2
「えぇ!?殺人事件!?
え、え、笑麻ちゃんは大丈夫なの??」
昼間起きたことを夜ご飯を食べながら文也に報告する。
ちなみに今日のご飯は生姜焼き、サラダに味噌汁とご飯だ。
うん。美味しくできた。
生姜焼きを飲み込んで、話を続ける。
「笑麻ちゃんは大丈夫。
昨日の夜に、散歩道にある高級マンションの部屋で部屋の住人じゃない人が死んでたんだって。
なんか謎だよね…」
自殺っぽかったらしいよ〜。
と、さも自分が調べたかのように話を続けていく。
もちろん情報源はおばさまトリオだ。
どこまでが本当かはわからないが、話題性はバッチリで文也は味噌汁を飲みながら物騒だな…絵麻ちゃんが心配だ…。引っ越そうかな。
などとぶつぶつ言っている。
私はというと、変わり映えしない毎日に振って沸いた事件にドキドキしていた。
「あなた、犯人ですか?」
30代ぐらいで中肉中背な男性が突然話しかけてきた。
絵麻を抱っこして散歩していたら、道端に立ち止まっているスーツの男性がいきなり話し出した。
「えぇ?」
思わず変な声が出る。
一瞬で絵麻を守るように背中を向ける体制になった。
SNSでよく見る赤ちゃんにイタズラする系の迷惑おじさんだろうか??
早く逃げないと!!
「だ、誰ですかあなた!!
けけ、警察呼びますよ!!」
声は上擦って体も震えるが、絵麻ちゃんを守れるのは私しかいない!!と自分を奮い立たせる。
「はい、私が警察です。」
今は亡き志村のおじちゃんのお得意コントのように名乗り出した自称警察官を上から下まで怪しみながら睨みつける。
「え…?志村…じゃなくて警察??」
すると、後ろから若い警察官がこちらに走って来た。
「しむらセンパーイ!
また一般の方に迷惑行為してるんすかー?
加藤刑事が呼んでますよー!」
「私は一般の方の中に何か証拠があるかと思いまして。加藤刑事には交通規制で忙しいとかなんとか言っておいてください。」
…なんか変な警官だなぁ。
「あなた…私の名前なんで知ってるんですか?」
変な警官が怪しいものを見る目で聞いてきた。
「あ、すいません、コントみたいだったので」
悪気はないんです。
警察の方とは気づかず…。
では、と言いながら通り過ぎようとすると、シムラと言われた警官がぶつぶつ独り言を言い始める。
笑麻ちゃん寝てくれてるから良いけど、気持ち悪いから関わらないようにしよ。
心の中で固く誓って帰ろうとすると、一言大きな声でシムラさんが私の方を見ながら言った。
「犯人は、現場に戻ってくる」




