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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
八話:地下のアイドルとフローライト
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ドワ太はヘルパーだ。

ゲームの進行の手助けをするのが目的。

そんな彼がこちらからヘルプを開かないと何もしないのが普通だ。

だからこそ、アプローチをしてくることは珍しい。


フローライトをランニングの教育に行かせる中で、俺はドワ太と話をしていた。

ちょこんと座るドワ太、白黒のテーブルで座る椅子にドワ太の足がついていない。


「で、何の用だ?」

「フローライトは異変がないか」

「ああ、やはり小心者なところがあるが……だいぶ好感度が上がったようだな」

「ふむ、死亡フラッグは?」

「まだない」

クリスタルゲージの下には何も出ていない。

逆に言うとクリスタルゲージは、それなりに減っていた。


「死亡フラッグが出ないことは……いい事なんだろ。

クリアすれば問題なく……むしろ佳乃が死ぬことが問題なんだ」

「生死をかけることは必要だ、女王になるには」

「どういう意味だ?まさかこのゲームの女王候補は死が義務づけられているのか?」

「当然じゃ」

俺に質問にドワ太が堂々と言い放つ。


「当然って?」

「リアルで子供を育てたことはなかろう」

「当り前だ。俺はまだ高校生だ。しかも男だから、子供すら産むことはない」

「今の人間は、いや親は子供に責任をもたなすぎるのじゃ」

「もたないって……まあそうだけど」

「本来教育とは、しっかりと子供を育てることにある。

だけど教育に対して未熟な親が多すぎるのじゃ。

全ての原因を親だけが責任を負うのもわしはどうかと思うのだが。

それでも親になった以上は、子供に愛を持って接するべきじゃと思う」

ドワ太が真面目に教育を語った。

そんなドワ太の教育論を、俺は何となく聞いていた。


「それが死ぬことが必要なのと何の意味が?」

「女王とはあまりも孤独だ。故に強い精神力が必要だ」

「ならば精神力のパラメーターを上げれば……」

「バカモノ、精神力のパラメーターごときで決して計れはせん。それに女王の魂は特別なのだ。

まあそれは後々知ることだろう、本番はこれからなのだからな」

「本番?」

「いずれわかろう。ほれ、フローライトが戻って来たぞ。彼女は教育を待っている」

そう言ったドワ太の先には、疲れた表情のフローライトが立っていた。

体操着を着たフローライトが汗だくで戻ってきていた。


「終わり……ました……」

激しく息を切らして、俺をじっと見上げていた。

そんな時、画面上に『!』マークが点滅していた。


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