ』が始まりましたな。

 邪魔しちゃいけませんので、ここから静かにご説明させていただきます。



 この【迷いのまの森】の“支店長”は『狐一族』の頭領が代々任命される

 『準・世襲しすてむ』になっております。

 『準』と、ややこしい表現が加わっているのは血の繋がり以上に

 実力が伴わないことには認められないからに他なりません。

 そこは完全な実力社会。

 すぱっと情とは切り離されております。



  そして『狐一族』の頭領は……。

 

  (ばばばーん・いよぉー!)もちろん我らが“おりんちゃん”。

 


 うら若い、おりんちゃんは『狐一族』の頭領であり、

 【迷いのまの森】支店で勤務する全社員を統括する

 支店長なのでございます。

 いやはや、羨ましいほどの、できる女。

 すべてを持ってる彼女に憧れる男型・そして女型の〈まのもの〉は

 数えきれず。私も熱狂的なそのひとり。



「ジャレルガッェソギゥエゲバヴァェワクャアカ」



 荒ぶっております

 おりんちゃんの呪文が、いつも以上に荒ぶっておりますぞっ!

 凡人の私には発声不可能な領域に突入しました。

 さすが頭領、なんてったって支店長。

 発声可能領域に限界なんぞありゃしません。


 

   もくもくもく。



 鬱蒼と茂る木々の枝葉の隙間から、ほんの少しだけ垣間見える暁の空が

 次第によどんでまいりました。


 

 それは【迷いのまの森】周辺にだけ生じる“不自然な暗雲”……。




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