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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
九話:兄と妹とフローライト
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~~ストローン学園・中庭~~


ストローン学園、それはジュエル☆プリンセス♡スクールでもあった学校。

国立学校の教育機関としてよく出てくる。

ファンタジーの学校で○○ポッターに出てきそうな西洋風の建物だ。

まあ、ドラゴンとかはいないだろうけど。


学園の中庭は、大きな井戸がある。

その井戸の中には水が入っていない。乾いた井戸だ。

水の代わりにいたのがヨッシーマ王子。

それとフローライト、視点の俺もいるということだから三人がこの井戸の中にいる。

なんだか暗いな、俺は暗いのが苦手だ。


「本当にごめん」

「いいの……お兄ちゃん」

落ち込むヨッシーマ王子に、優しくなだめるフローライト。

さっきのゾンビ襲撃と違って、二人はいい感じになっていた。

リアルで部長に変化があったのが、ゲーム内では即反映していた。


「俺がフローライトのことをちゃんと考えていれば……」

「ううん、私もまだまだなの」

「いやいやこちらこそ……」

兄と妹の時間、互いが誤解が解けては謝っていた。

そんな俺はずっと疑問だったことがあった。


「なあ、それよりどうして井戸の中に?」

「それはですね……ここには呪いを解く宝石があるからです」

「呪いを解く宝石?」

「ええ、あるのですよ。ストローン学園のいずれかにあるのですが……落ちちゃいました」

「はあ?」

俺は半分憤っていた。

それでもヨッシーマ王子はゾンビ姿のまま、少し笑顔を見せていた。

間近で見るとすごく気持ち悪いんですけど。


「しょうがないな、フローライトは」

「てへっ、探しましょう」

「その前に出る方が……」

「あっ」だが、俺の話とは無視して井戸の下の方が青白く光っていた。

「待っていろ」

部長が頑張って掘ろうとするが、ゾンビの手にはそんな力はない。

ボロボロの手が崩れては、壁にベタベタと塗りつけているようだ。

しょうがないので男手の俺が掘ることに、タッチペンでなぞればいいだけだが。

そして出てきたのが七色に輝く石だ。


「これです!」

フローライトは綺麗に輝く石を両手で大事そうに受け取った。

そう言えば、この石の輝きどこかで見たような。


「ターフェライトです、エメラルド王国の守護宝石なんですよ」

「それが……へえ」

ターフェライトの説明は、ジュエル☆プリンセス♡スクールで聞いたことがあったっけ。

綺麗に輝くターフェライトは実に神秘的な輝きを放つ。


「これがあればお兄ちゃんが戻りますよ。早速行きますね」

そういいながらフローライトは、石に願った。

両手で意志を包み、目をつぶって祈る。神に祈るかのごとく。

それは奇跡だ、まるで魔法の様にフローライト自身が輝いていた。


「それって……」

「いきますよ」

フローライトが言うと、ゆっくり掌を開く。

それと同時にヨッシーマ王子が光につつみこまれた。



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