↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
九話:兄と妹とフローライト
PR
101/137

101

俺はゲームを一旦止めて、佳乃に説明していた。

それは佳乃に指輪を渡したところから始まる。

お茶会のお礼に、俺はゲーセンでとったオモチャだと嘘を言って指輪をプレゼントした。

もちろんそれがフローライト。佳乃は早速、青い指輪をつけるとすぐに見えなくなった。

青い指輪(フローライト)を、嬉しそうに受け取った佳乃がフローライトとしてゲームに参加した。

指輪の所有者がゲーム内で、佳乃の全てを鏡のように映していたという事。


全部を白状した。

白状したうえで、佳乃は何かを考えているようだ。


「ごめん……佳乃」

「いえ、何もおかしくないですよ」

「俺はずっと佳乃を……」

「おかしいとは思ったんですよ。私とお兄ちゃんのことを随分詳しかったので」

佳乃はニコニコしながら、それでもしっかり指摘していた。

何度も頭を下げて、怒られることは覚悟した。


「怒らないの?」

「はい~」

「でも佳乃のプライベートを覗いたようなものだし……」

「やはりおかしくはないです」

それでも佳乃の穏やかな笑顔は、俺の全ての罪を相手にすらしていないようだ。

なんという事だ、こういうときは怒られた方がかえってすっきりする。

怒られなければ俺の罪が残り、自責の念がより一層深い傷になっていた。


「佳乃、君は……」

「さすがに、裸とかは覗いていないですよね」

「え……ええ」

(だめだ、始めの裸で体育座りの佳乃の姿が頭に出てくる)

などと煩悩をかき消して、俺は佳乃に作った笑顔で答えた。


「そうですね、でもそれで私を助けてくれたんで、全然おかしくないです」

「そうか……すまない」

俺は佳乃の穏やか過ぎる笑顔に、心底懺悔の気持ちがあふれた。


「あの、何か画面が反応していますよ」

「えっ?」佳乃の指さす方を見ると、ゲーム画面が進んでいた。

ゲーム画面、ジュエル☆クイーン♡スクーリングのゲーム画面にドワ太が出てきた。

小さな小人が、深々と頭を下げてから薬玉を割っていた。

出てきた文字は『祝・フローライト攻略』と書かれていた。


「おめでとうございます、ようやく我が姫フローライトのエンディングを迎えました」

「この小さいのは?」

「ドワ太……ゲームのヘルパーだよ。妖精らしいちいさいじじい」

俺が佳乃に説明していた。

そんな俺の前で、咳払いをしながら青帽子のドワ太が続けていた。


「無事にエンディングを迎えていやぁ、めでたい」

「そうだな、このフローライトが終わりだからこれで終わりなのだろ?」

俺はまだよくわからなかった。だからこそドワ太に尋ねた。


「そうじゃった、そうじゃった。早速だが……新モードの突入を発表する」

「新モード?」

「そうじゃ、おっとわしもおるぞ」

俺と佳乃が覗くゲーム画面は、青い帽子のドワ太の他に赤と白も現れた。


「三匹いますね~」

「うん、このゲームは三匹いるぞ……」

「違うのじゃ、女王候補は全部で四人じゃ」と赤帽子のドワ太。

「その四人が女王になることができるのはたった一人じゃからな。これからが大変だぞ」と白ドワ太。

「その名も『女王バトルロイヤル』なのじゃ」と青ドワ太。

いちいち三人に分けて説明戦でもよくない?と俺は心の中で突っ込む。

それにしてもまた聞きなれない言葉が出てきたので、早速確認する。


「『女王バトルロイヤル』?」

「さよう。最後のフローライト育成完了で、四人の女王候補が無事育ったのじゃ」白ドワ太。

「でも、その中から一人の女王を決めないといけない。女王は一人だけじゃ」赤ドワ太。

「そうね、そして私もようやく岩本祭に来た甲斐があったというもの」

だけどそれはドワ太の声ではない。その声はリアルから聞こえた。

声の方に俺は思わず顔を上げた。

そこに立っていたのは、


「湯神子……」

「要はデスマッチ……あなたの女王候補と私の女王候補。

どちらが優れているかを戦うの、それが『女王ロワイヤル』」

それは黒いセーラー服姿の湯神子が立っていた。

その湯神子が普段と違って怪しそうな笑みを浮かべて、DSPを片手に俺と向き合っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。