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生まれた直後に捨てられたけど、前世が大賢者だったので余裕で生きてます  作者: 九頭七尾


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第336話 ぴちぴちですね

 冒険者ギルド協会会長、マリベルとのエキシビジョンマッチ。

 ファナとアンジェが二人がかりで挑んでいるにもかかわらず、マリベルに攻撃を届かせることすらできていない。


 一方でマリベルは圧倒的な攻撃魔法の手数で、新Sランク冒険者たちに着実にダメージを与えていた。


「強すぎだろ、あのおばさん……」

「さっきの最終試験で、めちゃくちゃ強いと思ったあの二人を相手に、ここまで余裕の戦いを見せるなんて」

「てか、魔法の発動までが速すぎるし、何であんなに同時にいくつも発動できるんだ? おまけに魔法の種類も多彩すぎる……」


 観客席の冒険者たちが呆然としている。


「そういや、大賢者アリストテレウスの生まれ変わりなんじゃないかって言われてたりもするらしいな」

「マジか」

「確かにそのレベルの魔法使いかもしれん」


 いや大賢者の生まれ変わりならここにいるんだが?


『そのレベルのって、前世の俺はあんなものじゃなかったぞ。大賢者と謳われた史上最高の魔法使いを舐めるなよ?』

『相変わらずダサいですね、マスター。それを自分で言ってしまうなんて』


 だがファナとアンジェも諦めた様子はない。


「これでどうだ……っ!」


 アンジェの足元の地面が爆ぜた。

 土の柱が飛び出してきたのだ。


 その勢いを味方につけながら高速の跳躍をしたアンジェが、一気にマリベルに躍りかかる。


 ギュンッ!


 マリベルはそれに勝るとも劣らない速度で回避。

 だが天井まで到達したアンジェは、上下を反転しながら天井に着地すると、再び足元から飛び出した土柱を踏切板としてマリベルを追う。


 当然、ファナもまた風に乗ってマリベルを追跡。


「うん、そうだね。魔法で直接あのおばちゃんを止めるのが難しいなら、魔法を移動手段として使うしかない」


 ファナ一人では頑張ってもマリベルに追いつけないので、二人がかりで上手く追い込む作戦だろう。


「あらあら、これだから二人を相手するのは大変なのよねぇ」


 マリベルはそんなことを言いながら、訓練場内を四方八方へと飛び回り続ける。


「ファナ、一か八か、あれをやってみるわよ!」

「ん」


 何かを示し合わせた二人。

 直後、ファナが床に着地したかと思うと、地面から土柱が飛び出す。


 一方、アンジェの身体を風が纏った。


「まさか、お互いに魔法を!?」


 驚くマリベルは、そこで初めて焦りを見せた。

 自身の速度を凌駕した二人が、同時に襲いかかってきたのである。


「ふっ!」

「くっ……」

「おらあああああっ!」

「っ!」


 辛うじてファナの斬撃は躱したが、そこへ拳を振りかぶったアンジェが迫ってきていた。

 さすがのマリベルも回避できず、結界に強烈な一撃が叩き込まれる。


 バリイイイインッ!!


 結界を破壊したアンジェの拳は、そのままマリベルの身体へと迫った。


 ぶよよよよよよよよんっ!


「なっ!?」


 マリベルの巨体は猛スピードで飛んでいったが、まるでボールのように何度か床や壁にぶつかって跳ね返った後、何事もなかったかのように元の体勢に。


「うふふ、ごめんなさいねぇ。おばちゃんの身体、見ての通り柔らかいお肉たっぷりだから、ちょっとやそっとの衝撃は完璧に吸収しちゃうのよぉ」

「んなわけないでしょ!?」


 結界で威力が落ちていたとはいえ、アンジェの拳の衝撃を脂肪だけで吸収し切れるはずがない。

 恐らく何らかの魔法付与を自分の身体にかけておいたのだろう。


「でも、まさか二人がかりとはいえ、おばちゃんが一撃貰っちゃうなんて。何年、ううん、何十年ぶりかしらねぇ? とっても、素晴らしかったわぁ! エキシビジョンマッチはこれでお終いよぉ!」

「もう終わり?」

「は? これからでしょうが!」

「無理言わないでちょうだい。おばちゃん、こう見えてもうすぐ60歳なのよぉ? じゃじゃ馬娘を二人も同時に相手して、さすがに疲れちゃったわぁ」


 太い腕で額の汗を拭うマリベル。


『60歳? 前世の俺なんて、100歳超えてもバリバリ魔族と戦ったりしてたぞ? やはり本物は違うな、うん』

『いちいち対抗意識を燃やさないでください。小者に見えますよ?』


 ファナとアンジェは仕方なさそうに武器を下ろす。

 それからマリベルの視線が、なぜかこっちの方を向いた。


「ところで、そこのとっても可愛らしい赤ちゃんが、噂のレウスちゃんかしら?」


 どうやら俺のことを知っているらしい。

 いやまぁ、普通の協会職員でも知っていたくらいだし、当然か。


 杖に跨った巨体が、観客席にいた俺の方に近づいてくる。

 次の瞬間だった。


「かわいいいいいいいいいいいいいいっ!」

「~~~~っ!?」


 俺はいきなり抱っこされていた。


「おばちゃん、赤ちゃん大好きなのよねぇ! あ~ん、赤ちゃん特有のとっても良い匂いがするわぁ!」


 やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?

 せっかくここまでゴリティーアの地獄抱っこを回避できてたのにいいいいいっ!?


 俺は心の中で絶叫した。


『よかったですね。推定バストサイズ130センチの爆乳ですよ、マスター』

『こういうのは爆乳って言わねぇんだよおおおおおっ!? どう見ても胸より腹の方が出てるしよおおおおおっ!』

『しかも前世を含めるとマスターより70歳以上も若い方です。ぴちぴちですね』

『ぶよぶよの間違いだろうがああああああああああっ!』


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生活無双
12月17日発売!!!
― 新着の感想 ―
さすがにコレを巨乳扱いしないかぁ
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