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天狗の怪 その一

神隠し。昔から伝わる言葉だ。禁足地に足を踏み入れた子供がいつの間にか消えてしまうアレだ。

だが、本当に神の仕業なのだろうか。ある里には、女人禁制の山があり、その山に女が入ると天狗がさらってしまうらしい。その天狗を祀る神社が山の頂上の奥地に佇んでおり、人々は二度とこういうことを繰り返さぬように、祈り捧げている。


しかしそれも虚しく事件が起きてしまう。里で遊んでいた小さい子供が一人消えてしまったのだ。人々は天狗の仕業だと恐れおののき、親は必死になって探し回ったが、ある日、草陰の中から無残な姿で見つかった。その里は悲しみに暮れ、しばらく祭りは行われなくなった。


それもつかの間、また小さい子供がさらわれた。それはひと月ごとに起こった。結局は、10人もの子供がさらわれ、生きて帰ったものはいなかった。


犯人は誰か。早く犯人を捕まえろ。いやこれは天狗の仕業だ。人々のいわれのない噂や疑心暗鬼が里中広がり、大きな混乱が起きた。


ある朝、一人の男が叫んだ。死体だ!

なんと行方不明になった9人もの子供の骨が天狗を祀る神社の入口で、ズラッと並べられていた。

もう誰かなんて判別できない。親たちは共同で葬ったが、手や頭蓋骨がない子供もいたので、骨を返してくれと叫び通した。


この事件、本当に天狗の仕業なのか。それとも誰かがやったのか。それなら、もし捕まえることができたのなら、天狗はいなくなる。この凄惨な事件の一部始終を聞いた私は、この怪の謎を探るべく中央から派遣されるのであった。

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