表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
五話:憧れの英雄とアズライト
44/137

44

真っ白な天井はあまりにも殺風景だ。

だけどぐちゃぐちゃの頭の中を整理するにはちょうどいい。

腹の痛みがあるが、起き上れないほどでもない。


俺は二つのことを考えていた。

一つは不良グループ……リーダー榊だ。

彼の目的だ、ジュエル☆プリンセス♡スクールのことを彼は知っていた。

彼が戸破との関係があるのも間違いないだろう。

だとしたら彼をもっと知らないといけない。


それからもう一つは戸破のことだ。

このままいけば戸破が死んでしまう。

だけどゲームは破壊されてしまった。

母親は俺のことを心配させるように、適当なことを言ったはずだ。


そういいながら俺は立ち上がった。

まだ立ち上がるだけで少し腹が痛い。でも歩けないほどではない。

ゆっくりと机の上のDSPを見て……全くDSPは壊れていなかった。

(あれ、無傷だ……気のせいかな?)


俺は少し驚いたが、すぐに体をベッドの方に向かわせて横になった。

戻ってきた母親はお盆を持ってにこやかな顔を見せていた。


「おかゆもってきたわ。食べられるよね」

「ああ、ありがとう……」

俺は母親の愛を感じていた。

何より母親は、いつも俺に対しては優しかった。

学校の成績が良かったのが影響しているのが分かるが。

そんな優しそうな母親と、手負いの自分を考えて母親に一つのことを切り出した。


「母親……あのさ戸破の事……」

「戸破は本当にどうしようもない子ね」

母親に言われて、俺は口をふさいでしまった。

戸破は悩みがある、それはおそらく家庭の悩みだろう。

いつも分かりやすく母親と喧嘩をする戸破は、まさに悩みの種だろう。


「でも戸破は……」

「光輝はやはり優しいお兄ちゃんね。戸破のことを心配している?」

「うん……」

「大丈夫よ、私は世界中の全ての人間が光輝も戸破も敵になったとしても、絶対に味方なの。

それが母親だから。無償の愛であなたたちを愛しているわ」

その一言を聞いた瞬間、俺は少し照れくさい顔になった。

そして自分を恥じていた、自分が少しでも母親に疑念を抱いていたのを。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ