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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
四話:不良な戸破とアズライト
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すぐに俺はDSPを確認した。

メールが入っていて、再起動してくださいとメッセージが来ていた。

信じたくなかったが、指輪はすぐにゲームに反映されていたのだ。

俺は強張った顔で、ジュエル☆クイーン♡スクーリングを再起動した。


~~オープニング・アズライトの部屋~~


再起動後ゲーム画面には、『新入学』と書かれた文字が見えた。

それを見つけては、俺は愕然として後悔した。

(このゲームに戸破を参加させてしまった)


脳裏によぎったのは前回の純花だ。

何気なくリアルを育成するということで、純花をゲームに巻き込んでしまった。

純花の問題を命からがら解決したけれど、正直達成したというより怖いという思いが強かった。

ゲームではなくリアルに、純花を危険にさらしてしまったのだから。


(これはただのパラメーター上げじゃない)

それでもゲームに参加したら、二度と後には引けない。

指輪をはめた時点で戸破はゲームに参加してしまったのだから。


ゲーム画面には早速見えた目をつぶった戸破。

だけど髪は金髪のロングソバージュではなく、黒のショートカットだ。


(これは……もしかして昔の戸破?)

俺は髪が短い戸破を見て、ゆっくり画面が下に……


「裸……戸破の」

妹の体に欲情するわけではないが、少し懐かしさはあった。

健康的な小麦色に焼けた肌、意外と長くすらりとした手足、なにより筋肉質な体、それから胸。


(ヤバッ!)

俺は思わず恥ずかしくなった。なんで妹の裸体をゲームで見ないといけないんだ。

ゲーム画面前で俺が焦っていると、目をつぶっていた戸破が目を覚ました。


「あれ?ボクはなにを……」

「ボク?」

「ああっ、男の人?あなたがボクの大臣さんか、なんか強そうだね」

「えっ……うん」

俺のこのゲームでの役割は教育大臣という肩書だったな。

クイーンを育てる専属の大臣で、国の文部科学大臣とは全く違う。

当然相撲協会を管理してはいなくて……こんな話はどうでもいい。

それにしてもボクって自分のことをいうのは、やはり数年前の戸破みたいだ。

髪もそうだし、健康そうな戸破を見ては懐かしくも思えた。


「初めまして、ボクはアズライト。なるほど、この子は『菅原 戸破』っていう子なんだ。

大臣の兄ちゃんとは兄妹(きょうだい)の契りを交わしたんだね」

「契りじゃない、普通の兄妹の血縁関係でしかない」

「そうか、なんでもいいや。ボクはバカだから」

「バカって、あまり自分を卑下するいい方はするもんじゃないよ」

「そっかごめん」

素直に謝った、戸破の顔をしたアズライト。

申し訳なさそうな顔が、やはり今の戸破ではないみたいだ。

純花の時もそうだが、なぜリアルと違う雰囲気でゲーム内だと出てくるのだろうか。


「いや、分かればいいんだ。それより服を着ようか」

「うん」

やっぱり素直に返事を返してくるアズライト。


アイテムボックスから俺は、アズライトの服を出した。

アイテムボックスの服は茶色のベストに白いシャツと長ズボン。

後はファンタジーらしく『アズライトのショートソード』も中に入っていた。

あったものは全部着せてみよう。

すると、凛々しい女兵士の姿が現れた。

服の上に分厚い革の鎧と、二本のショートソードを腰に携えた女兵士だ。


「似合う?」

「うん、似合う。腰には剣もついているんだね」

「そうだね。ボクはね、これでも剣の腕は自信があるよ。

大ちゃんってもしかして腕利きの剣士なの?」

戸破でもあるアズライトが、あまりにも俺に軽快に喋ってきた。


俺が腕利きの剣士、このアズライトにはそういうキャラに俺が見えるのか。

リアルの俺は、戸破に対して極力抵抗しない空気対応をしているのに。

この場合は最初のインパクトは重要だからな。

ほら選択肢が出てきた、ここで好感度が上がる仕組だろう。

ならば選ぶのはこれかな。


「ああ、俺は元最強の剣士だ。

かつてはエメラルド王国に襲ってきた、山賊の軍団を壊滅させたこともある」

などと適当に話をあわせると、俺のハッタリに目を輝かせてきたアズライト。

顔がドアップになって、尊敬のまなざしで俺を見ていた。


「すごい、すごいよ大ちゃん。じゃあじゃあ、ボクの兄ちゃんとどっちが強いの?」

アズライトの純粋な目で俺は思わず困惑してしまった。

「兄ちゃん?アズライト……じゃなくて戸破の兄は俺だけど」

「ううん、違うの。大ちゃんは大ちゃんだよ」

「なあ、ちょくちょく出てくる『大ちゃん』って?」

「『大』臣の兄『ちゃん』、略して大ちゃん。なんか言いやすくて」

はにかんだアズライトは、気取らないかわいさがあった。

礼儀正しいセレスタイトと違い、こちらは無垢なアズライトだ。


だけど単純に疑問が残った。

アズライトの話し方だと、兄と俺は別の扱いなのか。

兄はそれとも俺で……ゲーム内だとリアリティがあまりないな。

別人と喋っているみたいだが……いやいや戸破の過去も今のアズライトだ。

だとすれば前のセレスタイトも、過去の純花の姿なのかもしれない。


「そっか……それよりアズライトの兄さんの話を詳しく聞かせてくれないか?」

「いいよ」

そう言いながら、アズライトは近くにあった豪華そうな白いソファーに腰かけていた。



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